【研究で解説】ゴルフにパーソナルトレーニングは役立つ?鍛え方
パーソナルトレーニングをゴルフに活かすなら、ねらいは「スイングの技術」ではなく、下半身と上半身の筋力、すばやく力を出す力、体のひねりを支える体幹などの体づくりです。研究をまとめた報告では、筋力トレーニングでヘッドスピードや飛距離が伸びたという結果が多く、ゴルフの動きに近い種目を組み合わせた方法でより大きな伸びが見られました。ただし伸び方には個人差があります。腰や肩に痛みがある人は、始める前に医師に相談してください。
ヘッドスピードとの関連の強さ(体力の項目別)
パーソナルトレーニングでゴルフに役立つこと
パーソナルトレーニングは、トレーナーが体の状態や目的を聞いたうえでメニューを組む指導の形です。ゴルフのためにパーソナルジムを使う場合、スイングそのものを教わるのではなく、スイングを支える体をつくる場として考えるとわかりやすくなります。
| ねらい | トレーニングの例 | ゴルフとのつながり |
|---|---|---|
| 下半身の筋力 | スクワット、デッドリフト、ランジ | 地面を押す力の土台になる |
| すばやく力を出す力 | ジャンプ系の種目、メディシンボール投げ | ヘッドスピードとの関連が見られている |
| 上半身の筋力・瞬発力 | プッシュ系・プル系の種目、ボールを投げる種目 | クラブを振る腕・肩まわりを支える |
| 体幹・ひねりの安定 | ひねりに耐える種目、片脚での種目 | スイング中の姿勢を保つ |
| 動きの確認 | 股関節・胸まわりの動きのチェック | 動かしにくい場所に気づく |
ゴルフの技術はゴルフのレッスンプロ、体づくりはトレーナー、と役割を分けて考える人も多いです。両方を使う場合は、練習の予定をトレーナーに伝えておくと、疲れがたまりにくい組み方を相談できます。
研究でわかっていること
筋力トレーニングとゴルフの関係については、系統的レビューがいくつか出ています。主なものを表にまとめました。
| 研究 | 調べたこと | 主な結果 |
|---|---|---|
| Uthoffら, 2021(20件の研究) | 筋力トレーニングの方法と、ヘッドスピード・飛距離 | 一般的な筋トレだけではヘッドスピードが平均1.6%、飛距離が4.8%伸びた。ゴルフの動きに近い種目を組み合わせた方法ではヘッドスピード4.1%、飛距離5.2%だった |
| Brennanら, 2024(20件の研究) | 体力の項目とヘッドスピードの関連 | ジャンプの力、上半身の瞬発力、筋力などに関連が見られた。柔軟性とバランスには関連が見られなかった |
Uthoffらは、ゴルフの動きを速く行う種目を含む8週間ほどのプログラム(1種目3〜4セット、5〜15回)が、ヘッドスピードと飛距離を伸ばすうえで最も効果的だったとまとめています。ただし、伸び方は種目の内容や強さ、対象者の特徴によって違ったとされ、すべての人に同じ結果が出るわけではありません。
また、Brennanらの結果は「関連」を示したもので、ある体力を高めればヘッドスピードが上がることを直接確かめたものではありません。関連の強さも研究によってばらつきがあります。
メニューの組み方と頻度の目安
厚生労働省は、大人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことをすすめています(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)。ゴルフの練習やラウンドとの組み合わせ方の例を表にしました。
| 通い方 | 1週間の例 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 週1回 | パーソナル1回+自宅で短い自主トレ1〜2回 | 仕事が忙しい人、まずは体の使い方を知りたい人 |
| 週2回 | パーソナル2回(間を2日以上あける)+練習場 | シーズン前に体づくりをしたい人 |
| シーズン中 | 強い筋トレは控えめにして、ラウンドの前日は軽めに | ラウンドが多い時期 |
なお、身体活動のメッツ表では、ゴルフ全般は4.5メッツ、クラブを持って歩くゴルフは4.3メッツ、打ちっぱなしの練習場は3.5メッツとされています(改訂第2版 身体活動のメッツ表)。ゴルフそのものも、厚生労働省が身体活動の目安にしている「3メッツ以上」の活動にあたります。
通う頻度の考え方はパーソナルジムの頻度は週1と週2どっち?でも解説しています。
ゴルフ目的でパーソナルジムを選ぶときの確認点
- ゴルフの目的を相談できるか:飛距離、疲れにくさ、腰への負担を減らしたいなど、目的を最初に伝えて、メニューに反映してもらえるかを体験で確かめます。
- すばやく動く種目ができる設備:メディシンボールを投げる、ジャンプするなど、広さや床の条件が必要な種目もあります。
- トレーナーの経歴と資格:スポーツ選手の指導経験や、保有資格を確かめます。資格の見方はパーソナルトレーナーの資格と選び方にまとめています。
- 通いやすさと料金の形:シーズンによって通う回数を変えたい人は、回数券や月額制のほうが合うこともあります。
通いやすさや料金を含めてジムを比べたい人は、パーソナルジムのおすすめで比べています。
よくある質問
筋トレをするとスイングが硬くなりませんか?
「筋トレで体が硬くなる」と言われることがありますが、ゴルフの研究では、筋力トレーニングでヘッドスピードや飛距離が伸びたという結果がまとめられています。体の動かしにくさが気になる人は、可動域を確かめる種目もメニューに入れてもらいましょう。
柔軟性を高めれば飛距離は伸びますか?
Brennanらのメタ分析では、柔軟性とヘッドスピードには統計的に意味のある関連が見られませんでした。柔軟性が不要という意味ではありませんが、飛距離だけを目的にするなら、筋力やすばやく力を出す力にも目を向ける価値があります。
40代・50代からでも意味がありますか?
年齢を問わず、筋力トレーニングは厚生労働省のガイドでもすすめられています。持病がある人や長く運動していなかった人は、始める前に医師に相談し、軽い負荷から始めましょう。年代別の注意点は40代・50代からのパーソナルジムを参考にしてください。
ゴルフで腰が痛いのですが、パーソナルで改善できますか?
痛みがある場合は、まず医師に相談してください。原因によっては運動を控えたほうがよいこともあります。医師から運動の許可が出たら、その内容をトレーナーに伝えて、負担の少ない種目から始めましょう。
出典
- Uthoff A, et al. Effects of Resistance Training Methods on Golf Clubhead Speed and Hitting Distance: A Systematic Review. J Strength Cond Res. 2021
- Brennan A, et al. Associations Between Physical Characteristics and Golf Clubhead Speed: A Systematic Review with Meta-Analysis. Sports Med. 2024
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 中江悟司・吉村英一・小野玲「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」
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