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リアレイズ(リアデルトフライ)のやり方 肩の後ろに効くフォームと回数を研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 10分
ジムでダンベルを持つ人
SUMMARY|この記事の要約

リアレイズ(リアデルトフライ)の手順を、リアデルトマシンとダンベルの両方で解説。握り方で変わる筋活動や、押す種目では肩の後ろが使われないことを示した研究をもとに、回数の目安とメニュー例をまとめた。

リアレイズ(リアデルトフライ)の正しいやり方は、ひじを軽く曲げた角度で固定し、肩甲骨を大きく寄せずに、腕を体の横へ弧を描くように開いて肩の後ろ側(三角筋後部)で引く動きである。ジムではリアデルトマシン(リバースペックデック)、ダンベルなら上体を前に倒したベントオーバー・リアレイズで行える。重量はかなり軽くてよく、初心者は12〜20回×2〜3セットを週2回、背中や肩の種目のあとに加えるのが目安である。

リアレイズで鍛えられる筋肉は?

リアレイズ(Rear Raise)、リアデルトフライ(Rear Delt Fly)で主に働くのは、肩の後ろ側の三角筋後部である。補助として、肩甲骨の間にある菱形筋や僧帽筋の中部、肩の奥で腕を外側にひねる棘下筋も働く。腕を前から横へ開く「水平外転」という動きで、胸の種目のダンベルフライをちょうど逆にした動きになる。

三角筋後部は、押す種目ではほとんど使われない。Camposらの2020年の研究(Journal of Human Kinetics、筋トレ経験のある男性13人、1RMの60%で12回)では、三角筋後部の筋活動は最大筋力に対してベンチプレスで3.5%、ダンベルフライで2.5%にとどまり、ショルダープレスでも11.4%、サイドレイズで24%だった。ベンチプレスやショルダープレスを続けても肩の後ろは育ちにくく、肩を丸く立体的に見せたいなら後部を狙う種目を別に入れる必要がある。肩の3つの部位の鍛え分けは肩の筋トレの解説で整理している。

リアデルトマシンの正しいやり方は?

正しいやり方は、下の7つの手順で「胸をパッドにつけたまま、腕だけを横へ開く」ことである。リアデルトマシンはペックデック(胸のフライマシン)と兼用の機種が多く、ハンドルの位置を後ろ側に切り替えて使う。

  1. ハンドルを後ろ側に合わせる:ハンドルの開始位置を、腕を前に伸ばしたときに手が届くいちばん前の位置に合わせる。
  2. シートの高さを合わせる:座ってハンドルを握ったとき、腕が肩の高さか、それより少し下で床と平行になる高さにする。
  3. 胸をパッドにつけて座る:胸を背もたれ側のパッドに軽く押し当て、足裏を床につける。
  4. グリップを決める:縦向きのハンドル(手のひらが向かい合う握り)があれば、それを使う。ひじは軽く曲げて固定する。
  5. 腕を横へ開く:息を吐きながら1〜2秒かけて、手の甲で後ろの壁を押すように腕を横へ開く。腕が体の真横、肩のラインまで来たら止める。
  6. 1秒止める:肩の後ろが縮む感覚を確かめる。肩がすくんでいないかも確認する。
  7. 2〜3秒かけて戻す:おもりが下まで落ちない範囲で、ゆっくり前へ戻して次の回数に入る。

握り方の違いは研究で比べられている。Schoenfeldらの2013年の研究(Journal of Strength and Conditioning Research、筋トレ経験のある男性19人)では、リアデルトマシンで体重の約75%の負荷を限界まで行い、手のひらを下に向ける握りと、手のひらを向かい合わせる握りを比べた。三角筋後部と棘下筋の筋活動は、手のひらを向かい合わせる握りのほうが大きかった。機種に縦向きのハンドルがあれば、そちらを選ぶとよい。

ダンベルでのやり方は?

ダンベルでは、上体を前に倒したベントオーバー・リアレイズで行う。腰に不安がある場合は、30〜45度に起こしたインクラインベンチにうつ伏せになって行うと、上体が安定する。

  1. 片手1〜3kg程度の軽いダンベルを両手に持ち、足を腰幅に開いて立つ。
  2. ひざを軽く曲げ、背中をまっすぐに保ったまま股関節から上体を前に倒す。床と45度からほぼ平行まで倒す。股関節から倒す動きはデッドリフトのやり方と同じである。
  3. ダンベルを肩の真下に下げ、手のひらを向かい合わせにして、ひじを軽く曲げる。
  4. 小指側から外へ開くように、腕を体の横へ弧を描いて上げる。肩の高さまで来たら止める。
  5. 2〜3秒かけて下ろす。上体が起き上がらないよう、最後まで角度を保つ。

ケーブルで行う場合は、左右のプーリーを肩の高さに合わせ、ケーブルを交差させて持ち、腕を横へ開く。ケーブルの使い方はケーブルクロスオーバーのやり方も参考になる。

よくある間違いとチェックポイントは?

