サイドレイズのやり方 肩の横に効かせるフォーム・重さ・回数の目安を研究で解説
サイドレイズの正しい手順、三角筋中部に効かせる手の向き、ダンベルとケーブルの違い、重さと回数・セット数の目安、肩がすくむ・反動を使うといった間違い、肩を痛めないための上げる高さを、研究をもとに整理しました。
サイドレイズは、軽いダンベルを両手に持ち、肘を軽く曲げたまま、体の横から肩の高さまで腕を持ち上げて、ゆっくり下ろす種目である。重さの目安は12〜20回で限界の1〜3回手前になる軽めの重さで、反動を使わず、肩より高く上げないことが基本だ。肩の横の三角筋中部を狙う種目で、肩幅を広く見せたい人に向いている。
サイドレイズで鍛えられる筋肉は?
主に鍛えられるのは、肩の横にある三角筋中部(側部)である。補助として、三角筋の前部と後部、首から肩にかけての僧帽筋上部も働く。サイドレイズ(Side Raise/Lateral Raise)は、肩を横に開く「外転」という動きだけを取り出した種目で、ショルダープレスのような押す種目より三角筋中部に負荷を集めやすい。
コラテッラらの2020年の研究(International Journal of Environmental Research and Public Health誌)では、競技ボディビルダー10人が、手の向きを変えた3種類のサイドレイズ、肘を曲げたサイドレイズ、フロントレイズを行い、筋活動を比べた。三角筋中部の活動は、腕をひねらない自然な向き(ニュートラル)のサイドレイズが最も高く、肘を大きく曲げたサイドレイズやフロントレイズを上回った。肩の3つの部位の鍛え分けは肩の筋トレガイドにまとめている。
サイドレイズの正しいやり方は?
軽いダンベルを体の横に下げ、肘を軽く曲げたまま肩の高さまで上げ、2〜3秒かけて下ろすのが基本の手順である。
- 構える:足を腰幅に開いて立ち、ダンベルを体の横に下げる。手のひらは体の側に向ける。
- 肩を下げる:肩をすくめず、耳から遠ざけるように下げる。胸を軽く張り、上体はわずかに前に傾けてもよい。
- 肘を軽く曲げる:肘は10〜20度ほど軽く曲げ、動作中はその角度を保つ。
- 持ち上げる:息を吐きながら、肘から先に上げるイメージで腕を横に開く。小指側や手の甲を上に向けてひねらず、自然な向きのまま上げる。
- 肩の高さで止める:腕が床と平行(肩の高さ)になったところで止める。それより高くは上げない。
- ゆっくり下ろす:息を吸いながら、2〜3秒かけて体の横に下ろす。下で力を抜ききらずに次の回に入る。
手の向きで効き方は変わる?
手の向きを変えると、肩のどの部位がよく働くかが変わる。三角筋中部を狙うなら、腕をひねらない自然な向きが基本になる。
コラテッラらの研究では、腕を内側にひねる(親指を下に向ける)と、三角筋後部、上腕三頭筋、僧帽筋上部の活動が高まった。腕を外側にひねる(親指を上に向ける)と三角筋前部が働きやすくなる一方、三角筋中部の活動は自然な向きのほうが高かった。フロントレイズは主に三角筋前部と大胸筋を使っていた。
リハビリの分野でも同じ傾向が報告されている。レイノルドらの2007年の研究(Journal of Athletic Training誌)では、肩にけがのない22人の筋肉に細い針状の電極を入れて調べたところ、腕を内にひねって上げる「エンプティカン」は、三角筋中部の活動が最大筋力の77%と、親指を上に向けて上げる「フルカン」の52%より高かった。ただし、腕を内にひねったまま高く上げる動きは、肩の中で腱が挟まれやすい姿勢とされる。次の項で述べるとおり、ひねりは強くしすぎず、高さは肩までにとどめたい。
どこまで上げる?肩を痛めないコツは?
腕を上げる高さは肩の高さ(90度)までが目安である。それ以上高く上げても三角筋中部への負荷は増えにくく、肩への負担が増える。
コルバーらの2014年の研究(Journal of Strength and Conditioning Research誌)では、週2日以上筋トレをする男性46人と、筋トレをしない男性31人を比べたところ、筋トレをする人で肩のインピンジメント(腱が骨に挟まれる状態)の特徴が多く見られた。そして、肩の高さより上まで腕を上げるサイドレイズとアップライトロウが、インピンジメントの特徴と有意に関連していた。著者らは、90度を超えるサイドレイズとアップライトロウを避けること、肩を外にひねる筋肉(外旋筋)を鍛えることを勧めている。
ダンベルとケーブル、どちらがいい?
筋肉を太くする効果は、ダンベルとケーブルで同程度と報告されている。手元にある器具や、肩が楽に動かせるほうを選べばよい。
ラーセンらの2025年の研究(Frontiers in Physiology誌)では、トレーニング経験のある男女24人が、片腕はダンベル、もう片腕はケーブルでサイドレイズを週2回・各5セット限界まで、8週間行った。三角筋中部の厚さはどちらも3.3〜4.6%増え、両者に差はないことを支持する結果だった。ケーブルは下の位置でも負荷が抜けにくく、ダンベルは手軽に始められるという違いがあるため、両方を交互に使うのもよい。
重さと回数・セット数の目安は?
