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【増量期の外食】カロリー余剰の目安と、上乗せで見るべき数字

公開 ・ 筋メシナビ編集部 ・ 読了目安 11分
やよい軒のお肉2倍の定食。増量期に外食でたんぱく質とカロリーを上乗せする例
SUMMARY|この記事の要約
増量期のカロリー余剰は、ある総説で10〜20%程度が目安とされる一方、最適な量は分かっていません。外食で足すときは、ごはん大盛は炭水化物、肉の追加はたんぱく質と脂質が一緒に増えます。足したkcalあたりで比べる見方を公式データで示します。

増量期は、消費するカロリーより多く食べる時期です。ただ、どれだけ多くすればよいのかは、研究でも決着していません。

この記事では、論文の要旨で確認できた範囲を整理します。そのうえで、外食でごはんやおかずを足したとき、栄養がどう増えるかを公式データで見ます。

10〜20%は初心者〜中級者のナチュラルのボディビルダー向けの推奨で、外食の上乗せはたんぱく質で比べます。

  • 最適な余剰は確かめられていない、と別の総説は述べています
  • 競技者39人・8〜12週の1本の試験では、余剰が多い群で脂肪が増え、除脂肪量の差は出ませんでした
  • ごはんだけが増える大盛は炭水化物が中心で、牛丼系の大盛は肉も増えます
  • この記事の提案として、上乗せは増えたkcalあたりのたんぱく質で比べます

全メニューのたんぱく質とkcalを調べる

気になるメニューを選ぶと、公式の栄養成分をそのまま確認できます。

外食のたんぱく質源の例、やよい軒の国産ポークカットステーキ定食
画像:やよい軒公式サイト 商品ページより。この記事では、この定食を基準に上乗せを比べます。

増量期の余剰カロリーは、論文ではどう書かれているか

まず確認したのは、2019年に発表された2本のレビュー論文です。どちらも、条件をそろえた比較試験ではなく、複数の研究を読み解いた総説です。

Irakiらの総説は、ナチュラルのボディビルダーのオフシーズンを扱っています。初心者から中級者には、約10〜20%のカロリー余剰を勧めています。

あわせて、体重の増え方は週に体重の約0.25〜0.5%が目標とされています。上級者は、余剰も増え方も控えめにするよう書かれています。

一方、Slaterらの総説は、筋肥大に必要な余剰の量は分かっていないと述べています。レジスタンストレーニングをする人で「ちょうどよい余剰」を確かめた研究はない、という立場です。

つまり10〜20%は、ひとつの総説の推奨です。誰にでも当てはまる決まりではありません。

1日の維持量 10%の余剰 20%の余剰
2,000kcal +200kcal +400kcal
2,500kcal +250kcal +500kcal
3,000kcal +300kcal +600kcal
※維持量は計算例の仮の数字です。自分の維持量は、PFC計算ページなどで目安を出せます。

体重70kgの人なら、週0.25〜0.5%は約0.18〜0.35kgです。月に直すと、約0.8〜1.5kgです。

余剰の250kcalは、外食の感覚ではごはん大盛1回の2倍弱です。

余剰を多くすると、増えるのは筋肉か脂肪か

余剰を増やした介入の例として、Garthe らの2013年の無作為化試験があります。対象は、エリート競技者39人です。

平均年齢は約19歳で、8〜12週の増量期に、週4回の筋力トレーニングを加えました。食事の計画で余剰をつくった助言あり群(21人)と、自由に食べる群(18人)を比べています。

項目 助言あり群 自由摂取群
摂取エネルギー 3,585kcal 2,964kcal
体重の増加 3.9% 1.5%
脂肪量の増加 15% 3%
除脂肪量の増加 群間差なし 群間差なし
※いずれも論文要旨の平均値。除脂肪量は、要旨に「群間で差がなかった」とあります。

助言あり群は、平均で約620kcal多く食べていました。体重は多く増えましたが、増えた分は脂肪量が目立ちました。

筋力の指標である1RMは、両群とも6〜12%向上しました。著者らは、増量中の余剰は慎重に考えるべきだと結論しています。

この結果を、一般の人にそのまま当てはめることはできません。対象は競技者で、期間も約2〜3か月(8〜12週)の試験です。それでも、余剰を増やせば筋肉が比例して増えるわけではない、という点は押さえておけます。

やよい軒の国産ポークカットステーキとエビフライの定食(和風ソース)
画像:やよい軒公式サイト 商品ページより。基準の定食にエビフライが付いた品です。

外食の上乗せで、たんぱく質と脂質はどう増えるか

ここからは、同じ定食・丼にごはんやおかずを足したときの変化を、公式の栄養成分で見ます。足した分の差を取った値です。

比べたのは、やよい軒、ほっともっと、松屋、すき家の標準的なメニューです。2026年10月に確認した公式値で、価格は店舗により異なります。

上乗せの内容 増えたkcal たんぱく質 脂質
やよい軒 ごはん大盛 +138kcal +2.5g +0.3g
ほっともっと 大盛 +146kcal +2.4g +0.2g
松屋 牛めし大盛 +241kcal +5.6g +6.6g
松屋 あたま大盛 +73kcal +3.1g +6.3g
すき家 牛丼大盛 +213kcal +6.7g +7.3g
すき家 ねぎ玉牛丼 +108kcal +7.6g +6.4g
やよい軒 エビフライ付き +205kcal +5.5g +15.4g
やよい軒 お肉2倍 +268kcal +27.8g +14.0g
※やよい軒の大盛は、もち麦ごはん普通盛から大盛。ほっともっとは得天丼の並盛から大盛、松屋は牛めし並盛から、すき家は牛丼並盛から。やよい軒の2品は、国産ポークカットステーキ定食(和風ソース・白米)が基準で、お肉2倍は和風ソースとねぎ塩だれの組み合わせ。松屋の値はみそ汁を含みます。8行の抜粋で、全メニューではありません。

