筋トレ後の食事は何を食べる?たんぱく質20〜40gと糖質、食べる時間を研究で解説
筋トレ後に何をどれだけ食べればよいか。ISSNとACSMの指針、たんぱく質の量やタイミングを調べたメタ分析をもとに、体重別のたんぱく質量、糖質の目安、食べる時間の決め方、時間帯別の食事例をまとめた。
筋トレ後の食事は、主食・主菜・副菜をそろえた普通の食事で、たんぱく質を20〜40g(体重1kgあたり約0.25〜0.4g)と、ごはんなどの糖質をしっかり含めるのが基本である。国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、運動直後から2時間以内の良質なたんぱく質が筋たんぱく質の合成を強く高めるとしている。ただし最も大切なのは1日のたんぱく質の総量で、体重1kgあたり1.4〜2.0gを毎日の食事でそろえることが土台になる。
筋トレ後は何を食べればいい?
「主食+主菜+副菜」をそろえた食事が、そのまま筋トレ後の食事になる。
- 主菜(たんぱく質):肉、魚、卵、大豆製品、乳製品から1〜2品。筋肉の材料になる。
- 主食(糖質):ごはん、パン、めん類、いも類。使ったエネルギー(筋肉のグリコーゲン)を補う。
- 副菜(野菜・海藻・きのこ):ビタミンやミネラル、食物繊維をとる。
- 汁物や飲み物:汗で失った水分を補う。
ISSNの2017年の栄養摂取タイミングの指針(Kerksickら)は、運動直後から2時間後までに良質なたんぱく質をとると筋たんぱく質の合成が強く高まるとし、日中はおよそ3時間ごとにたんぱく質を均等にとることを重視している。米国スポーツ医学会(ACSM)などの2016年の共同声明(Thomasら)も、運動後の回復には糖質とたんぱく質の両方が役立つとしている。
たんぱく質はどれくらい食べればいい?
1回の食事で体重1kgあたり約0.25〜0.4g、量にして20〜40gが目安である。ISSNの2017年のたんぱく質の指針(Jägerら)は、1回あたり体重1kgあたり0.25gまたは20〜40gを一般的な目安とし、1日の総量は運動する人の多くで体重1kgあたり1.4〜2.0gで十分としている。
| 体重 | 筋トレ後の1食(0.25〜0.4g/kg) | 1日の総量(1.4〜2.0g/kg) |
|---|---|---|
| 50kg | 約13〜20g | 約70〜100g |
| 60kg | 約15〜24g | 約84〜120g |
| 70kg | 約18〜28g | 約98〜140g |
| 80kg | 約20〜32g | 約112〜160g |
1食で多く食べすぎても無駄になる、と心配する必要は小さい。Trommelenらの2023年の研究(『Cell Reports Medicine』)では、運動後にたんぱく質を100gとったときは25gのときより、筋たんぱく質の合成が大きく、12時間を超えて長く続いた。とはいえ、1日に必要な量を1食に詰め込むより、3〜4食に分けるほうが食べやすい。
総量の上限の目安としては、Mortonらの2018年のメタ分析(49研究、1,863人、『British Journal of Sports Medicine』)が、体重1kgあたり約1.6gを超えると、筋トレによる除脂肪量の増加にそれ以上の上乗せは見られなかったと報告している。1日の量の考え方はたんぱく質の量を比べた分析の解説も参考になる。
筋トレ後に糖質は必要?
必要である。筋トレで使った筋肉のグリコーゲンを補い、次の練習の質を保つためにも、ごはんやパンなどの主食を抜かないほうがよい。
急いで回復させたい場合の目安として、ACSMなどの共同声明は、運動後の最初の4時間に1時間あたり体重1kgにつき1.0〜1.2gの糖質をとることを示している。ISSNの指針も、回復時間が4時間未満のときは、1時間あたり体重1kgにつき1.2gの糖質、または0.8gの糖質と0.2〜0.4gのたんぱく質の組み合わせを挙げている。これは1日に2回練習する場合などの目安で、1日1回の筋トレなら、ふだんの食事で主食をしっかり食べれば足りることが多い。糖質を増やせば筋肉が増えるわけではないことは炭水化物と筋肥大のメタ分析の解説で紹介している。
筋トレ後、いつまでに食べればいい?
運動後1〜2時間以内を目安にし、急ぐかどうかは運動前の食事で決める。AragonとSchoenfeldの2013年の総説は、運動前と運動後の食事を約3〜4時間以上空けないよう提案し、前の食事から3〜4時間以上たってから筋トレを始めた場合は、運動後できるだけ早くたんぱく質をとるほうがよいとしている。
Schoenfeldらの2013年のメタ分析(筋力20研究・478人、筋肥大23研究・525人)では、他の要因を調整すると、運動前後にたんぱく質をとるタイミングの効果ははっきりせず、筋肥大の効果の大きさを最もよく説明したのは1日のたんぱく質の総量だった。「30分以内」にこだわる必要がないことは運動後30分以内説を検証した記事で詳しく紹介している。運動前の食事の決め方は筋トレ前の食事のガイドを参照してほしい。
筋トレ後の食事を決める手順は?
- 体重から1食のたんぱく質量を決める:体重×0.25〜0.4g(60kgなら約15〜24g)を目安にする。
- 運動前の食事からの時間を確かめる:3〜4時間以上空いていたら、運動後なるべく早く食べる。
- 主菜を1〜2品選ぶ:肉か魚の料理に、卵、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルトなどを組み合わせる。
- 主食を加える:ごはんやパン、めん類をふだんどおりの量で食べる。
- 副菜と水分を足す:野菜の小鉢やみそ汁、水やお茶で、ビタミンと水分を補う。
- すぐに食事がとれない日は軽食でつなぐ:おにぎりと牛乳、ヨーグルトとバナナなどで、1〜2時間後の食事までつなぐ。
時間帯別の筋トレ後の食事例は?
