【首を守るコツ】ピラティスのロールオーバーのやり方と避けたい人
ロールオーバーは、首が痛くならないか心配になりやすい種目です。この記事では、やり方の5つの手順、首を守るコツ、避けたほうがよい人をまとめました。
ロールオーバーは、背骨を一つずつ丸めて脚を頭の向こうへ運び、肩甲骨のあたりで体を支える種目です。
- 首には体重をのせません。支える場所は肩甲骨のあたりと腕です
- 脚は床と平行くらいまでで十分です。つま先を床につける必要はありません
- 首や腰に痛みがある人、骨粗しょう症と言われた人は、行う前に医師に相談してください
- 妊娠中の人や血圧が高い人も、医師に相談してください。不安なら準備の種目にとどめましょう
ロールオーバーの流れと首を守るポイント
この記事でわかること
- ロールオーバーの5つの手順と、確かめるところ
- 首に体重をのせないための支え方と、段階の上げ方
- 避けたほうがよい人と、医師に相談したい人
- 背骨を丸める運動について、研究でわかっていること
ロールオーバーとは?首に負担がかかりやすい理由
ロールオーバー(Roll Over)は、ピラティスのマット種目の一つです。
考案者のジョセフ・ピラティスは、1945年の著書で自身の考え方をまとめています。書名は『Return to Life Through Contrology』です。
マットの種目は、ダンサーたちに教えていた時期に形づくられたとされています。出典はPilates Method Allianceです。
この種目では、脚を頭の向こうに運びます。背骨を大きく丸め、上半身の上のほうで体を支える姿勢になります。
勢いで転がったり、脚を下ろしすぎたりすると、体重が首にかかりやすくなります。首は細く、体重を支えるのに向いた場所ではありません。首を守ることが、この種目のいちばんの注意点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レベル | 中級〜上級。おなかの力で骨盤を持ち上げられることが前提 |
| 体を支える場所 | 肩甲骨のあたりと腕。首では支えない |
| 主に使うところ | おなかまわり、背骨を一つずつ動かすコントロール、太ももの裏の柔軟性 |
| 負担がかかりやすいところ | 首、背骨(特に丸める動き)、腰 |
| 似た動き | ロールアップ(起き上がる方向に背骨を丸める)、ジャックナイフ(より上級) |
ロールオーバーのやり方:5つの手順と確かめるところ
手順は次の5つです。一つずつ、勢いを使わずに進めます。
- 準備:あお向けになり、腕は手のひらを下にして体の横に置きます。両脚をそろえて天井に向けて上げます。
- 転がり上がる:息を吐きながら、おなかを引き込みます。骨盤から背骨を一つずつ床から持ち上げ、腕で床を軽く押して支えます。
- 脚を頭の向こうへ:脚が床と平行になるあたりまで運びます。つま先を床につける必要はありません。
- 脚を開く:脚を肩幅くらいに開きます(閉じたまま戻る教え方もあります)。
- 転がり下りる:背骨を上から一つずつ床に下ろします。お尻が床についたら、脚を戻してそろえます。
動いている間は、次の表の点を確かめてください。
| 確かめるところ | 目安 |
|---|---|
| 首 | 首の後ろに体重がのっていない。頭を左右に動かさない |
| 支え | 肩甲骨のあたりと腕で床を押して支えている |
| 速さ | 勢いをつけず、背骨を一つずつ動かす |
| 脚の位置 | 床と平行くらいまで。無理に下ろさない |
| 呼吸 | 止めない。上がるとき・下りるときのどちらかで吐く |
ロールオーバーを避けたほうがよい人・医師に相談したい人
次のような人は、行う前に医師に相談してください。
| こんな人 | 理由と対応 |
|---|---|
| 首に痛み・しびれがある人 | 首に負担がかかりやすい姿勢になる。行う前に医師に相談する |
| 骨粗しょう症と言われた人 | 背骨を強く丸める運動について注意が必要とする報告がある(下記)。医師に相談する |
| 腰に痛みがある人 | 背骨を大きく丸める。医師に相談し、痛みがあるうちは行わない |
| 血圧が高い人、目の病気がある人 | 頭が下がる姿勢になる。医師に相談する |
| 妊娠中・産後の人 | あお向けやおなかに力を入れる姿勢について、医師に相談する |