ごはんの大盛は、増えたkcalのほとんどが炭水化物でした。やよい軒では炭水化物が約32g、ほっともっとでは約35g増えています。

その代わり、たんぱく質は2〜3g、脂質は1g未満しか増えません。たんぱく質を増やす目的には、大盛だけでは足りません。

松屋のあたま大盛は、ごはんの量をほぼ変えず、肉だけを足す注文です。73kcalで、たんぱく質は3.1g、脂質は6.3g増えました。

肉を足すと、たんぱく質と脂質は一緒に増えます。足した量のうち、脂質の割合が大きい点が弱みです。

上乗せは、増えたkcalあたりのたんぱく質で比べる

上乗せの質を比べるには、足したkcal100あたりに増えるたんぱく質と脂質を見ます。上の8行から計算しました。

上乗せの内容 たんぱく質 脂質
ほっともっと 大盛 1.6g 0.1g
やよい軒 ごはん大盛 1.8g 0.2g
松屋 牛めし大盛 2.3g 2.7g
やよい軒 エビフライ付き 2.7g 7.5g
すき家 牛丼大盛 3.1g 3.4g
松屋 あたま大盛 4.2g 8.6g
すき家 ねぎ玉牛丼 7.0g 5.9g
やよい軒 お肉2倍 10.4g 5.2g
※足したkcal100あたりに増えるg。たんぱく質が増える割合の低い順に並べています。

やよい軒のエビフライ付きは、205kcal増えても、たんぱく質は5.5gでした。増えた脂質は15.4gで、たんぱく質の約3倍です。

脂質が多い分、同じkcalを足してもたんぱく質は少なくなります。余剰のkcalを何で足すかは、この表の数字で見比べられます。

お肉2倍は、この表の中ではたんぱく質の増え方が大きい上乗せでした。ただし脂質も14.0g増え、価格も大きく上がります。

やよい軒の価格は、基準の定食が1,230円、エビフライ付きが1,500円、お肉2倍が1,890円です。店内・税込で、店舗により異なります。

やよい軒のお肉2倍 国産ポークカットステーキ定食
画像:やよい軒公式サイト 商品ページより。肉を2倍にした定食です。

炭水化物を軽く見てよいわけではありません。Irakiらの総説は、炭水化物を体重1kgあたり3〜5g以上とるよう書いています。

トレーニングのエネルギーを支える量です。ごはんだけが増える大盛は、この目的には合っています。目的別に、足すものを使い分けるという考え方になります。

  • たんぱく質を増やしたい日は、肉や卵など、たんぱく質を足せる上乗せを選びます
  • トレーニング前後は、ごはんだけが増える大盛でエネルギーを足します
  • エビフライ付きのように、脂質が大きく増える足し方もあります

1食あたりのたんぱく質の目安量は、同じ総説で体重1kgあたり0.40〜0.55gとされています。

体重70kgなら28〜38.5gです。1回に吸収できる量の上限をめぐる議論は、別の記事で扱っています。

すき家のねぎ玉牛丼
画像:すき家公式サイト 商品ページより。牛丼にねぎと卵が加わった品です。

よくある質問

余剰は10〜20%にすれば間違いないのですか。

いいえ。10〜20%は、Irakiらの総説の推奨です。Slaterらの総説は、最適な余剰は分かっていないと述べています。体重の変化を見ながら調整する前提で使ってください。

外食で食べると、増量は難しくなりますか。

公式の栄養成分表があるチェーンなら、足した分のkcalとたんぱく質を確認できます。数字を見て選べば、家庭の食事と同じように調整できます。

ごはんを大盛にするのは避けたほうがよいですか。

避ける必要はありません。やよい軒のもち麦大盛や、ほっともっとの得天丼大盛は、増えるのがほぼごはんだけです。牛丼系の大盛は肉も増えるため、たんぱく質も脂質も増えます。

体重を増やすときに気をつけることはありますか。

持病のある人、妊娠中の人、腎臓の病気でたんぱく質の制限がある人は、食事を変える前に医師に相談してください。体重管理の方法も、医師や管理栄養士に確認するのが安全です。

まとめ

増量期の余剰は、10〜20%という推奨(初心者〜中級者のナチュラルのボディビルダー向け)がある一方で、最適な量は分かっていません。エリート競技者39人・8〜12週の1本の試験では、余剰が多い助言あり群で脂肪が増え、除脂肪量の群間差は出ませんでした。自由摂取群も体重は増えています。

外食の上乗せは、ごはんだけが増える大盛は炭水化物が中心で、肉の追加はたんぱく質と脂質が一緒に増えます。エビフライ付きは、たんぱく質の増え方が小さく(+5.5g)、脂質が大きく増えました(+15.4g)。この記事の提案は、足したkcal100あたりのたんぱく質で比べることです。

メニューを選んでkcalの増え方を確かめる

定食・丼の公式値を見比べて、足すものを決めるときに使えます。

出典

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