プロテインは1日何gまで効く?36試験の分析でホエイは30〜35gが頭打ち
筋トレと併用するホエイプロテインの追加摂取は、1日約30〜35gで除脂肪量の上積みが頭打ちになる傾向が、36試験・1,552人のネットワークメタ分析で示された。ホエイは除脂肪量をプラセボより平均1.24kg多く増やし、7種類のたんぱく質の中で最上位だった。
筋トレと組み合わせるホエイプロテインの追加摂取は、1日およそ30〜35gで除脂肪量の上積みが頭打ちになる可能性がある。Yunxia Li氏らの研究チームが、36件のランダム化比較試験(RCT)・参加者1,552人のデータを統合したベイズ型ネットワークメタ分析を、学術誌Frontiers in Nutritionで2026年に公開した。ホエイ、牛乳、カゼイン、大豆、エンドウ豆、米、ブレンドの7種類を同じ土俵で比べた点が特徴である。
どんな研究か?36試験・1,552人を統合
研究チームは6つの論文データベースを2026年2月まで検索し、筋トレとたんぱく質サプリの併用を調べたRCTを集めた。ネットワークメタ分析は、直接比べていない種類同士も共通の比較対象(プラセボなど)を介して間接的に比較できる手法である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 研究デザイン | システマティックレビュー+ベイズ型ネットワークメタ分析 |
| 対象 | RCT 36件(89群)、参加者1,552人(18歳以上の健康な成人。過体重・肥満を含む) |
| 筋トレの条件 | 6週間以上、週2回以上の監督下トレーニング |
| たんぱく質の量 | 1日15〜75g(サプリとしての追加分) |
| 比較対象 | プラセボ(糖質など)、補給なし、他の種類のたんぱく質 |
どのプロテインが除脂肪量を増やした?
プラセボと比べた除脂肪量の増加幅は、ホエイが最も大きく、順位の指標(SUCRA)でも1位だった。
| 種類 | 除脂肪量の差(対プラセボ) | 95%信用区間 |
|---|---|---|
| ホエイ | +1.24kg | 0.61〜1.87 |
| 牛乳 | +1.18kg | 0.22〜2.14 |
| カゼイン | +0.92kg | 0.18〜1.66 |
| 米 | +0.96kg | −0.12〜2.04 |
| ブレンド | +0.62kg | −0.34〜1.58 |
| 大豆 | +0.55kg | −0.15〜1.25 |
| エンドウ豆 | +0.48kg | −0.20〜1.16 |
ただし植物性たんぱく質は試験数が少なく、エビデンスの確実性は「低」〜「非常に低」と評価された。区間がゼロをまたぐのは「効果がない」という意味ではなく、「データが足りず判断できない」という意味である。植物性でも筋肉が育つことを示した研究はビーガンと雑食の12週間比較で紹介している。
プロテインは1日何gまで効く?
用量反応の分析では、ホエイは1日15〜30gの範囲で除脂肪量の伸びが急で、30〜35gを超えると曲線が平らになった。65歳以上では頭打ちの目安が1日35〜40gと、若い世代より約5g多かった。全体では、追加量が1日10g増えるごとに除脂肪量が0.24kg増える関係もみられた。
注意したいのは、この30〜35gは食事に上乗せした「サプリの量」であり、1日の総たんぱく質量ではない点である。各試験の参加者が普段の食事でどれだけたんぱく質をとっていたかは十分に報告されておらず、著者らもこの用量推定を「探索的」と位置づけている。1日の総量の目安は、体重1kgあたり1.6gを示したメタ分析も参考になる。
筋力への効果と研究の限界
最大挙上重量(1RM)を報告した24試験では、ホエイがプラセボより平均5.8kg(95%信用区間1.9〜9.7)大きく伸びた。ただし試験間のばらつきが大きく、著者らは慎重な解釈を求めている。
- 対象試験の72%は男性のみを対象としており、女性への当てはめには限界がある
- ホエイの試験は若い経験者の男性が中心(平均34.1歳)で、カゼインや牛乳の試験は高齢・未経験者が多く、種類間の比較に偏りが生じうる
- 65歳以上の試験は9件のみで、高齢者での順位は「仮説」の段階にとどまる
- 味や食感でプラセボと見分けがつく場合があり、盲検化が不完全
よくある質問
プロテインは1日何g飲めばよい?
この分析では、筋トレ中のホエイの追加摂取は1日30〜35gで除脂肪量の伸びが頭打ちになる傾向だった。食事からの摂取量によって必要量は変わるため、まず1日の総たんぱく質量を確認したい。
ホエイと大豆プロテインはどちらが筋肉に効く?
推定値はホエイが大きかったが、大豆の試験は確実性が低く、差があると言い切れる段階ではない。
高齢者は量を増やすべき?
65歳以上では頭打ちの目安が1日35〜40gと推定されたが、根拠は9試験に限られる。
KINNIKU TIMESの視点
「多いほど効く」ではなく、ホエイの追加分は1日30〜35g前後で費用対効果が落ちるという目安は、プロテイン選びや購入量を考えるうえで実用的である。まずは食事で1日の総量を確保し、足りない分をプロテインで補うという順番が合理的だ。1回分の単価を比べたい場合はプロテイン最安ナビも活用してほしい。植物性を選んでも筋肉が育たないわけではなく、好みや体質に合わせて続けられる種類を選ぶことが結局は近道になる。