クレアチン、5gと3gで効く部位に違い 50代以上16週間試験で判明
50歳以上の運動習慣がない成人を対象にした16週間のランダム化比較試験で、クレアチン1日5gは骨格筋量、3gは上半身の筋力に、それぞれ有意な改善効果が確認された。
学術誌「Advanced Exercise and Health Science」に掲載された研究結果を解説する。
クレアチンを1日5g摂取したグループでは骨格筋量、3g摂取したグループでは上半身の筋力に、それぞれ有意な改善が見られた。米国・カナダの研究チームが、50歳以上の運動習慣がない健康な成人35人を対象に、レジスタンスバンド(ゴムチューブ)を使ったトレーニングとクレアチン摂取を16週間組み合わせた二重盲検ランダム化比較試験(RCT)を実施し、学術誌「Advanced Exercise and Health Science」(2026年3月号、オンライン公開2026年2月5日)に結果を発表した。
どんな試験が行われたのか
研究チームはFlavia Rusterholz氏、Darren G. Candow氏らのグループ。50歳以上で運動習慣のない健康な成人35人を、1日あたりクレアチン5gを摂取する群(11人)、3gを摂取する群(12人)、有効成分を含まないプラセボを摂取する群(12人)の3グループに無作為に分け、いずれも週2回・16週間のレジスタンスバンドトレーニングを行った。対象者にも実施者にもどのグループかを伏せる二重盲検デザインで行われている。
5gと3g、それぞれ何に効果が出たのか
論文で統計的に意味のある差(有意差)が報告されたのは、次の3点である。
| 指標 | 効果が見られたグループ | 数値 |
|---|---|---|
| 骨格筋指数 | クレアチン5g群 | 有意に増加(p<0.001、相対変化率3.56±1.88%) |
| 下肢の除脂肪体重 | クレアチン5g群 | 有意に増加(p<0.05) |
| 胸部プレス(ベンチプレス系種目)の筋力 | クレアチン3g群(プラセボ群との比較) | 有意に増加(p=0.013) |
論文の結論部分では「5gのクレアチンは骨格筋指数と下肢の除脂肪体重を、3gのクレアチンは上半身の筋力と皮下脂肪を改善した」とまとめられている。摂取量によって、体に現れる変化の出方が異なる可能性を示した結果だ。
なぜ量によって効果の出方が違うのか
この試験だけでは、量による効果の違いが生じるメカニズムまでは明らかになっていない。対象者が35人(各群11〜12人)と小規模であることに加え、今回のトレーニングは一般的なダンベルやマシンを使ったウエイトトレーニングではなく、ゴムバンドを使った運動である点にも注意が必要だ。ふだんジムでウエイトトレーニングをしている人に、そのまま当てはまるとは限らない。
50代以降のクレアチン摂取、どう考えればいいか
今回の試験は、これまで運動習慣がなかった50歳以上の成人を対象にしたものである。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」にクレアチンそのものの摂取基準は定められていないが、市販されているクレアチンサプリメントの多くは1日3〜5g程度を目安量としており、今回の試験の摂取量とも近い。持病がある人や薬を服用中の人は、自己判断でサプリメントを追加する前に医師に相談することが望ましい。
関連記事:「運動しなくてもクレアチン10gで除脂肪量アップ、45〜65歳64人のRCT」も参照。各社のクレアチン価格を比較したい場合は、筋トレ最安ナビのクレアチン価格比較ページで確認できる。価格は変動するため、購入前に最新の表示価格を確認してほしい。
よくある質問
クレアチンは50代以降でも効果があるのか
今回のRCTでは、運動習慣のなかった50歳以上の成人でも、16週間のレジスタンスバンドトレーニングとクレアチン摂取の組み合わせで、骨格筋指数や下肢除脂肪体重、上半身筋力のいずれかに有意な改善が確認された。
5gと3g、どちらを選べばよいのか
今回の論文の範囲では、5gは骨格筋量、3gは上半身の筋力という異なる指標で効果が確認されており、どちらか一方が明確に優れているとは言えない。対象者が少ない試験のため、今後のさらなる研究の積み重ねが必要である。
KINNIKU TIMESの視点
クレアチンの効果を語るとき「量が多いほど良い」と単純化されがちだが、今回の試験は摂取量によって現れる変化の種類が異なりうることを示した点で興味深い。ただし対象者は35人、しかもトレーニング内容もバンドを使った軽めの負荷であり、一般的なジムでのウエイトトレーニングにそのまま当てはめるのは早計だ。体重1kgあたり0.03〜0.05g程度を目安に、体調を見ながら継続することが現実的だろう。
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