THE MUSCLE NEWSPAPER
ボディビル・フィジーク

ナチュラルボディビル大会とは ドーピング検査がある団体と仕組み2026

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 12分
日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のクリーンスポーツ・アスリートサイトのタイトル画像
SUMMARY|この記事の要約

ナチュラルボディビル大会の見分け方は、名前ではなく検査の有無と方法だ。JBBFのJADA検査と簡易検査、ZeniXのNatural大会の規則(TUE不可・ポリグラフ)、WNBFの10年基準、マッスルゲートやSSAの取り組みを公式資料で比べ、出場前の薬とサプリの注意点をまとめた。

ナチュラルボディビル大会とは、出場者が禁止薬物を使っていないかをドーピング検査で確かめる大会のことだ。国内ではJBBFの大会がJADAの検査対象で、ZeniXの「Natural」大会やWNBF Japanも検査を行う。名前に「ナチュラル」が付くかではなく、検査の有無と方法で見分けるのが確実だ。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

「薬を使っていない選手どうしで比べられたい」と考える人は多い。ただ、ボディコンテストの団体によって、ドーピング検査を行うかどうか、誰をどう検査するかは大きく違う。本記事は、各団体の公式サイト・大会要項・ルールを10月21日時点で確認し、検査の仕組みを団体ごとに整理した。公式に明示がない団体は「公式で明示なし」と書いている。団体全体の違いはボディビル大会の団体の違いで比べている。

JADAのクリーンスポーツ・アスリートサイトを見る

ナチュラルボディビル大会とは?見分け方は「検査があるか」

「ナチュラル」は本来、筋肉増強剤などの禁止物質を使わずに体をつくった選手を指す言葉だ。しかし、大会名や宣伝文句に「ナチュラル」と書かれていても、実際に検査をしなければ確かめようがない。逆に、JBBFのように大会名に「ナチュラル」と付けなくても、公的なドーピング検査の対象になっている大会もある。

見分けるときは、次の3点を公式資料で確認するとよい。

  • 検査の有無:大会要項や規則に「ドーピング検査」の記載があるか
  • 検査の方法:尿検査、血液検査、ポリグラフ(うそ発見器)、簡易検査のどれか
  • 違反したときの処分:失格だけか、出場停止まであるか

ドーピング検査がある国内の大会・団体一覧

団体・大会 検査の方法(公式の記載) 対象 処分・その他
JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟) 日本ドーピング防止規程に基づくJADAの検査。2023年度から独自の簡易検査も ランダムに指名 拒否・回避は規則違反の可能性。違反確定時はJBBF規程の罰則金5万円
ZeniX「Natural Regional」など NPC Worldwide Natural Contest Rulesに基づき、尿・血液・ポリグラフのいずれか 最低でも各オープンカテゴリーのオーバーオール優勝者 初回2年、2回目は永久の出場停止。TUE(治療使用特例)は認めない
WNBF Japan WNBFの方針で尿検査とポリグラフ。WADA禁止表を参照 会員は大会時と抜き打ち(シーズン内外)で検査に同意 筋肉増強剤などの違反は会員資格の永久停止(2022年1月から)
マッスルゲート 「薬物スクリーニング検査」を実施する場合あり。ゴールドジムジャパンカップは簡易ドーピング検査を予定 指名された出場選手 拒否・回避した場合は競技結果が無効になる場合あり

このほか、2026年9月に東京で国際大会を開いたINBA/PNBAも検査付きのナチュラル団体として知られ、報道では尿検査が行われたと伝えられた(INBA東京2026の結果記事)。ただし本記事の作成時点で、INBAの検査規定のページは閲覧できず、公式の記載は確認できなかった。

JBBFのドーピング検査はどう行われるのか

JBBFは、よくある質問で「アンチドーピングを徹底して行い、大会ではJADA(日本アンチドーピング機構)によるドーピング検査を行っています」と説明している。2026年度の日本選手権の審査規程は、大会を「日本ドーピング防止規程に基づくドーピング検査対象大会」と明記し、選手はエントリーした時点で検査に同意したものとみなすとしている。検査は「ランダムに指名して実施」される。

