【腰を守る範囲の決め方】ピラティスのロウワーリフトのやり方と段階
「ロウワーリフトをすると腰が反ってしまう」「どこまで脚を下ろせばいいのかわからない」と迷っていませんか。この記事では、腰を守る範囲の決め方を中心に、やり方と初心者向けの4つの段階をまとめました。
結論:ロウワーリフトは、あお向けで脚を天井へ伸ばし、腰が反り始める手前まで脚をゆっくり下ろして戻す種目です。
- 大切なのは「どこまで下ろすか」。腰が反る手前が今日の範囲です
- 最初はひざを曲げた簡単な形(かかとタッチ)から始めます
- 腰に痛みが出たら、すぐにやめてください
- 腰痛や持病がある人、妊娠中・産後の人は、始める前に医師に相談しましょう
ロウワーリフトで「下ろす範囲」を決める流れ
この記事でわかること
- ロウワーリフトのねらいと基本のやり方
- 腰が反らない「下ろす範囲」の決め方4つ
- 初心者向けの4つの段階と、よくある間違いの直し方
- やめたほうがよいときと、医師に相談したい人
ロウワーリフトとは?ねらいと基本のやり方
ロウワーリフトは、脚をそろえて上下に動かしながら、おなかで体幹を安定させる練習をする種目です。スタジオによっては「ダブルレッグローワーズ」などの名前で教えられることもあります。
動くのは脚ですが、ねらいは「脚が動いても骨盤と腰をぐらつかせないこと」にあります。
ピラティスで意識するのは、体幹の安定・筋力・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸です(Wellsら, 2012)。ロウワーリフトは、このうち体幹の安定とコントロールを練習しやすい種目です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 姿勢 | あお向け。脚を天井に向けて伸ばす(ひざは少しゆるめてもよい) |
| 動き | 脚をそろえたまま、ゆっくり下ろして上げる |
| 呼吸 | 下ろすときに吸い、上げるときに吐く教え方が多い(逆の場合もある) |
| 意識する場所 | おなかの奥、骨盤の安定、首や肩の力みをとること |
| 回数の目安 | 形がくずれない範囲で数回から。回数より範囲と速さを守る |
あお向けで脚をそろえて下ろし、また上げる動きの形は、自重トレの「レッグレイズ」と同じです。動きのイメージは、FITPEAKの3D種目図鑑で確かめられます。
レッグレイズの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
違いは動かす範囲です。ロウワーリフトでは脚を天井に向けた位置から始め、腰が反らない範囲だけを往復します。床から脚を上げる形のやり方はレッグレイズのやり方で解説しています。
ロウワーリフトで腰を守る「範囲」の決め方
脚を低く下ろすほど、脚の重さを支える負担が大きくなり、腰が反りやすくなります。深く下ろすことより、腰の位置を保てる範囲で動くことを優先しましょう。
- 腰の下に手を入れて確かめる:最初は片手を腰の下に入れます。脚を下ろしたときに、腰が手から離れて反っていかないかを感じます。
- 「反り始める手前」で止める:腰が反る、おなかがふくらむ、肋骨が持ち上がる、のどれかが起きたら、そこが今の限界です。少し手前で止めます。
- その日の体調で変える:疲れている日や腰に違和感がある日は、範囲を小さくするか、簡単な形に戻します。
- 速さを落とす:速く動くと反動で範囲を超えやすくなります。下ろすのも上げるのも、同じくらいゆっくりにします。
なお、ピラティスの腰痛への効果を調べた研究があります。ほとんど運動をしない場合と比べると、痛みが軽くなったという結果でした。
一方で、ほかの運動より優れるとは言えないとされています(Yamatoら, 2015)。ロウワーリフト1種目の効果を調べた研究ではない点にも注意が必要です。
ロウワーリフトの初心者向け4段階と、よくある間違い
FITPEAK編集部では、腰が反りやすい人ほど段階1から始めることをすすめています。今の段階で腰が安定してから、次へ進みましょう。
| 段階 | 形 | こんな人に |
|---|---|---|
| 1. かかとタッチ | ひざを90度に曲げて脚を持ち上げ、片足ずつかかとを床に近づけて戻す | 初めての人、腰が反りやすい人 |