- 朝の筋トレ後:ごはん、焼き魚、卵焼き、納豆、みそ汁。
- 昼の筋トレ後:鶏肉の定食、またはそばと親子丼の小盛りなど、主食と主菜がそろうもの。
- 夜の筋トレ後:ごはん、豚肉の生姜焼きや鮭のホイル焼き、豆腐の小鉢、野菜の副菜。寝る時刻が近い場合は、揚げ物を避けて消化のよい調理法にする。
食事と組み合わせる初心者・中級者の筋トレメニューは?
| 対象 | 種目 | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者(週2〜3回) | スクワット(Squat) | 10〜12回 | 2〜3 | 2分 |
| 初心者(週2〜3回) | ダンベルベンチプレス(Dumbbell Bench Press) | 10〜12回 | 2〜3 | 1分30秒〜2分 |
| 初心者(週2〜3回) | ラットプルダウン(Lat Pulldown) | 10〜12回 | 2〜3 | 1分30秒 |
| 中級者(週3〜4回) | デッドリフト(Deadlift) | 5〜8回 | 3〜4 | 3分 |
| 中級者(週3〜4回) | ショルダープレス(Shoulder Press) | 8〜10回 | 3 | 2分 |
| 中級者(週3〜4回) | ダンベルロウ(Dumbbell Row) | 8〜12回 | 3 | 1分30秒〜2分 |
週の回数の決め方は筋トレは毎日していいかのガイド、練習時間は筋トレは何分やるべきかのガイドで紹介している。
筋トレ後の食事でよくある間違いは?
- たんぱく質だけで主食を抜く:エネルギーが不足すると、たんぱく質がエネルギー源に回りやすい。主食も食べる。
- 1日の総量を確かめていない:運動後の1食だけ気にしても、1日の量が足りなければ効果は出にくい。
- 運動後にお酒を飲む:筋トレ後の飲酒は筋たんぱく質の合成を下げると報告されている(飲酒と筋たんぱく質合成の解説)。
- 空腹のまま寝る:夜の筋トレ後も、消化のよい食事で主食と主菜をとる。
- 揚げ物や脂っこい料理ばかり選ぶ:エネルギーが多くなりやすい。焼く、煮る、蒸す料理を中心にする。
- 減量中に食事量を極端に減らす:ISSNは、減量中の筋トレ経験者は除脂肪量を保つために体重1kgあたり2.3〜3.1gのたんぱく質が必要な場合があるとしている。
安全のための注意点は?
- 腎臓病や肝臓病がある人、食事制限を受けている人は、たんぱく質の量を増やす前に医師や管理栄養士に相談する。
- 食物アレルギーがある人は、卵、乳、大豆、魚などのたんぱく質源を選ぶ際に注意する。
- 運動後に吐き気や強いだるさが続く場合は、無理に食べず休み、続くようなら医療機関を受診する。
- 運動中や運動後に胸の痛み、強い息苦しさ、めまいが出たら、すぐに運動を中止する。
よくある質問
筋トレ後はすぐに食べないと意味がない?
すぐでなくてもよい。運動後1〜2時間以内を目安にし、運動前の食事から3〜4時間以上空いている場合は早めに食べるとよい。メタ分析では、タイミングより1日のたんぱく質の総量のほうが筋肥大と強く関係していた。
筋トレ後の食事にたんぱく質は何g必要?
1食で体重1kgあたり約0.25〜0.4g、量にして20〜40gが目安である。体重60kgなら約15〜24gになる。1日の総量は体重1kgあたり1.4〜2.0gを目安にする。
筋トレ後に炭水化物を食べると太る?
1日の摂取エネルギーが消費を上回らなければ、運動後の糖質で太るわけではない。筋トレで使ったエネルギーを補い、次の練習の質を保つためにも、主食はふだんどおり食べるとよい。
夜遅くに筋トレしたら、食べずに寝たほうがいい?
食べずに寝るより、消化のよい食事で主食と主菜をとるほうがよい。揚げ物を避け、量は控えめにして、寝るまで少し時間を空けるとよい。
コンビニで選ぶなら何がいい?
おにぎりやパンなどの主食に、ゆで卵、焼き魚、鶏肉の総菜、ヨーグルト、牛乳などのたんぱく質源を組み合わせ、サラダやみそ汁を足すと、主食・主菜・副菜がそろう。
KINNIKU TIMESの視点
筋トレ後の食事は、特別なものより「主食・主菜・副菜がそろった普通の食事」を、たんぱく質の量を意識してとることが基本である。指針は1食20〜40g、1日体重1kgあたり1.4〜2.0gを目安とし、メタ分析は運動前後のタイミング以上に1日の総量が大切だと示している。体重から1食の量を決め、運動前の食事からの時間を見て食べる時刻を決める。この2つを押さえれば、筋トレ後に何を食べるかで迷うことは少なくなる。
出典:Jäger ら, ISSN Position Stand: protein and exercise(J Int Soc Sports Nutr, 2017)/Kerksick ら, ISSN Position Stand: nutrient timing(J Int Soc Sports Nutr, 2017)/Thomas ら, ACSM Joint Position Statement(Med Sci Sports Exerc, 2016)/Trommelen ら(Cell Rep Med, 2023)/Morton ら(Br J Sports Med, 2018)/Schoenfeld ら(J Int Soc Sports Nutr, 2013)/Aragon・Schoenfeld(J Int Soc Sports Nutr, 2013)
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