【5つの落とし穴】総負荷量の限界|数字で測れないことと対策
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総負荷量は便利な数字ですが、万能ではありません。数字だけを追うと、かえって遠回りになる場面があります。総負荷量の限界を、5つの落とし穴に分けて、数字の例と対策を整理します。
総負荷量の限界は、追い込みの質、フォーム、種目の違い、可動域やテンポ、体重の変化が数字に出ないことにあります。
- 軽い重量で回数を稼ぐと、総負荷量は大きくなります
- フォームが崩れた回数も、同じ1回として数えられます
- 種目が違う数字は、強さを比べる材料になりません
- 対策は、余力や重量も一緒に記録することです
総負荷量に加えて、前回の重量と回数も記録画面に出ます。数字の裏側を、あわせて確かめられます。
Souhukaを無料でダウンロードするAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
総負荷量が大きいのは、軽い重量で稼いだ日(ベンチプレス・3セット)
この記事でわかること
- 総負荷量で測れない5つのこと
- それぞれの数字の例と、対策
- 数字を追いすぎて起きる失敗
- 総負荷量を使い続けるときの心がまえ
総負荷量の限界|5つの落とし穴を数字で見る
総負荷量は、重量×回数×セット数の合計です。この式に入らない要素が、5つあります。
| 落とし穴 | 数字に出ないこと | 対策 |
|---|---|---|
| 1 追い込みの質 | 余力が何回残ったか | 余力(RIR)を記録する |
| 2 フォーム | 反動や浅い可動域 | 崩れた回数は数えない |
| 3 種目の違い | 筋肉の大きさの差 | 同じ種目で比べる |
| 4 可動域とテンポ | 動かし方の違い | やり方を固定する |
| 5 体重の変化 | 自重種目の負荷 | 体重も記録する |
それぞれを、数字で確かめます。
落とし穴1と2|軽い重量で稼ぐ日とフォームの崩れ
1つ目は、軽い重量で回数を稼ぐ日です。ベンチプレスの例で比べます。
| 日 | 計算 | 総負荷量 |
|---|---|---|
| 軽く多く | 40kg×25回×3 | 3,000kg |
| 中間 | 60kg×10回×3 | 1,800kg |
検算します。40×25×3=3,000kg、60×10×3=1,800kgです。総負荷量は、軽い日が1,200kg多く、1.67倍です。3,000÷1,800=約1.67です。
ところが、軽い日に余力が10回以上残っていたら、筋肉への刺激は小さいかもしれません。逆に、40kgでも限界近くまで追い込んだなら、筋肥大は起こりえます。
Morton他(2016年)は、軽い重量の20〜25回と重い重量の8〜12回を、どちらも限界まで行って比べ、除脂肪量の増え方に差がなかったと報告しました。
だから、総負荷量の高さだけで「良い日」とは言えません。余力の記録をあわせて残します。軽い重量でも筋肥大するかを調べた試験の解説が参考になります。
2つ目は、フォームの崩れです。反動を使った回も、浅い回も、総負荷量には1回として加わります。10回のうち3回が崩れていても、数字は変わりません。
対策は、崩れた回数を数えないことです。60kgで10回のうち、7回がきれいだったなら、7回で記録します。そのほうが、次回の比較が正確になります。
落とし穴3から5|種目の違い、動かし方、体重の変化
3つ目は、種目の違いです。脚の種目は重い重量を扱うので、総負荷量が大きくなります。
| 種目 | 計算 | 総負荷量 |
|---|---|---|
| レッグプレス | 200kg×10回×3 | 6,000kg |
| アームカール | 15kg×10回×3 | 450kg |
レッグプレスは、アームカールの約13.3倍です。6,000÷450=約13.3です。この差は、鍛え方の差ではありません。扱う重さが違うだけです。種目どうしの総負荷量は、比べません。
