女性の運動後タンパク質合成、ロイシン0.6gでホエイ20gと同等
必須アミノ酸1.5g(ロイシン0.6g)とホエイプロテイン15g・20gで、運動後の筋タンパク質合成速度に差がないと確認された。
2025年3月発表の女性28人対象RCTで、量より配合が鍵となる可能性が示された。
運動後の筋肉づくりに必要なアミノ酸は、思われているより少ない量で足りる可能性がある。英国の研究チームが2025年3月、女性28人を対象にした無作為化二重盲検比較試験の結果を学術誌「American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism」に発表し、ロイシン0.6gを含む必須アミノ酸1.5gのみを摂取した群と、ホエイプロテイン15gまたは20gを摂取した群との間で、運動後4時間までの筋タンパク質合成速度に統計的な有意差がなかったと報告した。
どのような研究で確認されたのか
研究チームは、週2時間以上の運動習慣があり週3回以上のレジスタンストレーニングは行っていない18〜40歳の女性28人を対象に、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。参加者はレジスタンス運動の後、次の3種類のいずれかを摂取する群に割り付けられた。
| 群 | 摂取内容 | ロイシン量 |
|---|---|---|
| 必須アミノ酸群 | 必須アミノ酸1.5g | 0.6g |
| ホエイ15g群 | ホエイプロテイン15g | 1.5g |
| ホエイ20g群 | ホエイプロテイン20g | 2.0g |
摂取量が10倍以上違っても差がないとはどういうことか
安定同位体トレーサー法を用いて運動後4時間までの筋原線維タンパク質合成(MyoPS)速度を測定した結果、3群の間に統計的に有意な差は見られなかった。摂取したタンパク質・アミノ酸の総量が10倍以上異なっていたにもかかわらず、合成速度がほぼ同水準だったことになる。
男性を対象にした従来の研究との違いは
男性を対象にした過去の研究では、ロイシン量やタンパク質量を増やすほど筋タンパク質合成が高まる用量反応関係が報告されてきた。研究チームは、今回の結果は女性特有の反応を反映している可能性があるとし、性別によって必要量が異なる可能性を今後さらに検証する必要があるとしている。
KINNIKU TIMESでは、ホエイプロテインの至適摂取量に関する大規模メタ分析(ホエイプロテインの最適量は1日30〜35g、1552人・36試験の分析で判明)や、植物性・動物性プロテインの比較(植物性プロテインは動物性に劣らず 18RCT・1893人で体組成に有意差なし)も紹介している。
よくある質問
この結果は、プロテインをたくさん摂る必要がないという意味か
この試験は運動後1回あたりの筋タンパク質合成速度を4時間追跡したものであり、1日の総タンパク質摂取量や長期的な筋肥大効果を否定するものではない。運動後という限られた場面での比較である点に注意が必要である。
男性にも同じことが言えるのか
今回の対象者は女性28人のみであり、男性への外挿はできない。研究チームも性差の検証が必要と述べている。
KINNIKU TIMESの視点
この結果は「プロテインを摂らなくていい」という意味ではなく、運動後のワンショットで見た場合、必須アミノ酸の配合次第では少量でも一定の効果が得られる可能性を示すものである。ただし対象は女性28人による単一の試験にとどまり、1日を通じたタンパク質の総摂取量が筋肉量に影響することは、これまでの多くの研究で確認されている。日々の食事やプロテインの摂取量を大きく減らす根拠にはならない点には注意したい。
出典:日本スポーツ栄養協会(SNDJ)公式情報サイト(2025年5月14日)/PubMed(論文情報)/掲載誌:American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism 2025年328巻3号E420-E434ページ
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