【上級種目の進め方】ピラティスチェアのパイクとは?流れと注意点
「チェアのパイクに挑戦してみたいけれど、いつから、どう練習すればいいの」と迷っていませんか。この記事では、ピラティスチェアのパイクの流れ、進むまでの段階、よくある間違いと注意点をまとめました。
結論:チェアのパイクは、チェアの上に立ちペダルを押さえたまま、お尻を高く上げて体をくの字に折りたたむ上級の種目です。
- ねらいは、手で押さえたペダルをおなかの力でコントロールしながら上げ下げすることです
- 高さのある台の上で前かがみになるため、転落の危険があります
- 自己流では行わず、インストラクターの補助のもとで準備の種目から段階を踏みます
- 手首・肩・腰に痛みがある人、骨粗しょう症の人、妊娠中の人は医師に相談してください
パイクに進むまでの段階(例)
この記事でわかること
- ピラティスチェアとパイクがどんな種目か
- パイクの流れと、動きの中で確かめるところ
- パイクに進むまでの段階と、FITPEAK編集部の「次に進む目安」
- よくある間違いと、医師に相談したい人
ピラティスチェアのパイクとは?
まず、器具のしくみと「パイク」という言葉の意味を押さえましょう。
ピラティスチェアは、座面とスプリングつきのペダルがある箱型の器具です。考案者のジョセフ・ピラティスが作った器具の一つで、「ワンダチェア(Wunda Chair)」と紹介されています(PMA)。
リフォーマーに比べて台が小さく、体を支える面がせまい器具です。そのため、バランスと体幹のコントロールがより求められます。
パイク(pike)は、体を腰のところで折りたたんだ姿勢を指す言葉です。チェアのパイクでは、両手でペダルを押さえ、お尻を高く上げて体を逆V字に近い形にします。
ペダルにはスプリングの力がかかっています。手を押しつける力とおなかの力を合わせて、ペダルがはね上がらないように動かします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使う器具 | ピラティスチェア(ワンダチェア) |
| レベル | 上級。高さのある台の上で行う |
| 体を支えるところ | 両手(ペダルの上)と足(チェアの上) |
| 主に意識する場所 | おなかまわり、肩まわり、太ももの裏側の柔軟性 |
| 必要な準備 | 手首・肩で体重を支えられること、前屈でひざ裏が強く突っ張らないこと |
| 行う場所 | インストラクターがいるスタジオ(マンツーマンが望ましい) |
チェアのパイクの流れと確かめるところ
ここでは、動きの流れを理解するための説明にとどめます。実際に行うときは、スプリングの設定と立ち位置をインストラクターに決めてもらってください。
- 構える:チェアの上に立ち、前かがみになって両手をペダルの上に置きます。手は肩幅くらいに開きます。
- ペダルを下ろす:息を吐きながら、手でペダルを押し下げます。背中は丸めすぎず、おなかを引き込みます。
- お尻を上げる:ペダルを押さえたまま、おなかを引き上げるようにして、お尻を高く持ち上げます。体はくの字に折りたたまれます。
- コントロールして戻す:お尻をゆっくり下ろします。ペダルがスプリングの力ではね上がらないように、少しずつ戻します。
| 確かめるところ | 目安 |
|---|---|
| 手首 | 手のひら全体でペダルを押さえ、手首だけに体重をのせない |
| 肩 | 肩をすくめず、耳から遠ざける |
| ペダル | はね上がらない。音を立てずに上下する |
| 足 | チェアの上で足の位置がずれない |
| 呼吸 | 止めない。上げるとき・下ろすときのどちらかで吐く |
パイクに進むまでの段階と次に進む目安
上の図の4つの段階は、いきなりパイクを行わないための進め方です。段階1の床での準備は、自宅でも練習できます。
段階1:プランクで手首と肩に体重をのせる
段階1では、マットで四つばいやプランクの姿勢を保ち、手首と肩に体重をのせることに慣れます。プランクの形は、3Dアニメーションで確かめられます。
プランクの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
段階2のチェアの基本種目には、座ったままペダルを押すフットワークがあります。やり方はピラティスチェアのフットワークのやり方で解説しています。
FITPEAK編集部の「次の段階に進む目安」
本文の「必要な準備」と「確かめるところ」の表をもとに、次の段階へ進む前の確認点を整理しました。
- 手首・肩に痛みがなく、手で体重を支えられる
- 肩をすくめずに姿勢を保てる
- 前屈でひざ裏が強く突っ張らない
