「レストポーズ法」とは何か 12週間で筋力74.9%増、通常法を上回ると判明
セットの途中で10〜30秒だけ休んで追い込む「レストポーズ法」は、12週間のトレーニングで筋力・筋肥大ともに通常のセット法を上回ったと、イランの研究チームが2023年に学術誌『Stresses』で報告した。
上半身の筋力は平均74.9%向上し、通常法の63.5%を上回ったという。
セットの途中で10〜30秒だけ休んで追い込む「レストポーズ法」は、通常のセット法より筋力・筋肥大ともに伸びが大きかったと、イラン・ギーラーン大学の研究チームが2023年2月、学術誌『Stresses』に発表した。対象は筋トレ経験6〜12ヶ月の20〜30歳男性29人で、12週間・週3回のトレーニングで両手法を比較している。
「レストポーズ法」とは何か
レストポーズ法(Rest-Pause Training)とは、1セットの途中であえて短い休憩を挟み、同じ重量で追加のレップをこなす手法である。通常なら「限界」で終わるセットを、10〜30秒ほど休んで再開することで、総レップ数と総負荷量(ボリューム)を増やせる点が特徴とされる。ボディビルダーの間では以前から実践されてきた手法だが、今回の研究はその効果を12週間の介入試験で検証した点が目新しい。
研究の内容 対象者とプロトコル
対象はレジスタンストレーニング歴6〜12ヶ月の20〜30歳の男性29人で、レストポーズ群(RP)・従来法群(TRT)・コントロール群の3グループに分けられた。負荷と休憩時間は4週ごとに段階的に強度を上げる設計になっている。
| 期間 | RP群(レストポーズ法) | TRT群(従来法) |
|---|---|---|
| 1〜3週目 | 70%1RMで限界まで、30秒休憩後にミニセット追加 | 3セット×10レップ(70%1RM) |
| 4〜6週目 | 75%1RM、休憩25秒 | 3セット×8レップ(75%1RM) |
| 7〜9週目 | 80%1RM、休憩20秒 | 同様に強度を漸増 |
| 10〜12週目 | 85%1RM、休憩15秒 | 同様に強度を漸増 |
セット間の休憩はRP群・TRT群とも2分、種目間は3分とそろえられ、休憩時間と強度以外の条件はできるだけ揃えた設計になっている。
結果 筋力・筋肥大・体脂肪・ホルモン
12週間後、ベンチプレスなど上半身種目とレッグプレスなど下半身種目の1RM(最大挙上重量)は両群とも向上したが、伸び幅はRP群が上回った。
| 指標 | RP群 | TRT群 |
|---|---|---|
| 上半身の筋力(1RM) | +74.90% | +63.54% |
| 下半身の筋力(1RM) | +63.79% | +51.19% |
| 大腿の筋横断面積 | +32.86% | +17.72% |
| 上腕の筋横断面積 | +33.80% | +19.36% |
さらに体脂肪率はRP群で有意に低下し(p=0.005)、筋肥大に関わるホルモンであるIGF-1、および筋肥大を抑制するミオスタチンに対するフォリスタチンの比率(FLST/MSTN)も、RP群がTRT群より有意に高まった(p<0.001、p=0.02)としている。
なぜ効果が上回ったのか
研究チームは、短い休憩を挟むことで限界に近い高強度の刺激を繰り返せる点が、総負荷量の増加とホルモン応答の違いにつながった可能性を指摘している。ただしこれは健康な若年男性29人・12週間という条件での1件の研究結果であり、年齢層や性別、トレーニング歴が異なる場合に同じ結果が再現されるかは今後の検証が必要である。筋肥大の仕組み全般については筋肥大の3つの仕組みを解説した記事も参考にしたい。
実践する際の注意点
限界近くまで追い込むセットが続くため、フォームが崩れやすく関節への負担も大きくなりやすい。高重量種目では必ずセーフティバーやスポッターを使い、基礎的な種目のフォームを習得したうえで取り入れるのが望ましい。似た高強度テクニックであるドロップセット法やクラスターセット法と同様、毎回のトレーニングで多用するのではなく、通常のセット法と組み合わせて取り入れる使い方が実践的とされる。持病や関節の痛みがある場合は、医師や専門家に相談してから行うことが推奨される。
よくある質問
レストポーズ法は初心者でも取り入れられますか。
高強度で技術的な負担も大きいため、まずは基本種目のフォームを習得してから取り入れるのが望ましいとされている。
毎回のトレーニングで使うべきですか。
今回の研究は12週間の期間限定プログラムであり、長期的に使い続けた場合の効果や関節への負担は検証されていない。通常法と併用する使い方が現実的である。
女性や高齢者にも同じ効果がありますか。
今回の対象は20〜30歳の男性29人に限られ、女性や高齢者を対象にした結果ではないため、そのまま当てはめることはできない。
KINNIKU TIMESの視点
レストポーズ法は、同じ時間でより多くの刺激を筋肉に与えたい人にとって検討の価値がある手法だが、今回の結果はあくまで1件の研究によるものである。筋トレの効果には個人差が大きいことも知られており(筋トレの効果の個人差を扱った記事も参照)、まずはベンチプレスやスクワットなど主要な種目の最後の1セットだけに取り入れ、体調やフォームの変化を見ながら頻度を調整するのが無理のない始め方といえる。
出典:Karimifard M, Arazi H, Mehrabani J. "Twelve Weeks Rest-Pause and Traditional Resistance Training: Effects on Myokines and Performance Adaptations among Recreationally Trained Men." Stresses 2023, 3(1), 302-315(MDPI)/DOI: 10.3390/stresses3010022
NEW 持ち運びクレアチン
でっかい容器、もう持ち歩かなくていい。
クレアチン3,000mg+電解質4種を、ポケットに入る1本に。計量もシェイカーもいりません。先行案内は公式LINEでお届けします。
公式LINEで先行案内を受け取る
コメント
この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。




