ジムの持ち物チェックリスト 初心者の必需品7つとあると便利な物、水分量の目安
ジムに行くときの持ち物を、必需品とあると便利な物に分けて整理した。飲み物の量の決め方は米国スポーツ医学会の指針、シューズとタオルの選び方はけがと衛生の研究を根拠に、初回のメニュー例とあわせて紹介する。
ジムの持ち物は、動きやすいウェア、屋内用のシューズ、タオル、飲み物、着替え、会員証(またはスマホ)、ロッカー用の小物の7つがあれば始められる。ベルトやストラップなどの道具は、重い重量を扱うようになってから必要に応じて足せばよい。持ち物の役割はけがと脱水を防ぎ、清潔に過ごすことにある。
ジムに必ず持っていきたい物は?
次の7つを1つのバッグにまとめておくと、忘れ物がなくなる。施設によってはタオルやシューズの貸し出しがあるため、入会時に確認しておくと荷物を減らせる。
- 1. 動きやすいウェア:汗を吸って乾きやすい素材のTシャツとハーフパンツやレギンス。ジーンズや金具の多い服は器具を傷めることがある。
- 2. 屋内用のシューズ:外履きとは別の、底が汚れていない靴。つま先が覆われたものを選ぶ。
- 3. タオル:汗拭き用とベンチに敷く用の2枚あると便利。シャワーを使うならバスタオルも。
- 4. 飲み物:水やお茶をボトルで。量の目安は後述する。
- 5. 着替え(下着を含む):汗で冷えるのを防ぐ。
- 6. 会員証・スマホ:入館に必要なもの。記録用のアプリやメモにも使える。
- 7. ロッカー用の小物:硬貨式ロッカーなら小銭、鍵を持ち歩くならリストバンド型の鍵入れなど。
出かける前の準備の手順は?
- 前日にバッグを詰める:ウェア、シューズ、タオル、着替えを入れておく。
- その日のメニューを決める:やる種目と重さをメモしておくと、ジムで迷わない。
- 食事のタイミングを確認する:空腹すぎても満腹すぎても動きにくい。考え方は筋トレ前の食事のガイドを参考にする。
- 飲み物を用意する:運動前にも少し飲んでおく。
- 体重を量る(任意):運動前後の体重差から汗の量を知ることができる。
飲み物はどれくらい持っていけばいい?
運動で体重の2%を超えて水分が失われないようにするのが目安である。米国スポーツ医学会(ACSM)の2007年の公式見解(Sawkaら、『Medicine & Science in Sports & Exercise』)は、運動中に飲む目的を「水分不足による体重減少が2%を超える過度の脱水を防ぐこと」としている。汗の量は人によって大きく違うため、運動前後の体重を量って自分の汗の量を知り、それに合わせて飲む量を決めるよう勧めている。
米国アスレティックトレーナー協会の2017年の声明(McDermottら、『Journal of Athletic Training』)も、水分が足りない状態だけでなく、飲みすぎによる低ナトリウム血症にも注意が必要だとし、汗の量に応じて「足りないが多すぎない」補給を勧めている。1時間程度の筋トレなら、500mLのボトル1本を持っていき、のどの渇きと汗の量を見ながら飲むのが現実的である。暑い季節や長時間の場合は多めに用意する。詳しくは筋トレ中の水分補給の基準の解説で紹介している。
シューズはなぜ屋内用・つま先の覆われた物がよいのか?
ジムでは重りが足に落ちるけがが少なくないからである。Kerrらの2010年の研究(『American Journal of Sports Medicine』)は、米国の救急外来を受診したウエイトトレーニング関連のけが2万5,335件を分析し、最も多い受傷のしかたが「重りが体の上に落ちる」(65.5%)だったと報告した。女性では足のけがが22.9%を占めた。サンダルや裸足では足を守れないため、つま先が覆われた靴を選ぶ。
スクワットやデッドリフトのように足で床を押す種目では、底が厚く柔らかすぎるランニングシューズよりも、底が比較的平らで安定した靴のほうが踏ん張りやすいと感じる人が多い。まずは手持ちの靴のうち、底の平らな運動靴で十分である。
タオルは何枚あればいい?
汗拭き用とベンチに敷く用の2枚が目安である。器具の表面からは皮膚の細菌が見つかっており、Markleyらの2012年の調査(『American Journal of Infection Control』)では大学のフィットネスセンターの表面99か所のうち10か所から黄色ブドウ球菌が検出された。米国疾病予防管理センター(CDC)は、タオルやかみそりなど個人の物を共有しないこと、傷を覆うこと、運動後に体を清潔にすること、肌と共有の表面の間にタオルや衣服をはさむことを勧めている。小さな切り傷がある日のために、絆創膏をバッグに入れておくと安心である。使い方のマナーはジムのマナーのガイドにまとめた。
あると便利な物は?
- トレーニングノート(記録アプリ):種目、重さ、回数を書いておくと、次回に重さを上げる判断がしやすい。
- 補食:仕事帰りなどで空腹のときに、おにぎりやバナナなど消化のよいもの。運動後の食事は筋トレ後の食事のガイドを参考に。
- トレーニングベルト:高重量のスクワットやデッドリフトを行うようになってから検討する。効果とリスクはベルトは本当に必要かの解説で紹介している。
- リフティングストラップ:握力が先に限界になる引く種目で使う。30人の測定では引く力の最大値が約22〜27%高くなったと報告されている(ストラップの効果の解説)。
- ビニール袋:汗で濡れたウェアやシューズを入れる。
- イヤホン:周りの音が聞こえる音量で使う。
仕事帰りや季節によって追加したい物は?