検査を拒んだり、帰ってしまったりすると違反になりうる

同じ規程は、検査を拒否・回避した場合や、検査員の指示に従わない場合だけでなく、「帰路の移動等個人的な諸事情」で手続きを終えられなかった場合も、ドーピング防止規則違反となる可能性があると書いている。表彰後すぐに会場を離れる予定を組むと危うい。

治療中の薬は1か月前までにTUE申請

治療のために禁止物質を含む薬を使っている選手は、大会の1か月前までに医師からTUE(治療使用特例)の申請書を受け取るよう求められている。申請をせずに当日の検査を受けると違反になる。

2023年度からの簡易検査と講習

JBBFは2023年度から、都道府県連盟や日本連盟の主催大会で、JADAとは別に独自の「簡易ドーピング検査」を実施している。現時点で罰則はないが、疑わしい物質が見つかった場合は、摂取しているサプリメントについて質問や注意喚起が行われることがある。また、2026年度の選手登録申込書では、選手登録をするたびにアンチ・ドーピング講習(会場かオンデマンド)の受講が必須とされ、ドーピング違反が確定した場合の罰則金5万円を保証人が連帯保証する欄もある。

JBBFの大会で表彰台に立ちメダルを掲げる女子選手3人
画像:日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)公式サイトより

ZeniXのNatural大会とWNBFの検査基準

ZeniX:同じ団体の中に「Natural」と「Open」がある

ZeniXは、IFBBプロリーグ/NPC Worldwide系列の日本公式プロモーターだ。初心者向けガイドでは、大会を「Natural大会(ドーピング検査がある)」と「Open大会(ドーピング検査なし)」に分け、日程表にアイコンで表示している。2026年は千葉・大阪・福島などでNatural Regionalが開かれ、12月19日には大阪でNatural Pro Qualifierが予定されている。

ZeniXが公開しているNPC Worldwide Natural Contest Rules(2026年1月22日更新)の主な内容は次のとおりだ。

項目 規則の内容
検査する物質 少なくとも蛋白同化薬(S1)と、利尿剤および隠蔽薬(S5)
検査方法 主催者の裁量で尿検査・血液検査・ポリグラフのいずれか。尿・血液とポリグラフの併用も可
最低検査数 リージョナル:各オープンカテゴリーのオーバーオール優勝者。Pro Qualifier:オーバーオール上位2名
1位の条件 大会後の検査で陰性、または大会前のポリグラフに合格した選手にのみ1位を授与できる
出場できない人 ホルモン補充療法・テストステロン補充療法を使っている選手。TUEは認めない
処分 初回違反で2年、2回目で永久の出場停止

JBBFは治療目的の薬をTUEで認める道があるのに対し、NPC Worldwideのナチュラル大会はTUEを一切認めない点が大きな違いだ。持病の治療でホルモン剤などを使っている人は出場前に必ず確認したい。ZeniXの出場方法はZeniXとはで解説している。

WNBF:使用歴を「10年さかのぼる」基準

WNBF(World Natural Bodybuilding Federation)は、2026年4月26日付の発表で、ダイスケ・イノウエ氏を会長とするWNBF Japanが日本での大会運営を続けると告知した。発表は、WNBF Japanの選手を「10 Year Drug Free」の基準を満たすナチュラル選手と位置づけている。WNBFの検査方針では、筋肉増強剤・成長ホルモン・ペプチドなどは最低10年、市販のホルモン剤やプロホルモンなどは最低2年、SARMsは5年の不使用期間が求められ、検査は尿検査とポリグラフで行う。WNBFの成り立ちはWNBFとは何かにまとめた。

JBBFの大会で規定ポーズをとる女子選手たち
画像:日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)公式サイトより