- チェアのペダルを、音を立てずに上下できる
- 動きの途中で呼吸が止まらない
1つでも当てはまらないときは、前の段階を続けましょう。段階3からは、インストラクターの補助がある環境で行います。
チェアのパイクのよくある間違いと、避けたほうがよい人
高さのある台の上で行うため、間違った動きは転落につながります。次の表で、起こりやすい間違いを確かめましょう。
| よくある間違い | 起こりやすいこと | 直し方 |
|---|---|---|
| 腕の力だけでペダルを押す | 肩や手首に負担が集まる | おなかを引き込み、体全体でペダルを押さえる |
| お尻を勢いで上げる | バランスをくずして転落しやすい | 上げる高さを低くし、ゆっくり動かす |
| ペダルから急に力を抜く | ペダルがはね上がり、手が離れる | 戻すときこそゆっくり。インストラクターの補助を受ける |
| ひざ裏の突っ張りをがまんする | 腰が丸まりすぎる | ひざを少し曲げてよい |
次に当てはまる人は、始める前に医師に相談してください。
- 手首・肩に痛みがある人:体重を手で支える種目です。医師に相談し、痛みがあるうちは行わないでください。
- 骨粗しょう症と言われた人:背骨を丸める運動に関する古い報告があります(Sinaki・Mikkelsen, 1984)。閉経後の骨粗しょう症の女性で、背骨を丸める運動をした群に骨折が多かったという内容です。人数の少ない研究で確かなことは言えません。骨の状態について医師に相談してから行いましょう。
- 血圧が高い人・めまいがある人:頭が下がる姿勢になるため、医師に相談してください。
- 妊娠中・産後の人:医師に相談し、行うかどうかを決めましょう。
厚生労働省のガイドでは、毎回の運動前に体調を確かめるようすすめています。運動中に関節や筋肉の強い痛み、めまいやふらつきなどがあれば、すぐに中止します(運動ガイド2023)。
チェアのレッスンを受けるときのポイント
チェアは、リフォーマーに比べて置いているスタジオが少ない器具です。パイクのような上級の種目は、グループレッスンでは扱わないこともあります。
- 体験の予約のときに、チェアを使えるかどうかを確かめる
- 手首・肩・腰の不調や、骨の状態を事前に伝える
- 上級の種目に進む前に、どんな準備の種目をするかを聞く
グループとマンツーマンのどちらが合うかは、ピラティスのグループとマンツーマンの違いで比べています。
よくある質問
ピラティスチェアのパイクは初心者でもできますか?
初めての人がいきなり行う種目ではありません。手首や肩で体重を支える準備と、チェアのスプリングに慣れる段階を経てから練習します。そのうえで、インストラクターの補助つきで行うのが一般的です。
パイクで何が鍛えられますか?
主に、おなかまわりと肩まわりを使います。お尻を持ち上げる動きでおなかまわり、ペダルを押さえる動きで肩まわりを使うためです。ただし、この種目だけで体の一部分が引きしまると言える研究はありません。
リフォーマーにもパイクはありますか?
リフォーマーにも、体をくの字に折りたたむ種目があります。使う器具によって、支える面や重さのかかり方が違います。器具ごとにインストラクターに教わりましょう。
自宅用のチェアで練習してもいいですか?
ひとりでの練習はおすすめしません。パイクは転落の危険がある種目です。補助してくれる人がいる環境で行いましょう。
まとめ
- チェアのパイクは、ペダルを押さえたままお尻を高く上げる上級の種目です
- 転落の危険があるため、自己流では行わず、インストラクターの補助を受けます
- 床でのプランクなどの準備から始め、4つの段階を順に進めます
- 手首・肩の痛み、骨粗しょう症、高血圧、妊娠中などに当てはまる人は医師に相談しましょう
体の状態に合わせて補助してもらいたい人は、マンツーマンのマシンピラティスおすすめでスタジオを比べられます。リフォーマーのしくみはリフォーマーピラティスとは?にまとめています。
出典
- Pilates Method Alliance「The History of Pilates」(2026年10月確認)
- Sinaki M, Mikkelsen BA. Postmenopausal spinal osteoporosis: flexion versus extension exercises. Arch Phys Med Rehabil. 1984(2026年10月確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月確認)
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