【計算式つき】ジムの退会率の計算方法|平均在籍期間の出し方と使い道
ジムの退会率の計算は、「その月の退会者数 ÷ 月初の在籍会員数」が基本です。たとえば月初300人で15人が辞めれば退会率は5%で、平均の在籍期間は「1 ÷ 退会率」で20か月と見積もれます。
ここで大切なのは、分母を月初の在籍に固定することと、休会や入会月の退会を別に数えることです。計算のしかたが月によってぶれると、改善したのか悪化したのか判断できなくなります。
退会率と平均在籍期間の対応(1 ÷ 退会率)
退会率の計算方法:分母と分子を決める
退会率には複数の計算のしかたがあります。どれが正しいというより、毎月同じ式で記録し続けることが大切です。
| 計算 | 式 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 月次の退会率(基本) | 月の退会者数 ÷ 月初の在籍会員数 | 毎月の推移を見る |
| 年間の退会率 | 1年間の退会者数 ÷ 年初の在籍会員数 | 前年との比較・事業計画 |
| 入会月別の残存率 | 入会後n か月に残っている人数 ÷ 入会人数 | 早期退会とキャンペーンの影響を見る |
| 休会を含む場合 | (退会者数)÷(月初の在籍+休会中) | 休会制度が多く使われる店 |
計算の例です。月初の在籍が300人、その月の退会が15人、入会が12人だとします。退会率は15 ÷ 300 = 5%です。
月末の在籍は300 − 15 + 12 = 297人ですが、これで割ると約5.05%と、わずかにずれます。月初の人数を使うと決めておくと、毎月比べられます(数字は例)。
よくあるずれは次のとおりです。
- 入会した月に辞めた人:月初の在籍に入っていないため、分子に入れるか別に数えるかを決めます。早期退会を見たい場合は別に数えると、入会時の説明やキャンペーンの影響がわかります。
- 休会:会費が入らない休会を退会に含めると退会率が上がり、含めないと実態より低く見えます。休会率を別に記録します。
- 解約の手続き日と最終日:手続きをした月と、会費が止まる月がずれることがあります。どちらで数えるかを決めて固定します。
- 強制退会・未払いによる退会:本人の意思による退会と分けると、原因が見えます。
平均在籍期間:退会率からの見積もりと実測
平均在籍期間は、退会率から「1 ÷ 退会率」で見積もれます。上の図のとおり、退会率が3%なら約33か月、5%なら20か月、10%なら10か月です。この式は、毎月ほぼ同じ割合で会員が辞めていくと置いたときの計算です。
| 方法 | やり方 | 長所と注意 |
|---|---|---|
| 退会率から見積もる | 1 ÷ 月次の退会率 | すぐ計算できる。開業直後や入会の波が大きい時期は外れやすい |
| 退会者の在籍月数を平均する | 辞めた人の在籍月数の平均を出す | まだ在籍している長い人が入らず、短めに出る |
| 入会月別の残り方を見る | 入会月ごとに、n か月後の残存率を並べる | いちばん実態に近い。記録に手間がかかる |
実際には、入会後の数か月に辞める人が多く、そこを越えた人は長く続く傾向があるお店も多いでしょう。
そのため平均だけでなく、入会後1か月・3か月・6か月・12か月の残存率を並べて見ます。どの時期の対策が必要かが分かります(この傾向は店により異なり、公的な統計は見つかっていません)。
退会率を5%から3%に下げると利益がどれだけ増えるか。会員数・客単価・退会率を入れると、退会率を動かしたときの月の利益と会員数の落ち着く先を試算できます。
退会率を動かして月の利益を試算する(無料)計算した退会率の使い方
退会率は、計算して終わりにせず、会員数の見通しと打ち手につなげます。
- 会員数が落ち着く先 = 月の新規入会 ÷ 月の退会率。たとえば月に12人入会し、退会率が5%なら、会員数は240人あたりで落ち着きます。退会率が3%なら400人です(計算の例)。
- 損益分岐との比較:落ち着く先の人数が損益分岐の会員数より少なければ、入会を増やすか退会を減らす必要があります。
- LTVの計算:(月の売上 − 変動費)÷ 退会率で、会員1人の粗利の生涯額が出ます。
- 退会理由の分類:引っ越し・費用・効果が感じられない・通いにくい・ほかのジムに移る、などに分けて記録します。
ジム開業ナビの試算モデルのうち、24時間ジム30坪は損益分岐が会員232人です。
月の入会が12人なら、退会率5%で落ち着く240人は損益分岐をぎりぎり上回ります。
退会率6%なら200人で、損益分岐に届きません(どちらも計算の例。試算モデルは2026年10月時点で、マシンはリース、税・借入の返済は含まず、実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります)。
よくある質問
ジムの退会率の平均はどのくらいですか?
公的な統計で、業態別の退会率の平均を確かめられるものは見つかっていません。他店の数字を探すより、自分の店の退会率を毎月同じ式で記録し、損益分岐から必要な水準を逆算するほうが役に立ちます。
休会は退会に含めますか?
含めずに別の指標として記録するのがおすすめです。休会中は会費が入らない、または少ないため、休会率も追うと実態が見えます。休会制度の設計は別の記事「ジムの休会制度」で扱っています。
退会率は月と年のどちらで見ればよいですか?
運営の判断には月次、事業計画には年間が向いています。年間の退会率を12で割っても月次の退会率にはならないため、それぞれ別に計算してください。
開業直後の退会率はどう見ればよいですか?
開業直後は在籍が短い会員ばかりで、数字が安定しません。半年から1年たってから、入会月別の残り方も合わせて判断してください。
出典
- ジム開業ナビ「ジムの退会率」(2026年10月)
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
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