サイドレイズは軽い重さで12〜20回、2〜4セット行うのが目安である。重すぎると反動や肩のすくみが出やすいため、フォームを保てる重さを優先する。
シェーンフェルドらの2017年のメタ分析(Journal of Sports Sciences誌、15研究)では、週あたりのセット数が多いほど筋肉の増え方が大きくなる関係が示された。米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解(Currierら、137本の系統的レビューのまとめ)も、筋肥大には週10セット以上の量が有利と整理している。三角筋中部はショルダープレスでもある程度働くため、プレスのセット数も含めて週の量を考えるとよい。
| レベル | 種目 | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者(週2回) | ダンベル・サイドレイズ(座って) | 15〜20回(余力2〜3回) | 2〜3 | 60〜90秒 |
| 初心者(週2回) | ダンベル・ショルダープレス | 10〜12回 | 2 | 90秒〜2分 |
| 中級者(週2〜3回) | ダンベル・サイドレイズ(立って) | 12〜15回(余力1〜2回) | 3〜4 | 60〜90秒 |
| 中級者(週2〜3回) | ケーブル・サイドレイズ(片腕) | 12〜20回 | 2〜3 | 60秒 |
重さを上げる前に、まず回数を増やすのが基本だ。上限の回数を全セットこなせたら、1kg刻みで重くする。プレス種目のやり方はショルダープレスのやり方で、余力の見積もり方はRPEとRIRの解説で紹介している。
よくある間違いとチェックポイントは?
多いのは「重すぎて反動を使う」「肩がすくむ」「肩より高く上げる」の3つである。
- 反動を使う:上体を振ると、負荷が三角筋から抜ける。上体を固定し、2〜3秒かけて下ろせる重さにする。
- 肩がすくむ:肩が耳に近づくと、僧帽筋上部に負荷が移る。肩を下げたまま腕だけを上げる。
- 肩より高く上げる:90度を超えると肩の中で腱が挟まれやすい。床と平行で止める。
- 腕を強くひねる:親指を大きく下に向けると、肩に負担がかかりやすい。自然な向きを基本にする。
- 肘を曲げすぎる:肘を大きく曲げると負荷が軽くなり、三角筋中部の活動も下がる。軽く曲げた角度を保つ。
- 下ろすのが速い:ストンと落とすと、下ろす局面の刺激が失われる。ゆっくり下ろす。
安全に行うための注意点は?
サイドレイズは軽い重さで行う種目だが、肩に痛みが出る場合は、上げる高さを下げるか中止することが大切である。
腕を上げる途中で肩の奥に鋭い痛みや引っかかる感じがあれば、その日は中止し、痛みが続くなら医師に相談してほしい。肩にけがの経験がある人、持病がある人も、始める前に医師に相談すること。運動中に胸の痛みや息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止する。座って行うと反動を使いにくく、初心者がフォームを覚えるのに向いている。
よくある質問
サイドレイズは何kgから始めればいいですか?
決まった重さはありません。反動を使わずに15〜20回でき、あと2〜3回の余力が残る重さから始めましょう。多くの人は思っているより軽い重さが適しています。
腕はどこまで上げればいいですか?
肩の高さ(床と平行)までが目安です。筋トレをする人の研究では、肩より高く上げるサイドレイズが肩のインピンジメントの特徴と関連していました。
僧帽筋ばかり疲れるのはなぜですか?
肩がすくむと、首から肩にかけての僧帽筋上部に負荷が移ります。重さを軽くし、肩を下げたまま腕だけを横に開くことを意識しましょう。
ダンベルとケーブルはどちらが効きますか?
経験者24人の8週間の研究では、三角筋中部の厚さの増え方に差はありませんでした。使いやすいほうを選ぶか、両方を交互に取り入れるとよいでしょう。
毎日やってもいいですか?
筋肉を育てたい場合は、回復の時間をとり週2〜3回行うのが目安です。肩はプレス種目でも使われるため、週全体のセット数で考えましょう。
KINNIKU TIMESの視点
サイドレイズは、肩幅を広く見せる三角筋中部を集中して鍛えられる種目で、成果を分けるのは重さより動きの丁寧さである。軽めの重さで、肩を下げたまま、腕をひねらず肩の高さまで上げ、ゆっくり下ろす。この基本を守れば、ダンベルでもケーブルでも同じように成果が期待できる。肩より高く上げないことは、長く続けるための大切な決まりだ。肩の後ろ側も鍛えて前後のバランスを整えるにはフェイスプルを、押す力も伸ばしたい人はショルダープレスを組み合わせるとよい。
出典:Coratella G, et al. Int J Environ Res Public Health. 2020;17(17):6015/Reinold MM, et al. J Athl Train. 2007;42(4):464-9/Kolber MJ, et al. J Strength Cond Res. 2014;28(4):1081-9/Larsen S, et al. Front Physiol. 2025;16:1611468/Schoenfeld BJ, et al. J Sports Sci. 2017;35(11):1073-1082/Currier BS, et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872
この記事の次に読まれている記事
筋トレに使える無料ツール
コメント
この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。