4つ目は、動かし方の違いです。可動域の広さや、1回にかける時間は、総負荷量には出ません。60kgで10回でも、浅く速く動かした日と、深くゆっくり動かした日は別物です。
ただし、動かし方の影響は、条件によって研究の結果が分かれます。テンポが0.5〜8秒の範囲なら、筋肥大に差が出なかったという分析もあります。テンポと筋肥大の解説や、伸ばした位置のパーシャルと筋肥大の解説で読めます。大切なのは、やり方を毎回そろえることです。
5つ目は、体重の変化です。自重の種目で体重をかけて総負荷量を出す人は、体重が減ると数字が下がります。体重70kgで腕立て45回なら、70×45=3,150kgです。体重が68kgになると、68×45=3,060kgです。同じ45回でも、90kg減って見えます。
対策は、回数も一緒に記録することです。自重の計算は、自重トレの総負荷量の計算の記事が参考になります。
限界を知った上で、総負荷量を使い続けるコツ
5つの落とし穴を知ったら、総負荷量を使わなくなるのではなく、補う記録を足します。足す記録は、次の3つです。
- 各セットの余力(RIR)を、メモ欄に残す
- 使った重量と回数を、合計だけでなく個別に見る
- 体重を、週に1回測って残す
余力の記録には、RPE換算ツールが使えます。きつさを、あと何回できたかの数字に直せます。
数字を追いすぎて起きる失敗も、あります。総負荷量を増やすことが目的になり、フォームを崩したり、休みを削ったりする失敗です。
量を増やすほど伸びる一方で、伸び幅は小さくなると分析されています。Pelland他(2026年)の67研究・2,058人のデータが、この関係を示しました。回復を削ってまで追う価値は、小さいかもしれません。
Souhukaでは、重量・回数・セットを入れると総負荷量が自動で計算され、前回の重量と回数が記録画面に出ます。合計だけでなく、中身も一緒に見られるので、落とし穴に気づきやすくなります。ブラウザ版の登録なしで総負荷量を計算するページも使えます。
総負荷量が向かない人もいます。数字が気になって休めなくなる人です。その場合は、週に1回だけ確認します。痛みがあるときは数字より先に中止し、医師や理学療法士に相談してください。
よくある質問
総負荷量の限界は何ですか
追い込みの質、フォーム、種目の違い、動かし方、体重の変化が、数字に出ないことです。総負荷量は便利ですが、これらを補う記録も必要です。
総負荷量が多いほど筋肉は増えますか
量が多いほど有利な傾向はありますが、増えるほど伸び幅は小さくなります。軽い重量で回数を稼いだだけの数字は、刺激が小さいかもしれません。余力もあわせて見ます。
総負荷量は使わないほうがよいですか
使って構いません。同じ種目の前回と比べる用途には、役立ちます。限界を知った上で、余力や重量も一緒に記録すれば、安心して使えます。
他の種目と総負荷量を比べてもよいですか
比べても意味がありません。種目によって、扱う重さが大きく違うためです。同じ種目の前回と、同じ曜日のメニューどうしで比べます。
まとめ
- 総負荷量には、追い込み、フォーム、種目、動かし方、体重の5つが出ません
- 軽い重量で稼ぐと、総負荷量が1.67倍になる例があります
- 種目どうしの総負荷量は、比べません
- 余力や重量を一緒に記録して、限界を補います
記録を始めると、前回の重量と回数が記録画面に出ます。数字の中身を確かめながら続けられます。
Souhukaで記録を始めて前回比を見るAndroid版はGoogle Playから。登録なしで試すならブラウザ版の総負荷量計算へ。
出典
- Morton RW et al. Journal of Applied Physiology(2016年。筋トレ経験のある若い男性49人、12週間)(2026年10月確認)
- Pelland JC et al. Sports Medicine 56(2):481-505(2026年。67研究・2,058人)(2026年10月確認)
- 総負荷量計算 by Souhuka(FITPEAK LAB)(2026年10月確認)