| 2. 片脚ずつ | 片脚は天井に向けたまま、もう片脚だけを伸ばして下ろす | 段階1で腰が安定する人 |
| 3. 両脚・小さく | 両脚をそろえて、ほんの少しだけ下ろして戻す | 段階2を左右とも続けられる人 |
| 4. 両脚・範囲を広げる | 腰が反らない範囲で、少しずつ下ろす角度を広げる | 段階3で形がくずれない人 |
うまくいかないときは、次の表で原因と直し方を確かめてください。
| よくある間違い | 直し方 |
|---|---|
| 深く下ろしすぎて腰が反る | 範囲を小さくし、反り始める手前で止める |
| 反動で脚を振り上げる | 上げるときも下ろすときと同じ速さにする |
| 首や肩に力が入る | 頭は床に置いたまま、肩を耳から遠ざける |
| 息を止める | 動きを小さくして、吸う・吐くを続ける |
| 手で床を強く押して支える | 手は軽く置くだけにして、おなかで支える感覚を探す |
自分の範囲がわかりにくいときは、インストラクターに見てもらうのが近道です。マシンのスタジオでは、ストラップやばねで脚を支えながら同じような動きを練習できることもあります。
ロウワーリフトをやめたほうがよいときと注意点
次のような場合は、無理に続けないでください。
- 腰や股関節に痛み・しびれが出たら、すぐに中止してください。
- 腰痛・椎間板の病気などで通院中の人は、始める前に医師に相談してください。
- 妊娠中・産後の人は、あお向けでおなかに力を入れる種目について医師に相談しましょう。
- 厚生労働省のガイドがすすめる筋力トレーニングは、大人で週2〜3日です(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)。毎日たくさん行うより、続けられる頻度で丁寧に行いましょう。
よくある質問
ロウワーリフトで下腹は引き締まりますか?
おなかの運動だけで、その部分の脂肪が減るとは言えません。腹筋の運動を6週間続けた研究では、腹筋の持久力は上がりました。一方で、おなかの脂肪には差が見られなかったという結果でした(Visputeら, 2011)。
脚を床すれすれまで下ろせるようになるべきですか?
目標にする必要はありません。腰の位置を保てる範囲で動くことが大切で、範囲は人によって違います。
腰が痛くなるのはなぜですか?
脚を下ろしすぎて腰が反っていることが多いです。範囲を小さくするか、ひざを曲げた形に戻してください。痛みが続く場合は中止し、医師に相談してください。
ロウワーリフトは何回やればいいですか?
形がくずれない範囲で、数回から始めれば十分です。回数を増やすより、範囲と速さを守ることを優先しましょう。頻度は、筋力トレーニング全体で週2〜3日が目安です。
ハンドレッドとどちらを先に練習するとよいですか?
体の状態に合わせて選びましょう。首がつらい人はロウワーリフト(頭を床に置く形)から始めます。腰が反りやすい人は、ハンドレッドの簡単版から始める方法もあります。
まとめ
- ロウワーリフトは、骨盤と腰を安定させたまま脚を下ろして上げる種目です
- 下ろす範囲は「腰が反り始める手前」まで。深さより形を優先します
- 初心者はひざを曲げたかかとタッチから、4つの段階で進めます
- 痛みやしびれが出たらすぐに中止し、持病がある人は医師に相談してください
自分の範囲をプロに見てもらいたい人は、マシンのスタジオで習う方法もあります。マシンピラティスのおすすめで、スタジオの料金と特徴を比べています。
出典
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012(2026年10月確認)
- Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015(2026年10月確認)
- Vispute SS, et al. The effect of abdominal exercise on abdominal fat. J Strength Cond Res. 2011(2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月確認)
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