【研究で解説】60代からのピラティス|効果・注意点・教室の選び方
「60代からピラティスを始めても大丈夫?」と迷っていませんか。この記事では、60歳以上を対象にした研究の結果と、始める前の注意点、教室の選び方をまとめました。
結論:ピラティスは60代からでも始めやすく、研究ではバランスや筋力が改善し、転倒のリスクも下がりました。
- 60歳以上を対象にした39の研究を、運動をしない場合などと比べてまとめた結果です
- バランス・柔軟性・日常の動作は、根拠の確かさが「低い」とされています
- 持病や関節の痛み、骨粗しょう症がある人は、始める前に医師に相談しましょう
- 最初は、インストラクターが一人ひとりを見てくれるレッスンを選ぶと安心です
60歳以上でのピラティスの効果の大きさ(研究のまとめ)
この記事でわかること
- 60歳以上を対象にした研究でわかった、ピラティスの効果と限界
- 60代にすすめられる運動の量と、ピラティスの位置づけ
- 始める前に医師やインストラクターに伝えたいこと
- マット・グループ・マンツーマンの選び方と、1回あたりの料金の目安
- 体験レッスンで確かめたい5つのこと
60代からのピラティスの効果:研究でわかっていること
60歳以上を対象にしたランダム化比較試験39件の分析があります(Fernández-Rodríguezら, 2021)。ピラティスを、ふだんどおりの生活や運動をしないグループと比べた結果は次のとおりです。
| 項目 | 効果の大きさ | 根拠の確かさ |
|---|---|---|
| バランス | 中くらい(0.36) | 低い |
| 筋力 | 中くらい(0.63) | 中程度 |
| 柔軟性 | 中くらい(0.41) | 低い |
| 日常の動作(機能) | 中くらい(0.51) | 低い |
| 転倒のリスク | 大きい(0.90) | 中程度 |
効果の大きさは、数字が大きいほど比べた相手との差が大きいことを表します。転倒のリスクの0.90は、リスクが下がる方向の差です。
論文は「ピラティスは高齢者の日常生活の自立を後押しする可能性がある」とまとめています。ただし、比べた相手は主に「運動をしない」グループです。ほかの運動よりピラティスが優れている、という意味ではありません。
研究ごとの内容にはばらつきもあります。確かさが「低い」とされた項目もあるので、「改善が期待できる」くらいに受け止めましょう。
60代にすすめられる運動の量とピラティスの位置づけ
厚生労働省のガイドは、高齢者に次の3つをすすめています(推奨シート:高齢者版)。
- 歩行と同じくらい以上の強さの身体活動を、1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)
- 筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上
- 筋力トレーニングを、週2〜3日(多要素な運動に含めてもよい)
ピラティスは、筋力・バランス・柔軟性を一度に練習できる運動の一つと考えられます。スタジオに通えない日は、散歩や自宅での運動を組み合わせると目安に近づけます。
自宅でできる種目は、自重トレ大全で3Dの動きを見ながら選べます。持病がある人は、どの種目なら行ってよいかを医師に確かめてからにしてください。
60代がピラティスを始める前に気をつけたいこと
持病や痛みがある人ほど、始める前の準備で安心感が変わります。
- 医師への相談:高血圧・心臓病・糖尿病などの持病がある人は、始める前に医師に相談しましょう。腰や膝・肩の痛み、骨粗しょう症がある人も同じです。避けたほうがよい動きを確かめておきます。
- 体調の確認:厚生労働省のガイドは、運動の前に毎回、体調を確かめる習慣をすすめています。熱がある、めまいがする、睡眠不足などのときは、無理をせず休みましょう。
- 無理のない強さ:ガイドは「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ことを前提にしています。周りに合わせず、自分のペースで動くのが基本です。
- 転倒への注意:マシンの乗り降りや、寝た姿勢から立ち上がるときはゆっくり動きます。ふらつきやすい人は、そのことをインストラクターに伝えておきましょう。
インストラクターには、次のことを伝えておくと安心です。
| 伝えておきたいこと | 理由 |
|---|---|
| 持病と飲んでいる薬 | 運動の強さや避けたい姿勢を調整してもらうため |
| 痛みのある場所 | 代わりの種目を選んでもらうため |
| 骨粗しょう症の有無 | 背骨を強く丸める動きなどについて、医師の指示に合わせてもらうため |
| 運動の経験 | 最初のレベルを決めてもらうため |
マット・グループ・マンツーマンのどれを選ぶ?60代の選び方
ピラティスには、マットで行うものと、リフォーマーなどのマシンを使うものがあります。人数もグループからマンツーマンまでさまざまです。60代から始める場合は、次の違いで選ぶと分かりやすくなります。
| レッスンの形 | 向いている人 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| マットのグループ | 費用をおさえたい、運動経験がある人 | 床からの起き上がりが多い。一人ひとりへの指導は少なめ |
| マシンのグループ | マシンで支えてもらいながら動きたい人 | マシンの乗り降りに慣れが必要 |