検査はないが講習や表明をしている団体

ドーピング検査そのものは公式に明示していないものの、アンチ・ドーピングに取り組む団体もある。

団体 公式の記載
サマースタイルアワード 2022年にJBBFとアンチ・ドーピング活動で連携し協力団体に。2023年度から選手登録とオンデマンドのアンチ・ドーピング講習の受講が必須で、内容が毎年更新されるため毎年受講が必要。大会での検査の実施は公式で明示なし
FWJ 薬物使用者や使用を公言する者のコンテスト・セミナー・イベントへの参加を一切禁止すると表明。検査の方法は公式で明示なし
ベストボディ・ジャパン ドーピング検査に関する記載は公式サイトで確認できず
ZeniX「Open」大会 ドーピング検査なしと明記

マッスルゲートの年末のゴールドジムジャパンカップの要項は、「管理ドーピング検査」の導入に向けてアンチ・ドーピング講習の映像を公式サイトで公開しているとし、JADAのドーピング防止規程に従っての出場を求めている。団体ごとの取り組みは年々変わっているため、出場する年の要項で確かめる必要がある。

ナチュラル大会に出る前に気をつけること

薬物を使うつもりがなくても、うっかり違反になる例として多いのが、風邪薬や漢方薬、海外製のサプリメントだ。日本スポーツ協会は「使用可能薬リスト(2025・2026年版、有効期間は2026年12月31日まで)」を公開しており、リストにない医薬品は「Global DRO」や薬剤師会のアンチ・ドーピングホットラインで確認するよう案内している。市販薬は名前全体が完全に一致するかを必ず確かめるよう求めている。

  • 治療中の薬がある人は、JBBFの大会なら1か月前までにTUEの準備をする(NPC Worldwideのナチュラル大会はTUE不可)
  • 減量中に使うサプリメントの成分表を確認し、不明なものは使わない
  • 表彰後に検査で呼ばれる可能性を考え、帰りの交通機関に余裕を持たせる
  • WNBFのように過去の使用歴まで問う団体では、何年前に何を使ったかが出場資格に関わる

なお、クレアチンは禁止物質ではない。詳しくはクレアチンはドーピング?で解説している。

よくある質問

JBBFの大会は全員がドーピング検査を受けるのですか

全員ではない。2026年度の日本選手権の審査規程では、検査は「ランダムに指名して実施」とされている。ただしエントリーした時点で検査を受けることに同意したものとみなされる。

ポリグラフ検査とは何ですか

うそ発見器を使い、禁止物質の使用歴を質問して確かめる方法だ。NPC Worldwideのナチュラル規則では、尿・血液検査と並ぶ検査方法の一つとされ、大会前のポリグラフに合格した選手にも1位を授与できる。WNBFも尿検査とポリグラフで検査する。

サマースタイルアワードはナチュラル大会ですか

SSAは選手登録とアンチ・ドーピング講習の受講を毎年求めているが、大会でのドーピング検査の実施は公式サイトで明示されていない。検査のある大会を選びたい場合は、JBBFやZeniXのNatural大会などを検討するとよい。

持病の薬を飲んでいても出場できますか

JBBFの大会は、大会の1か月前までにTUEを申請すれば認められる道がある。一方、ZeniXなどNPC Worldwideのナチュラル大会はTUEを認めず、ホルモン補充療法やテストステロン補充療法を使っている選手は出場できない。

KINNIKU TIMESの視点

「ナチュラル大会」という言葉は、団体によって中身がまったく違う。JADAが入る公的な検査、主催者が選ぶ尿検査やポリグラフ、罰則のない簡易検査、講習の受講だけ、と段階がある。自分が求める「公平さ」がどの段階なのかを先に決めてから団体を選ぶと、出場後に納得しやすい。

初心者にとっての実務的な助言は、サプリメントと薬の管理だ。減量期は空腹や体調不良で市販薬に頼りがちだが、成分を確かめずに飲むと、意図せず違反になりうる。使っている製品を一覧にしておき、出場する団体の基準と照らし合わせておきたい。食事で必要量をまかなう計画はPFC計算で立てられる。ナチュラル選手の減量ペースはナチュラル・ボディビルの栄養指針、JBBFの仕組みはJBBFとは、この先の大会はボディビル大会日程2026で確認できる。

ZeniXのNatural Contest Rulesを見る

出典

筋トレに使える無料ツール

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。