【たんぱく質の配分】朝昼晩で均等に分ける意味と外食ランチの補い方
たんぱく質の摂取は、夕食に偏りやすいことが知られています(Mamerow論文の指摘)。この記事では、朝昼晩の配分で筋肉への効果が変わるのかを、論文と学会の見解で確認しました。
あわせて、外食ランチでたんぱく質が足りないときの補い方を、公式の栄養成分表で示します。数字は2026年10月に確認したものです。
配分の効果は研究で結論が割れており、分ける価値は「あるかもしれない」程度です。
- 短期の筋たんぱく質合成は、均等の方が高い研究と差がない研究があります
- 12週の試験は検出力不足の小規模で、筋肉量の差は有意に至りませんでした
- ISSN(学会)の見解は、1食20〜40gを3〜4時間おきに均等にです
- 足りない日に、コンビニの鶏むね肉で昼を補う案が現実的です
外食メニューを、たんぱく質の多い順に並べ替えられます。
朝昼晩の配分で、筋たんぱく質合成は変わるのか
まず、配分を直接比べた介入研究を2本見ます。結論は同じ方向になりませんでした。
均等の方が合成が高かった研究
Mamerowら(2014年、Journal of Nutrition)は、健康な成人8人で7日間の食事を比べました。平均年齢は36.9歳です。
総量はほぼ同じで、配分だけを変えています。均等食は朝昼晩で約30gずつ、偏った食事は夕食に63.4gを集めました。
24時間の筋たんぱく質合成率は、均等食で約25%高いと報告されています。ただし人数は8人で、筋肉量は測っていません。
差が出なかった研究
Justesenら(2022年、Nutrients)は、65〜80歳の健康な24人を2群に分けました。総量は体重ではなく除脂肪体重1kgあたり1.5gで同じです。
夕食に60%を寄せた群と、朝昼晩で30%ずつ(間食は5%ずつ)の群を比べました。筋たんぱく質合成率に差はありませんでした(p=0.647)。
この試験は3日間の測定で、小規模です。対象は高齢者なので、若い人にそのまま当てはまるとは言えません。
資金源にも触れます。Mamerowらは牛肉業界の一部支援を受け、著者2名が全米牛肉協会の講演報酬を得ています。
Justesenらの研究には、豚肉業界の企業(Danish Crown Ingredients)の資金が入っています。
| 研究 | 対象と期間 | 結果 |
|---|---|---|
| Mamerow 2014 | 成人8人・7日 | 均等が約25%高い |
| Justesen 2022 | 高齢者24人・3日 | 差なし |
| Yasuda 2020 | 若い男性26人・12週 | 筋肉量の差は有意でない |
筋肉量の差は出るのか、長期の試験と学会の見解
短期の合成が高くても、筋肉量が増えるとは限りません。長期のデータを見ます。
Yasudaら(2020年、Journal of Nutrition)は、若い健康な男性26人を12週間追いました。週3回のレジスタンストレーニングを行っています。
総たんぱく質は体重1kgあたり約1.30gで、2群で同じです。
除脂肪量は両群で増えました。朝食を厚くした群は2.5kg、夕食に寄せた群は1.8kgの増加です。
差はp=0.06で、統計的な有意差には至りませんでした。
著者は検出力不足の小規模試験だと述べています。効果量は大きい(d=0.795)としています。
この試験は、Meiji社からたんぱく質サプリの提供を受けています。
論文の題名は「3食均等」を支持する形です。ただし有意でないため、差があるとも、ないとも断定できません。
ISSNの見解は均等を勧める
国際スポーツ栄養学会(ISSN)の2017年のポジションスタンドは、専門家の見解です。公的機関の基準ではありません。
対象は、健康で運動している人です。1食の目安を示しています。体重1kgあたり0.25g、または20〜40gです。
配分については、3〜4時間おきに均等に分けるのが理想、という立場です。直接比べた試験は割れているため、これは専門家の見解として読むのが妥当です。
1回の上限説は、強く言い切れない
Areteら(2013年)は、鍛えた男性24人で運動後の飲み方を比べました。掲載誌はJournal of Physiologyです。
1群は8人です。12時間のあいだに乳清たんぱく質80gを、3通りの間隔で飲んでいます。
20gを3時間おきに飲む群は、ほかの2群より筋原線維たんぱく質合成が31〜48%高いと報告されています。
ほかの2群は、10gを1.5時間おきと、40gを6時間おきです。
これは摂取パターンの比較で、1回の上限説を直接調べた試験ではありません。