もっとも多い間違いは、重すぎて肩甲骨を寄せて引いてしまい、背中の種目になってしまうことである。

  • 肩甲骨を強く寄せる:肩甲骨を大きく寄せると、背中の菱形筋や僧帽筋が主役になり、肩の後ろへの負荷が減る。腕を開く動きを主にし、肩甲骨は自然に動く程度にとどめる。
  • ひじから引く:ひじを曲げて後ろへ引くと、ロウ(ボートこぎ)の動きになる。ひじの角度は固定し、腕を横へ開く。
  • 反動を使う:上体を起こす勢いでダンベルを振り上げると、三角筋後部に負荷がかかる時間が短くなる。
  • 肩がすくむ:首まわりの僧帽筋上部で上げている合図である。肩を下げたまま行う。
  • 腕を後ろまで引きすぎる:肩のラインより後ろまで引くと、肩甲骨を寄せる背中の動きに変わりやすく、肩の前側も強く引き伸ばされる。体の真横で止める。
  • 重すぎる:12回できない重さでは、別の筋肉で代わりに挙げている可能性が高い。肩の後ろに効く感覚を優先したい。意識の向け方は筋肉を意識すると効くかの研究で紹介している。

何回・何セットが目安?メニュー例は?

リアレイズは、反動なしで12〜20回できる重さで2〜3セットが目安である。三角筋後部は小さな筋肉なので、重い重量より、正しい軌道で回数をこなすほうが向いている。米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の指針(Currierらによる137本のシステマティックレビューの総括)は、筋肥大には部位ごとに週10セット以上が有効とまとめ、Schoenfeldらの2017年のメタ分析(15研究)も週のセット数が多いほど筋肉の増え方が大きくなる関係を示した。三角筋後部はラットプルダウンやロウでも補助として働くため、背中の種目と合わせて週の量を考えるとよい。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(週2回) ラットプルダウン 10〜12回 2〜3 2分
初心者(週2回) リアデルトマシン 15〜20回 2 60〜90秒
中級者(週2回) ダンベルロウ 8〜12回 3 90秒
中級者(週2回) リアデルトマシン 12〜15回 3 60〜90秒
中級者(週2回) ベントオーバー・リアレイズ 15〜20回 2 60秒

背中の種目はラットプルダウンのやり方、ダンベルロウのやり方、背中全体は背中の筋トレで解説している。

肩を守るために注意することは?

リアレイズは、押す種目に偏りがちなメニューのバランスを取る種目としても使える。Kolberらの2014年の研究(Journal of Strength and Conditioning Research、男性77人)では、週2日以上ウエイトトレーニングをしている人は、していない人より肩の痛みの一つ(肩峰下インピンジメント)の特徴を示す割合が高かった。一方で、腕を外側にひねる筋肉(外旋筋)を鍛えている人ほどその特徴が少なかった。リアデルトマシンでは外旋筋の一つの棘下筋も働くため、胸や肩の前を押す種目とあわせて取り入れる意味がある。

  • 肩の前や奥に鋭い痛み、引っかかる感じが出たらその日は中止する。痛みが続く場合や肩の持病がある場合は医師に相談する。
  • 上体を前に倒すダンベルのやり方で腰に違和感があれば、インクラインベンチにうつ伏せで行うか、マシンに切り替える。
  • 運動中に胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止して休む。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨している。

よくある質問

リアレイズは何kgで行えばいい?

反動なしで12〜20回できる重さが目安で、ダンベルなら片手1〜3kgから始める人が多い。三角筋後部は小さな筋肉なので、サイドレイズより軽い重さになることも普通である。

リアデルトマシンの握り方はどちらがいい?

手のひらを向かい合わせる縦向きの握りがよい。研究では、手のひらを下に向ける握りより三角筋後部と棘下筋の筋活動が大きかった。機種に縦向きのハンドルがあればそちらを使う。

リアレイズで背中に効いてしまうのはなぜ?

肩甲骨を強く寄せて引いている、ひじを曲げて引いている、重すぎる、のいずれかが多い。重量を下げ、ひじの角度を固定して腕を横へ開く動きに集中する。

ベンチプレスやショルダープレスで肩の後ろも鍛えられる?

ほとんど鍛えられない。研究では、三角筋後部の筋活動は最大筋力に対してベンチプレスで3.5%、ショルダープレスで11.4%にとどまった。肩の後ろはリアレイズなどで別に鍛える必要がある。

リアレイズは毎日やってもいい?

毎日行う必要はない。週2回、1回2〜3セットを目安に、背中や肩の種目の日に加えるとよい。同じ部位は48時間ほど空けると回復しやすい。

KINNIKU TIMESの視点

三角筋後部は、ベンチプレスやショルダープレスなどの押す種目ではほとんど使われないため、狙って鍛えないと育ちにくい部位である。リアレイズは重い重量を扱う種目ではなく、ひじの角度を固定し、肩甲骨を寄せすぎず、腕を体の横へ開く動きを12〜20回丁寧に繰り返す種目と考えたい。マシンがあれば縦向きのハンドルで、なければダンベルを上体を倒して行えばよい。押す種目が多いメニューに週2回、2〜3セット加えるだけでも、肩の前後のバランスを整えることにつながる。


出典:Campos YAC, et al. Different Shoulder Exercises Affect the Activation of Deltoid Portions in Resistance-Trained Individuals(J Hum Kinet, 2020)/Schoenfeld B, et al. Effect of hand position on EMG activity of the posterior shoulder musculature during a horizontal abduction exercise(J Strength Cond Res, 2013)/Kolber MJ, et al. Characteristics of shoulder impingement in the recreational weight-training population(J Strength Cond Res, 2014)/Currier BS, et al. ACSM Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults(Med Sci Sports Exerc, 2026)/Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass(J Sports Sci, 2017)/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングについて

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