【メッツで比較】ピラティスで汗をかかないのはなぜ?理由と効果の関係
ピラティスで汗をあまりかかないのは、めずらしいことではありません。ピラティスは、ゆっくりした動きで体幹や姿勢を整える運動で、メッツ表では「ピラティス:全般」が2.8メッツと、時速4kmほどの歩行(3.0メッツ)と同じくらいの強さに分類されています。汗の量は室温・湿度・服装・体質でも大きく変わるため、汗が少ないから効果がない、とは言えません。
運動の強さの比較(メッツ)
ピラティスで汗をかきにくい3つの理由
ピラティスは、体幹の安定・筋力・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸を意識する運動と整理されています(Wellsら, 2012)。走ったり跳んだりする運動とは目的が違うため、息が上がるほどの強さになりにくいのが特徴です。
| 理由 | くわしく |
|---|---|
| 運動の強さが中くらい以下 | メッツ表では、ピラティス全般が2.8メッツ、マットで行う伝統的なピラティスが1.8メッツ。厚生労働省のガイドでは3メッツが「少し息が上がるくらい」の強さとされている |
| 動きがゆっくりで、休む間もある | 1つの種目を正確に行うことを重視するため、テンポは速くない。種目の切りかえや説明の時間もある |
| 室温がふつう | 多くのスタジオは常温。高温の部屋で行うホットヨガ(3.0メッツ)とは環境が違う |
同じピラティスでも、マシン(リフォーマー)でばねを重くしたり、種目を続けて流れるように行ったりすると、強さは上がります。逆に、初心者向けのクラスや、呼吸と姿勢の確認が中心のレッスンでは、汗をほとんどかかないこともあります。
汗の量と運動の効果は別のもの
汗は、上がった体温を下げるためのしくみです。環境省の「熱中症環境保健マニュアル」では、気温が高いときは皮膚から熱を逃がしにくくなり、おもに汗が蒸発するときの気化熱が体温を下げる働きをしていると説明されています。また、湿度が高い・風が弱いといった環境では、汗が蒸発しにくくなるとされています(環境省)。
| 見るもの | 汗の量 | 消費エネルギー |
|---|---|---|
| 決まり方 | 運動の強さに加えて、室温・湿度・服装・体質で変わる | 運動の強さ(メッツ)×体重×時間でおおよそ計算できる |
| 汗をかいて減った体重 | おもに水分。水分をとると戻る | — |
| 体脂肪との関係 | 汗の量だけでは判断できない | 体脂肪1kgを減らすには約7,000kcalが必要とされる |
メッツ表の計算式(メッツ×体重kg×時間)に当てはめると、体重50kgの人が「ピラティス:全般」(2.8メッツ)を1時間行った場合は、約140kcalになります。この値には安静にしているときの分も含まれます。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギー量は約7,000kcalとされています(e-ヘルスネット)。体重を減らしたいときは、汗の量ではなく、運動と食事を合わせた全体で考えることが大切です。
汗をかかなくても気をつけたいこと
- 水分はとる:厚生労働省のガイドでは、運動中も15分に1回程度は水分・ナトリウムを補給することがすすめられています。汗が少なくても、レッスンの前後に水分をとりましょう。
- 服装で体温を調整する:汗をかきにくい人は、レッスンの最初に体が冷えていることもあります。脱ぎ着しやすい服で調整すると安心です。
- 体調の変化に気づく:同じガイドでは、運動中に胸の痛み・動悸・冷や汗・めまいやふらつき・関節や筋肉の強い痛みなどを感じたら、すぐに運動を中止するよう書かれています。
- 汗が極端に少ない・多い人:暑い場所でも汗がほとんど出ない、少し動いただけで大量に汗が出るなど、気になる変化があるときは医師に相談してください。
なお、運動前の体調確認として、熱がある・吐き気がある・睡眠不足で体調が悪いなどが1つでも当てはまるときは、無理に運動しないこともすすめられています(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」)。
もう少し汗をかくくらい動きたいときの選び方
「せっかくなら汗をかくくらい動きたい」という場合は、ピラティスの中で強さを上げる方法と、ほかの運動と組み合わせる方法があります。
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| マシンピラティスのクラスを選ぶ | ばねの重さで負荷を変えられる。テンポの速いクラスを用意するスタジオもある |
| 中級・上級のクラスに進む | 種目の数が増え、休む時間が短くなる。形がくずれるなら無理に進まない |
| 歩行などの有酸素運動を別に行う | 厚生労働省のガイドでは、成人は歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)が推奨されている |
| 筋トレと組み合わせる | 同じガイドでは、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されている |
マシンを使うスタジオは、負荷やクラスの内容がスタジオごとに違います。スタジオの探し方や比べ方はマシンピラティスのおすすめで比べています。
よくある質問
ピラティスで汗をかかないのは、やり方が間違っているからですか?
そうとは限りません。ピラティスはもともと強さが中くらい以下の運動で、汗が少ないのは自然なことです。正しくできているかは、汗の量ではなく、インストラクターに形を見てもらって確かめましょう。
汗をかかないと痩せないのですか?
汗の量と体脂肪の減り方は直接は結びつきません。ピラティスと体重を調べた研究のまとめ(メタ分析)では、太りぎみ・肥満の大人で体重が平均2.4kg減ったという結果がありますが、研究の質や数には限りがあるとされています(Wangら, 2021)。
ホットピラティスなら汗をたくさんかけますか?
室温が高ければ汗は出やすくなりますが、汗が多いことと消費エネルギーが多いことは別です。暑い環境では脱水や熱中症に注意が必要で、持病がある人や妊娠中の人は医師に相談してから参加してください。
汗をかかないなら、着替えはいりませんか?
汗が少なくても、体を床につける種目が多いので、動きやすい服に着替えるのが一般的です。マシンのスタジオでは、すべり止めつきの靴下を求められることもあります。
出典
- 中江悟司・吉村英一・小野玲「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル」第1章 熱中症とは何か
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー・栄養素」
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- Wang Y, et al. Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis. Front Physiol. 2021
あわせて読む
このジムの近くで、一緒にトレーニングする仲間を探せます
同じジムに通う人どうしで、補助やフォームチェックをし合える合トレ相手を見つけられます。写真・レベル・自己紹介を登録すると、同じ県の仲間と「合トレしたい」でつながり、チャットで日時を決められます。連絡先はお互いが承認するまで出ません。
公式LINEを友だち追加すると、合トレナビのURLが届きます(無料)。18歳以上・合トレ目的の方のみ。