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ボディビル・フィジーク

ボディビル大会のカラーリングとは?日焼けマシンとの違いと団体別のルール

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 11分
カラーリングした肌でステージに並ぶメンズフィジークの選手たち
SUMMARY|この記事の要約

ボディビル・フィジーク大会のカラーリング(タンニング)とは何かを解説した。日焼けマシンとカラー剤の仕組みの違い、JBBF・FWJ・ZeniX・SSA・マッスルゲート・ベストボディ・ジャパンの規定(指定サロンのみ可・任意・禁止)、施術証明書、色落ちと色ムラの対策を公式資料と研究からまとめた。

ボディビル大会のカラーリングとは、強いステージ照明の下で筋肉の陰影を見せるために、大会用のカラー剤やスプレータンニングで肌を濃い色にすることだ。紫外線で肌を焼く日焼けマシンとは別物で、団体によって指定サロンのみ可、任意、全面禁止と規定が大きく分かれる。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

ボディビルやフィジークの大会で選手の肌が濃い褐色に見えるのは、多くの場合カラーリングによるものだ。ただし、どの団体でも自由に塗ってよいわけではない。指定外のサロンで施術すると失格になる団体もあれば、そもそもカラーリングを禁止している団体もある。本記事は、JBBF・FWJ・ZeniX・サマースタイルアワード(SSA)・マッスルゲート・ベストボディ・ジャパン(BBJ)の公式の規定を10月21日時点で確認し、日焼けマシンとの違いと色落ちを防ぐ注意点とあわせて整理した。

SSA公式のカラーリング案内を見る

ボディビル大会のカラーリングとは何か

ステージの照明は強く、色白の肌のままだと筋肉の凹凸が光で飛んで平らに見えやすい。SSAは公式サイトで、照明が強いステージ上で鍛えた体を美しく見せるために日焼けサロンやカラーリングを勧めていると説明している。ZeniXの初心者ガイドも、ステージの照明に負けないよう肌を黒く染める準備としてカラーリング(タンニング)を位置づけている。

カラーリングには大きく2つの方法がある。1つはサロンでエアブラシを使って全身に液剤を吹き付けるスプレータンニングで、多くは大会の前日までに施術する。もう1つは、選手自身やサポーターが塗るクリームやムース、ローションのカラー剤だ。どちらが認められるかは団体ごとに違う。

スプレータンニングの色が付く仕組み

セルフタンニング製品の多くに使われる成分がジヒドロキシアセトン(DHA)だ。米国食品医薬品局(FDA)は、DHAを皮膚表面のアミノ酸と反応して肌を濃く見せる着色料と説明している。紫外線を浴びて肌の中でメラニンを増やす日焼けとは仕組みが違い、色は皮膚の表面にとどまる。FDAはDHAの使用を体の外側に限り、唇や粘膜、目の周りへの使用は認めていない。サロンで全身に吹き付ける場合は、目や粘膜を守り吸い込まないための対策をサロンに求めるよう助言している。

サマースタイルアワードが案内するコンテスト用タンニングクリーム「マジックタン」のクリームタイプとムースタイプ
画像:サマースタイルアワード公式サイト「COLORRING」より

日焼けマシンとカラーリングの違いは?

日焼けマシン(タンニングベッド)は紫外線を当てて肌を焼く機械で、色は肌そのものの変化による。カラーリングは肌の表面に色を付けるもので、紫外線は使わない。団体のルール上も扱いが違い、FWJのよくある質問は、日焼けサロンや太陽による日焼けは問題ないとしたうえで、カラーリングはオフィシャルサロンのみ可、オイルタンニングは不可としている。

比べる点 日焼けマシン カラーリング(スプレー・カラー剤)
色が付く仕組み 紫外線で肌を焼く DHAなどが皮膚表面と反応する、または表面に色を乗せる
紫外線 浴びる 使わない
色の持ち 日焼けが薄れるまで続く 皮膚の表面にとどまり、時間とともに落ちる
団体のルール FWJは日焼けサロン・太陽の日焼けは問題なしと明記 団体ごとに指定サロンのみ可、任意、禁止に分かれる
健康上の注意 IARCが発がん性のある「グループ1」に分類 FDAは目・唇・粘膜への使用を認めていない

日焼けマシンには健康上のはっきりした注意点がある。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は2009年、紫外線を出す日焼け装置を「ヒトに対して発がん性がある」グループ1に分類した。IARCの作業部会による系統的レビューでは、35歳より前に日焼けマシンを使い始めた人はメラノーマ(悪性黒色腫)の相対リスクが1.75倍だった。分析した研究の多くは肌の色が明るい集団が対象だが、大会のために短期間で何度も照射を重ねる使い方は勧められない。

紫外線ランプが並ぶ日焼けマシン(タンニングベッド)の内部
画像:Wikimedia Commons(pixel2008, CC0)より

団体ごとのカラーリング規定はどう違うのか

公式の要項、よくある質問、初心者ガイドで確認できた規定を表にまとめた。同じ団体でも大会ごとに指定業者が変わることがあるため、出場する大会の要項を必ず確認してほしい。

団体 カラーリング 認められる方法 オイルなど
JBBF 許可された大会のみ可 JBBF公認サロン(Venus、ProTan、K color)とJBBF推奨のセルフタンニングローション(「コンテストブラック」「LYCO-BRONZE」「K-FOAM」) オイル・クリーム類を体に塗るのは禁止
FWJ 任意 大会ごとの指定サロンのみ。施術した場合は証明書を当日提出 自分で塗るカラー・オイルは禁止。ワセリンは薄く微量なら可
ZeniX 提携サロンのみ可 提携サロンで施術し、施術証明書を受付で提出 自分でカラー剤・オイル・ワセリンを塗るのは禁止
SSA 推奨(しなくても減点なし) 前日までの協会加盟サロン、当日の公式カラーリング(15,000円)、公式カラー剤「マジックタン」 ボディメイクカップはカラーリング禁止
マッスルゲート 一切禁止 なし 当日のオイルも禁止(前日のスキンケアは可)
BBJ すべて禁止 なし オイルも禁止。違反はその場で失格、返金なし

