【歩き方を見直す】ピラティスで歩き方は変わる?研究と日常のチェック5点
歩き方がピラティスで変わるかは、はっきり言えません。
高齢者を対象にした系統的レビューでは、ピラティスで転倒リスクの要因の一部が改善しました。
ただし歩行の指標では差が確認できないものもありました。
若い人の歩き方が変わるかは、確かめられていません。
歩くと痛む人は、運動の前に医師に相談してください。
ピラティスと歩き方|研究でわかっていること
- 高齢者でバランスや移動のしやすさの指標が改善した研究がある
- 国のガイドは、歩行を中心に1日の活動量の目安を示している
- 若い人の歩き方が変わるか
- 歩く速さや歩幅が改善するか
- ケガの予防になるか
ピラティスで歩き方は変わるのか|研究の結果
da Silvaら(2021)は、健康な高齢者を対象にしたピラティスの試験12件(702人)をまとめました。転倒しやすさに関わる指標を、ピラティスと比べた研究です。
| 指標 | 結果(ピラティスの場合) |
|---|---|
| 横方向の揺れ(バランス) | 何もしない場合と比べて改善 |
| 移動のしやすさ(モビリティ) | 何もしない場合、他の運動と比べて改善 |
| 転倒への不安 | 何もしない場合と比べて改善 |
| 動的歩行指標(DGI)など | 差が確認できないものもあった |
DGIは、歩きながら向きを変えたり、障害物をまたいだりする力を点数で見る検査です。日常の歩行に近い指標ですが、今回の分析では差を示せませんでした。
著者らは、ピラティスで転倒リスクの要因が減る可能性があるとしつつ、質の高い証拠はまだ足りないと述べています。
この結果は、健康な高齢者のものです。若い人や、歩き方に困りごとがある人にそのまま当てはまるとは限りません。「ピラティスで歩き方が整う」とは言い切れません。
歩き方を見直す5つのチェック
ピラティスでは、姿勢や体の軸を整える考え方が大切にされます。歩くときにも応用できる点を挙げます。研究で確かめられたものではなく、練習の目安です。
| チェック点 | 見るところ | ひと言 |
|---|---|---|
| 目線 | 遠くを見ているか | 足元ばかり見ない |
| 肩と首 | すくんでいないか | 肩を耳から遠ざける |
| 骨盤・腰 | 反りすぎ、丸まりすぎがないか | おなかを軽く引き込む |
| 足の着き方 | 足裏全体で着地できているか | つま先の向きをそろえる |
| 歩幅と腕 | 無理に大股にしていないか | 腕は自然に振る |
歩く前に、靴のサイズと履き方も確かめましょう。かかとを合わせて、ひもやベルトを調整するだけでも、足の着き方が変わります。
正しい歩き方は一つではありません。体格や靴、歩く場所によっても変わります。違和感がない範囲で、少しずつ試しましょう。
レッスンで意識されやすいこと
- 頭のてっぺんを引き上げるように立つ
- 足裏の3点(かかと・親指のつけ根・小指のつけ根)に体重を乗せる
- 骨盤を左右に揺らしすぎない
- 息を止めずに歩く
- 歩く前に、足首や股関節を軽く動かしておく
ニュートラルな姿勢の考え方は、ピラティスのニュートラルポジションとはを読むとつかめます。
1日どれくらい歩く?国のガイドの目安
厚生労働省のガイド2023は、成人で歩行かそれと同等の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)としています。高齢者は1日40分以上(約6,000歩以上)です。
| 対象 | 1日の目安 | 歩数の目安 |
|---|---|---|
| 成人 | 60分以上 | 約8,000歩以上 |
| 高齢者 | 40分以上 | 約6,000歩以上 |
ガイド付録のメッツ表では、普通歩行(平地、67m/分)が3.0メッツです。ほどほどの速さ(75〜85m/分)は3.5メッツです。
ガイドは、3メッツ以上を「少し息が上がるくらいの強さ」と説明しています。急ぎすぎず、この感覚が一つの目安になります。
ピラティスだけで1日の活動量を満たすのは難しい場合があります。歩く習慣と組み合わせると、体を動かす量を確保しやすくなります。
歩くと痛むときの注意
歩くと膝、足の裏、腰、股関節が痛むときは、歩き方の練習で解決しようとせず、まず原因を確かめましょう。
| こんなとき | 対応 |
|---|---|
| 歩くと痛みが出る、悪化する | 無理をせず、医師や理学療法士に相談する |
| 足を引きずる、つまずきやすい | 転倒しやすいため、早めに受診する |
| しびれがある、力が入りにくい | 運動を続けず、医療機関を受診する |
| 妊娠中や持病がある | 始める前に医師に確認する |
歩き方の癖は、骨格や筋肉、靴、病気などが関わることもあります。診断や治療は医師の役割で、この記事は受診の代わりにはなりません。
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よくある質問
ピラティスで姿勢が変わると歩き方も変わりますか?
変わる可能性はありますが、確かめた研究は多くありません。姿勢と歩き方は関係するものの、どちらも体格や靴などの影響を受けます。変化は人によって違います。
ピラティスは歩くのが遅い人に向きますか?
高齢者を対象にした研究では、移動のしやすさの指標が改善した例があります。ただし個人差が大きく、持病がある人は事前に医師へ相談してください。
歩き方を直すのに何回通えばいいですか?
回数で決められる研究は見つかりませんでした。無理のない頻度で続けることが大切です。目安はピラティスの頻度の記事で解説しています。
ウォーキングとピラティスはどちらがいいですか?
目的が違います。歩行は活動量を増やしやすく、ピラティスは体の使い方を学びやすい運動です。ガイド2023は、歩行を中心に筋力トレーニングも週2〜3日行うことを推奨しています。
歩き方のクセはセルフチェックできますか?
靴底の減り方や、動画での確認が参考になります。ただし判断は難しいため、気になるときは専門家に相談しましょう。
出典
- da Silva LD, et al. Pilates Reducing Falls Risk Factors in Healthy Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Front Med. 2021(PubMed。2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月確認)
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