高齢者の筋トレ、たんぱく質は植物性でも動物性と差なし 27人の10日間試験
50〜70歳の27人を対象にした10日間の試験で、レジスタンストレーニングによる筋タンパク質合成の高まり方に、動物性主体の食事と植物性主体の食事で統計的な差は見られなかった。
英学術誌「The American Journal of Clinical Nutrition」に2025年4月25日付で掲載された研究で、著者らは「たんぱく質の摂取源の違いは筋タンパク質合成に影響しなかった」と結論づけている。
高齢期の筋トレでは、たんぱく質を動物性中心でとっても植物性中心でとっても、筋肉をつくる反応に差はなかった。英バーミンガム大学のマリー・コルゼパ氏らが50〜70歳の27人を対象に行った10日間の試験で確認され、2025年4月に「The American Journal of Clinical Nutrition」に発表された。
どんな試験が行われたのか
対象は50〜70歳の男女27人。性別で層化したうえで、動物性主体食群(AW-D、14人)と植物性主体食群(PP-D、13人)にランダムに割り振られた。2日ごとに、1RM(最大挙上重量)の約75%の負荷で片側の脚だけを使うレッグエクステンションを 8セット×10〜12回行い、もう一方の脚は運動なしの対照とした。期間は10日間である。
| 食事群 | 人数 | 内容 |
|---|---|---|
| 動物性主体食(AW-D) | 14人 | 動物性たんぱく質中心の食事 |
| 植物性主体食(PP-D) | 13人 | 植物性たんぱく質中心の食事 |
結果は数字でどう出たのか
筋原線維タンパク質合成率(iMyoPS、%/日)は次の通り。
| 食事群 | 運動した脚 | 運動しなかった脚 |
|---|---|---|
| 動物性主体食 | 1.44±0.26 | 1.29±0.27 |
| 植物性主体食 | 1.50±0.17 | 1.34±0.21 |
運動した脚での合成率の上昇はP<0.001で確認された一方、動物性主体食と植物性主体食の2群の間には統計的な差はP>0.05で見られなかった。
なぜ差がつかなかったのか
論文は、混合食の中で摂取することで、必須アミノ酸の利用可能性の差が縮小した可能性を指摘している。あくまでも観察された関連であり、10日間、27人という規模の試験である点には留意が必要である。もう一つの筋トレ関連のガイドラインとしては、米ACSMが筋トレ指針を17年ぶりに改定した記事もある。
よくある質問
植物性たんぱく質だけで筋トレの効果は動物性と同じか
今回の試験では、混合食の中で植物性主体の食事をとった場合、動物性主体の食事と統計的な差のない筋タンパク質合成が確認された。
対象は誰か
50〜70歳の男女27人である。若い世代や大豆のみなど単一の植物性食品を使った試験ではない。
これは因果関係を証明したのか
ランダム化比較試験であり、レジスタンストレーニングが筋タンパク質合成を高めることは明確に示された。ただし、たんぱく質源の影響については試験期間や規模が限られており、今後の追試が必要である。
KINNIKU TIMESの視点
今回の結果は、高齢期に入っても食事の好みや制約に応じてたんぱく質源を選べることを支持するものである。一方で、対象が27人と小規模であることを踏まえ、一つの研究だけで断定せず、今後の同様の試験も合わせて見ていくのが好ましい。
出典:PMC(The American Journal of Clinical Nutrition、122巻1号、2025年4月25日、CC BY)/PubMed(PMID: 40288581)
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