| マンツーマン(マシン) | 持病や痛みがある、初めてで不安がある人 | 料金はグループより高くなりやすい |
料金の差は、FITPEAKのデータで比べられます。各社の公式サイトで確かめた料金です(マシンピラティス料金比較、2026年10月18日時点)。
| マシンピラティス | 集計した社数 | 1回あたり(中央値) | 1回あたり(幅) |
|---|---|---|---|
| グループ | 15社 | 3,561円 | 1,833〜4,950円 |
| マンツーマン | 7社 | 9,300円 | 5,500〜11,000円 |
1回あたりの中央値で比べると、マンツーマンはグループの約2.6倍です(9,300円÷3,561円)。最初の4回だけマンツーマンにすると、中央値で約37,200円の計算です(9,300円×4回)。
FITPEAK編集部では、60代から始める人に次の順番をおすすめしています。
- 持病や痛みがあれば、まず医師に相談する
- 最初の数回はマンツーマンで、体の状態と避けたい動きを見てもらう
- 動きに慣れたら、予算に合わせてグループや少人数制に移る
マンツーマンのスタジオは、マンツーマンのマシンピラティスおすすめで比べています。
ピラティスの体験レッスンで確かめたい5つのこと
体験では、レッスンの内容だけでなく、通いやすさと契約の条件も見ておきます。
- 60代以上の会員を担当した経験があるか、どんな配慮をしているか
- 持病や痛みを伝えたときに、内容を調整してくれるか
- マシンの乗り降りや、立ち上がるときに手を貸してくれるか
- スタジオまでの道のり、段差、更衣室やトイレの使いやすさ
- 料金の総額、途中でやめるときの返金や解約の条件
国民生活センターは、パーソナルトレーニングの契約トラブルに注意を呼びかけています。その場で判断できないときはすぐに契約せず、契約前に条件をよく確かめるよう求めています(国民生活センター)。
不安があれば、家族と一緒に体験に行くのも一つの方法です。地域ごとのスタジオは、地域からマシンピラティスを探すで比べられます。
よくある質問
60代から始めても遅くないですか?
遅くはありません。紹介した研究のまとめは60歳以上の人が対象で、その年代でも検査の結果が改善したと報告されています。厚生労働省のガイドも、筋肉は年齢に関係なく鍛えられると書いています。体の状態に合わせて、できることから始めましょう。
週に何回通えばいいですか?
スタジオに通う回数の決まった基準はありません。厚生労働省のガイドは、高齢者に多要素な運動を週3日以上すすめています。スタジオが週1〜2回でも、ほかの日に散歩や自宅での運動を組み合わせると、目安に近づけます。
体がかたくてもできますか?
多くのレッスンでは、体のかたさに合わせて動く範囲を小さくできます。無理に伸ばそうとせず、痛くない範囲で行いましょう。
膝や腰が悪くてもできますか?
痛みの原因によって、できる運動は変わります。まず医師に相談し、許可が出たら痛みのことをインストラクターに伝えましょう。代わりの種目を選んでもらえます。
70代でもピラティスはできますか?
何歳まで当てはまるかは、紹介した研究だけでは分かりません。研究のまとめは「60歳以上」を対象にしたものです。年齢だけで決めず、体の状態を医師やインストラクターと確かめながら始めましょう。
60代のマシンピラティスの料金はどのくらいですか?
1回あたりの中央値は、グループが3,561円、マンツーマンが9,300円です。FITPEAKが各社の公式サイトの料金で計算しました(2026年10月18日時点)。入会金がかかるスタジオもあるので、総額でも比べましょう。
まとめ
- 60歳以上の研究のまとめでは、バランスや筋力が改善し、転倒のリスクも下がりました
- 比べた相手は主に運動をしないグループで、根拠の確かさが「低い」項目もあります
- 持病や痛み、骨粗しょう症がある人は、始める前に医師に相談しましょう
- 最初の数回はマンツーマンで、体の状態を見てもらうと安心です
- 体験では、配慮の内容と料金の総額、解約の条件を確かめます
グループとマンツーマンの料金は、1回あたりで並べて比べられます。マシンピラティス料金比較を見る →
出典
- Fernández-Rodríguez R, et al. Pilates improves physical performance and decreases risk of falls in older adults: a systematic review and meta-analysis. Physiotherapy. 2021;112:163-177(2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月確認)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:高齢者版(2026年10月確認)
- 国民生活センター「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」(2026年10月7日公表、2026年10月確認)
- マシンピラティスの料金:FITPEAK調べ(マシンピラティス料金比較、各社公式サイトの料金、2026年10月18日時点)
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