骨粗しょう症については、背骨を丸める運動を調べた研究があります。閉経後の骨粗しょう症で腰痛のある女性59人を、運動の種類で分けて追った研究です。出典はSinaki・Mikkelsen, 1984です。
- 背骨を反らす運動のグループ(25人):新たな骨折は16%
- 背骨を丸める運動のグループ(9人):新たな骨折は89%
- 反らす運動と丸める運動の両方のグループ(19人):53%
- 運動をしなかったグループ(6人):67%
人数の少ない古い研究で、ロールオーバーそのものを調べたものではありません。骨の状態が気になる人は、医師に相談してから行いましょう。
厚生労働省のガイドでは、運動中に関節や筋肉の強い痛み、めまいなどがあれば、すぐに中止するよう示されています。出典は身体活動・運動ガイド2023です。
首を守るための段階の上げ方
いきなり脚を頭の向こうへ運ばず、次の4段階で進めると、首への負担をおさえやすくなります。
| 段階 | 内容 | 次に進む目安 |
|---|---|---|
| 1. 骨盤を少し上げる | ひざを曲げて脚を持ち上げ、おなかの力で骨盤を少しだけ床から離す | 勢いを使わずにできる |
| 2. 背骨を少し丸める | 脚を伸ばし、腰のあたりまで背骨を持ち上げて戻る | 首に力が入らない |
| 3. 補助つきで行う | インストラクターに骨盤を支えてもらい、脚を頭の方へ運ぶ | 肩甲骨で支える感覚がわかる |
| 4. ロールオーバー | 脚を床と平行くらいまで運び、一つずつ戻る | — |
FITPEAK編集部では、次の3つがそろうまで、最後の段階には進まないことをすすめます。
- 勢いを使わずに、骨盤を床から離せる
- 首の後ろに力が入っていると、自分で気づける
- 痛みや不安があるとき、無理をせず中止できる
マシン(リフォーマー)のスタジオでは、スプリングやストラップで体を支えながら、背骨を丸める練習ができることもあります。体の状態に合わせて段階を選んでもらえるスタジオなら安心です。
スタジオ選びはマシンピラティスのおすすめで比べています。料金はマシンピラティス料金比較で確かめられます。
よくある質問
ロールオーバーで首が痛くなるのはなぜですか?
体重が首にのっていることが、主な原因と考えられます。勢いで転がったり、脚を下ろしすぎたりすると起こりやすくなります。すぐに中止し、痛みが続く場合は医師に相談してください。
つま先が床につかなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。脚は床と平行くらいまでで十分です。無理につま先を床につけようとすると、首に体重がかかりやすくなります。
ロールオーバーで何が鍛えられますか?
おなかの力で骨盤を持ち上げ、背骨を一つずつ動かすコントロールを練習する種目です。ただし、この種目だけで体の一部分が引きしまると言える研究はありません。
ロールオーバーができなくてもピラティスは続けられますか?
続けられます。体の状態によっては、行わないほうがよい人もいます。ほかの種目で十分にピラティスを練習できます。基本の種目はハンドレッドのやり方も参考にしてください。
まとめ
- ロールオーバーは、背骨を一つずつ丸めて脚を頭の向こうへ運ぶ中級〜上級の種目です
- 体重は肩甲骨のあたりで支え、首にはのせません
- 脚は床と平行くらいまでで十分で、つま先は床につけなくてかまいません
- 首や腰に痛みがある人、骨粗しょう症と言われた人は、医師に相談してから行いましょう
- 不安があるときは、準備の種目にとどめ、段階を踏んで進めましょう
インストラクターの補助つきで練習したい人は、マシンピラティスのおすすめでスタジオを比べてみてください。
出典
- Pilates Method Alliance「The History of Pilates」
- Sinaki M, Mikkelsen BA. Arch Phys Med Rehabil. 1984
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
上記の出典は、2026年10月に確認しました。
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