JBBF:前日までに工程を終える

JBBFの2026年度日本選手権の審査規程は、カラーの使用が許可された大会ではJBBF指定サロンと推奨セルフタンニングローションのみが使えるとし、カラーリングの工程は必ず大会前日までに終えるよう求めている。JBBFが認めた方法でも、カラー・オイルチェックで色落ちした場合は失格になることがある。8月の東日本フィットネス選手権の要項は、当日までに液剤をしっかり流して色が落ちないようにすること、サロンを利用した場合は捺印済みの利用証明書を持参することを求め、カラーで会場を汚した場合は弁償代を求めることがあるとしていた。

FWJ・ZeniX:指定業者以外は失格

FWJは、大会ごとに対応するカラーリング業者が異なり、指定外の業者で施術した場合は失格になると大会ページに明記している。施術した選手のリストを業者から受け取っているとも説明している。ZeniXも提携サロン以外での施術を禁じ、提携サロンは大会ごとに異なる場合があるとしている。どちらも当日の選手受付で施術証明書を出す。

SSA:当日に塗る選択肢がある

SSAは他団体と違い、当日に会場で塗る方法を公式に用意している。公式カラー剤「マジックタン」には、ラメ入りでツヤを出すクリームタイプと、速乾性があり衣装に移りにくいムースタイプがある。SSAは、レギンス部門のように衣装の擦れが多い出場者にはムースタイプか前日までのサロン施術を求めている。

色落ちと色ムラを防ぐには

色落ちは見た目の問題だけでなく、団体によっては失格の理由になる。各団体の公式の注意から、選手がやるべきことをまとめた。

  • 予約は早めに:ZeniXのガイドは大会の1〜2か月前の予約を目安とし、直前は枠が埋まるとしている。
  • 施術後は汗と摩擦を避ける:ZeniXは濃い色のゆったりした服で汗をかかずに過ごすよう勧めている。FWJも、当日汗でカラーが落ちないよう各サロンのアフターケアを必ず確認するよう求めている。
  • 液剤を流しておく:SSAが案内するサロンのスプレーは、乾いた後にシャワーで浸透しなかった液を洗い流す。JBBFの東日本大会も当日までに液剤を流すよう求めていた。
  • 肌の下地を整える:SSAはムースタイプについて、角質を取った肌に塗ると色ムラを防げるとしている。色白の人は色が入りにくいことがあるため、事前にサロンに相談するよう案内している。
  • 厚塗りしない:SSAは、厚塗りすると陰影がぼやけるため薄く少しずつ塗り広げるよう注意している。
  • 会場を汚さない:FWJとZeniXは、素肌で床に座ったり壁に手をついたりしないよう求めている。黒いタオルやマットを持っていくとよい。

FWJ公式のタンニングのルールを見る

よくある質問

カラーリングをしないと不利になりますか

SSAは、カラーリングをしない場合の減点はないとしている。FWJも施術は任意だ。ただし照明で筋肉の陰影が見えにくくなるため、各団体はカラーリングを勧めている。マッスルゲートとBBJは禁止なので、そもそも選択肢にならない。

市販のセルフタンニングローションは使えますか

団体による。JBBFは推奨の3製品のみ、SSAは公式のマジックタンのみを認めている。FWJとZeniXは自分で塗るカラー剤を禁止している。市販品を自己判断で使うと失格になるおそれがある。

日焼けマシンで焼くのはルール違反ですか

FWJは日焼けサロンや太陽による日焼けは問題ないと明記している。ただしIARCは日焼け装置を発がん性のあるグループ1に分類しており、健康面のリスクを理解したうえで判断したい。

カラーリングはいつ施術すればいいですか

JBBFは大会前日までに工程を終えるよう定め、ZeniXのガイドも前日の施術を目安にしている。SSAでは当日の公式カラーリングや会場で塗るカラー剤も選べる。

オイルを塗ってツヤを出してもいいですか

多くの団体で禁止だ。JBBF、FWJ、ZeniX、マッスルゲート、BBJはいずれもオイルを禁じている。FWJはワセリンの微量の使用のみ認めているが、ZeniXはワセリンも禁止している。

KINNIKU TIMESの視点

カラーリングで最も怖いのは、色の出来よりも規定違反だ。同じ「指定サロン」でも団体ごと、大会ごとに対象が違い、他団体で使ったサロンがそのまま使えるとは限らない。初めて出る人は、大会の要項でサロンの一覧を見て、予約の段階で「どの大会に出るか」をサロンに伝えておくと確実だ。証明書を受け取り、前日の夜に荷物に入れるところまでを1つの手順として覚えておきたい。

費用と手間を省きたいなら、カラーリング禁止の大会から始めるのも合理的な選択だ。マッスルゲートやBBJでは全員が素肌で並ぶため、色の差を気にせず体づくりとポージングに集中できる。各団体の違いはボディビル大会の団体の違い、カラーリング代を含む総額はボディビル大会の出場費用、当日の証明書や持ち物は大会当日の流れと持ち物チェックリストにまとめた。初出場までの全体の段取りはフィジーク大会に初心者が出るまでを参照してほしい。体の仕上がりの目安を数字で見たい人はFFMI計算も使える。

出典

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