【骨の形は変わる?】ピラティスでO脚はまっすぐになる?研究と注意点
ピラティスでO脚がまっすぐになるとはいえません。日本整形外科学会では、ひざの変形を矯正する方法として骨を切る手術(高位脛骨骨切り術)が紹介されており、骨そのものの形を運動で元に戻せるとは考えにくいためです。一方で、ピラティスは脚や体幹の筋肉の使い方を練習する運動なので、立ち方や歩き方を見直すきっかけにはなります。ひざに痛みや腫れがある人、O脚が急に目立ってきた人は、運動を始める前に整形外科で相談してください。
O脚について「運動で変えられること」と「変えにくいこと」
- 骨の形(すねの骨の曲がりなど)
- 関節の変形
- 変形の矯正は手術が検討される
- 立ち方・足の向き
- 股関節やひざまわりの筋肉の使い方
- ひざを支える筋力
O脚とは?骨の形と見た目の違い
O脚は、両足のくるぶしをそろえて立ったときに、ひざとひざの間にすき間ができる脚の形を指すことが一般的です。すき間の原因には、骨の形そのものによるものと、立ち方や足の向きなどによって見た目が変わるものが混ざっています。
| 分け方 | 内容 | 運動との関係 |
|---|---|---|
| 骨や関節の形によるもの | すねの骨の曲がりや、変形性膝関節症によるひざの変形など | 骨の形を運動で元に戻せるとはいえない。変形の矯正には手術が検討される |
| 立ち方による見た目 | 足先の向き、ひざの伸ばし方、体重ののせ方などで、すき間の見え方が変わる | 立ち方を練習することで見え方が変わる可能性はある |
| 痛みをともなうもの | ひざの痛みや腫れ、水がたまるなどの症状がある | 自己判断で運動せず、整形外科で相談する |
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症は女性に多く、高齢になるほど多くなる病気で、診察ではO脚変形の有無なども調べ、X線(レントゲン)検査で診断するとされています(日本整形外科学会「変形性膝関節症」)。年齢とともにO脚が目立ってきた場合は、まず診察を受けることが大切です。
ピラティスでO脚はまっすぐになる?わかっていること
ピラティスで骨の形が変わってO脚がまっすぐになる、ということを示した研究は確認できませんでした。日本整形外科学会の解説では、変形性膝関節症の治療として、症状が軽い場合は薬や注射、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を強くする訓練や関節の動く範囲をよくする訓練などのリハビリテーションが行われ、それでもよくならない場合に、骨を切って変形を矯正する手術(高位脛骨骨切り術)などが検討されると説明されています(日本整形外科学会)。
一方で、運動と脚のならびについての研究もあります。O脚とひざの痛みがある中年の女性を対象にした韓国の研究では、筋力と神経筋の運動を組み合わせたプログラムを12週間行ったグループで、ひざとひざの間の距離が短くなり、痛みも軽くなったと報告されています(Moonら, 2022、Moonら, 2026)。
| 研究 | 対象 | 内容 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Moonら, 2022 | O脚とひざの痛みがある中年女性47人 | 1回60分・週3回・12週間の運動プログラム | ひざの間の距離が平均6.48cmから5.47cmに。痛みの点数も改善 |
| Moonら, 2026 | O脚とひざの痛みがある40〜60歳の女性40人 | 1回60分・週3回・12週間の神経筋の運動プログラム | ひざの間の距離が平均1.09cm短く。痛みの点数も改善 |
どちらも人数が少なく、同じ研究グループによるもので、ピラティスを調べた研究でもありません。ひざの間の距離は筋肉の使い方や立ち方でも変わるため、これらの結果から「運動で骨の形が変わる」とまでは言えません。ピラティスは、体幹の安定・筋力・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸を意識する運動と整理されており(Wellsら, 2012)、脚の筋肉の使い方を見直す運動の一つとして考えるのが現実的です。
ピラティスで意識したいこと
O脚が気になる人がピラティスを行うときは、脚の形を変えることよりも、股関節・ひざ・足首を同じ向きにそろえて動かす練習を意識すると取り入れやすくなります。
- ひざとつま先の向きをそろえる:脚を曲げ伸ばしする種目では、ひざが内側や外側に倒れないよう、ひざとつま先を同じ方向に向けます。
- ひざを伸ばしきらない:立つときや脚を伸ばすときに、ひざを後ろへ押しこむように伸ばしきらず、軽くゆとりを残します。
- 足裏の体重ののせ方:足の外側だけに体重がのらないよう、かかと・親指の付け根・小指の付け根の3点で立つことを意識します。
- ももの内側と外側をバランスよく:脚を閉じる・開く動きを、反動を使わずゆっくり行います。
マシンピラティスのリフォーマーでは、足をバーにのせて脚を曲げ伸ばしするフットワークなど、脚の向きを確かめながら動かす種目があります。自分の脚の向きは自分では見えにくいので、指導者に見てもらえる環境がおすすめです。マシンピラティスのおすすめスタジオで比べています。
注意点(医師に相談したほうがよい人)
- ひざの痛み・腫れがある人、ひざに水がたまったことがある人は、運動を始める前に整形外科で相談してください。日本整形外科学会では、変形性膝関節症の主な症状はひざの痛みと水がたまることとされています。
- O脚が急に目立ってきた、左右で差が大きくなってきた場合は、自己判断で運動で直そうとせず、診察を受けましょう。
- 子どものO脚が気になる場合は、小児科や整形外科で相談してください。
- ひざに痛みがある人の運動は、厚生労働省の「標準的な運動プログラム」に変形性ひざ関節症の人を対象にしたプログラムがあり、ひざを支える筋肉を鍛えてひざの安定性を高めるものと紹介されています(e-ヘルスネット「標準的な運動プログラム」)。始める前に医師に確認しましょう。
- 運動中にひざの痛みが強くなったら、すぐに中止しましょう。
よくある質問
O脚矯正をうたうレッスンは効果がありますか?
レッスンの内容によりますが、骨の形を運動で元に戻せるとはいえません。「必ずまっすぐになる」などの表現には注意し、何をどう練習するのかを体験で確かめましょう。立ち方や脚の使い方を練習する場として利用するのが現実的です。
どのくらい続ければ変わりますか?
ピラティスでO脚がどれくらいで変わるかを調べた研究は確認できませんでした。運動プログラムの研究では、1回60分・週3回を12週間続けた例があります。ただしピラティスではないため、同じ結果になるとは限りません。
脚を細く見せたいのですが、ピラティスでできますか?
脚の見た目には、骨の形や脂肪、筋肉などがかかわります。太ももについてはピラティスで太ももは細くなる?で研究をもとに解説しています。
マットとマシン、どちらがいいですか?
どちらでも脚の向きを意識した練習はできます。マシンはばねの力で動きを助けたり負荷をかけたりでき、脚の位置を確かめやすいのが特徴です。違いはマットピラティスとマシンピラティスの違いで比べています。
出典
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
- Moon HH, et al. Effect of Combined Exercise Program on Lower Extremity Alignment and Knee Pain in Patients with Genu Varum. Healthcare (Basel). 2022
- Moon HH, et al. Effects of a neuromuscular exercise program on lower limb alignment and balance ability in individuals with genu varum and knee pain. J Exerc Rehabil. 2026
- Wells C, et al. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「標準的な運動プログラム」
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