通う時間帯や季節によって、少しずつ持ち物を変えると快適に続けられる。
- 仕事帰り・学校帰り:昼食から時間があくなら補食を用意する。着替えを済ませる時間を短くするため、ウェアを上下まとめて袋に入れておく。
- 朝のトレーニング:起きてすぐは体が冷えて硬いため、薄手の長袖を1枚持っていき、ウォーミングアップ中に着る。
- 夏:汗の量が増えるため、飲み物を多めにし、替えのTシャツを1枚追加する。
- 冬:移動中に体が冷えないよう上着を用意し、ジムでは重ね着で体温を調整する。
- シャワーを使う場合:シャンプー類やサンダルは施設の備え付けを確認し、足りない物だけを小分けにして持つ。
持ち物をそろえたら、初回はどんなメニューから?
初回は全身をひととおり軽めに動かし、器具の使い方に慣れることを目標にする。ベルトなどの道具はまだ必要ない。
| 対象 | 種目 | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者(初回〜1か月) | レッグプレス(Leg Press) | 12〜15回 | 2 | 1〜2分 |
| 初心者 | チェストプレス(Chest Press) | 12〜15回 | 2 | 1〜2分 |
| 初心者 | ラットプルダウン(Lat Pulldown) | 12〜15回 | 2 | 1〜2分 |
| 初心者 | プランク(Plank) | 20〜30秒 | 2 | 1分 |
| 中級者(2〜3か月目〜) | スクワット(Squat) | 6〜10回 | 3 | 2〜3分 |
| 中級者 | ベンチプレス(Bench Press) | 6〜10回 | 3 | 2〜3分 |
| 中級者 | デッドリフト(Deadlift) | 5〜8回 | 2〜3 | 2〜3分 |
| 中級者 | ダンベルロウ(Dumbbell Row) | 8〜12回 | 3 | 1.5〜2分 |
中級者のメニューでベルトやストラップを使うかどうかは、フォームが安定してから判断すればよい。デッドリフトの手順はデッドリフトのやり方で紹介している。
持ち物でよくある失敗とチェックポイントは?
- 外履きのまま入る:多くのジムで禁止されている。屋内用を別に持つ。
- 飲み物を持っていかない:自販機がないジムもある。ボトルを1本用意する。
- タオルを忘れる:汗を拭けず、ベンチを汚してしまう。
- 最初から道具をそろえすぎる:ベルトやストラップは扱う重量が増えてからで遅くない。
- 濡れたウェアをバッグに入れたままにする:においや雑菌の原因になる。帰宅後すぐに洗う。
安全のために気をつけることは?
- 体調が悪い日や発熱がある日は休む。
- 関節に痛みが出たら中止し、続く場合や持病がある場合は医師に相談する。
- 運動中に胸の痛み、強い息苦しさ、めまいが出たらすぐに中止する。
- 暑い日は水分を多めに用意し、のどの渇きを感じる前から少しずつ飲む。
よくある質問
ジムにタオルは何枚持っていけばいいですか?
汗拭き用とベンチに敷く用の2枚が目安である。シャワーを使うならバスタオルも持っていく。タオルは他人と共有しない。
ジムに持っていく飲み物の量はどれくらいですか?
1時間程度の筋トレなら500mLのボトル1本が現実的な目安である。米国スポーツ医学会は、運動による水分不足で体重が2%を超えて減らないように飲むことを勧めている。暑い日や長時間の場合は多めに用意する。
ジムでは裸足やサンダルでもいいですか?
避けたほうがよい。ウエイトトレーニングのけがで最も多い受傷のしかたは重りが体の上に落ちることで、足のけがも多い。つま先が覆われた屋内用のシューズを使う。
トレーニングベルトは最初から必要ですか?
必要ない。ベルトは高重量のスクワットやデッドリフトを行うようになってから検討すればよい。まずは正しいフォームを身につけることを優先する。
ジム用のシューズはどんなものがいいですか?
底が汚れていない屋内用で、つま先が覆われ、底が比較的平らで安定した運動靴がよい。最初は手持ちの運動靴で十分である。
KINNIKU TIMESの視点
ジムの持ち物は、ウェア、屋内用シューズ、タオル、飲み物、着替え、会員証、ロッカー用の小物の7つで十分に始められる。飲み物は体重の2%を超える水分不足を防ぐ量を目安にし、シューズはつま先を守れるもの、タオルは自分専用のものを使う。ベルトやストラップは、扱う重量が増えてから必要に応じて足していけばよい。道具より大切なのは、通い続けて少しずつ重さを上げることである。体調に不安があるときは無理をせず、医師に相談してほしい。
出典:ACSM Position Stand: Exercise and fluid replacement(Sawka ら, Med Sci Sports Exerc, 2007)/NATA Position Statement: Fluid Replacement(McDermott ら, J Athl Train, 2017)/Kerr ら(Am J Sports Med, 2010)/Markley ら(Am J Infect Control, 2012)/CDC「Preventing MRSA Infections」
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