一方、Trommelenら(2023年)は、運動後の100gが25gより大きな反応を示したと報告しました。掲載誌はCell Reports Medicineです。
その反応は12時間以上、続いたとされています。
対象は、健康で運動習慣のある若い男性36人で、運動後の条件です。
著者自身も、ほかの集団に当てはまるかは不明だと記しています。
1回の量の上限は、条件によって見え方が変わります。ただし、この条件の外まで一般化はできません。次の記事も参考になります。
なお、腎臓の病気がある人、妊娠中の人、持病のある人は、たんぱく質の量を変える前に医師に相談してください。
外食ランチで、たんぱく質が足りなくなる場面
ここからは、昼食が軽くなりやすい外食の例を、公式の栄養成分表で見ます。1食の目安は、先ほどの20〜40gの中間の30gとしました。
体重60kgで1日1.6g/kgなら、1日の量は96gです。3食に分けると、1食は32gになります(計算例)。
表の30gは、ISSNの20〜40gの中間に置いた目安で、32gとは別の基準です。
| 昼の例 | たんぱく質 | 30gまで |
|---|---|---|
| チーズバーガー | 15.9g | あと14.1g |
| 牛丼 ミニ | 14.8g | あと15.2g |
| 牛丼 並盛 | 21.7g | あと8.3g |
| ビッグマック | 26.1g | あと3.9g |
| ポークステーキ定食 | 38.4g | 十分 |
バーガー1個や牛丼のミニだと、1食の目安に届きません。ビッグマックなら、単品でほぼ届きます。
ただし、量が多い品には代償があります。ビッグマックは脂質28.0g、牛丼の並盛は脂質23.4gです。数字は公式の1食当たりの値です。
定食は主菜しだいで大きく変わる
やよい軒の定食で比べると、同じ白米でも主菜で差が出ます。しまほっけ定食は50.7gで、サバの塩焼定食は32.9gです。
しまほっけ定食は、脂質が21.3g、塩分が4.2gです。ポークステーキ定食は、脂質15.6g、塩分5.7gでした。
やよい軒の数字は東京都の表示で、定食のごはんはおかわり自由ですが、おかわり分は含まれません。価格や取り扱いは店舗により異なります。
昼の不足は、コンビニで鶏むね肉を足して補う
昼がバーガー1個や牛丼のミニなら、足りない分は午後の間食で補う方法があります。コンビニの鶏むね肉は、公式データで量が確認できます。
| 補う品 | たんぱく質 | 脂質 |
|---|---|---|
| セブン サラダチキン スモーク | 26.0g | 1.3g |
| ローソン サラダチキン プレーン | 30.3g | 2.1g |
チーズバーガーにサラダチキン スモークを足すと、合計は41.9gです。
牛丼のミニに足した場合は、合計が40.8gです。夜に回さず、昼から午後に分ける形になります。
弱みもあります。サラダチキンは、塩分の公式値がセブンで1.9g、ローソンで0.9gです。ほかに、鶏むね肉に飽きる人もいるはずです。味や食感の評価は、公式データにはありません。
なお、総量が足りているなら、昼に無理に足さなくても、研究上は大きな差が出ない可能性があります。足りない日に補う、という使い方が現実的です。
よくある質問
夜にまとめて食べると、筋肉にマイナスですか
短期の合成率で不利という研究と、差がない研究があります。12週の試験は検出力不足の小規模で、有意な差には至りませんでした。差がないという意味ではありません。マイナスと言い切る根拠は、今のところ強くありません。
朝のたんぱく質が少ないのは、問題ですか
Mamerowらの研究では、30gの朝食は10gの朝食より合成が約30%高いと報告されています。これは朝食1回に対する急性の反応で、筋肉量や長期の結果ではありません。ただし、対象は8人の成人です。気になる人は、朝にヨーグルトや卵を足す案があります。
1日の総量と配分は、どちらが大事ですか
確認した研究では、総量が同じで配分を変えた比較です。総量の目安は、1.6g/kgの記事で扱っています。まず総量をそろえ、そのうえで配分を整える順番が妥当です。
外食だけで均等にするのは難しいですか
チェーンによっては、標準の1食で30gに届く品があります。ただし脂質や塩分が増える品もあるため、公式データで確認する方法が確実です。
病気がある場合も同じですか
ここで紹介した研究は、健康な成人が対象です。腎臓の病気、妊娠中、持病のある人は、医師や管理栄養士に相談してください。
まとめ
配分の効果は、短期の合成率では割れています。12週の筋肉量は、検出力不足の試験で有意に至っていません。ISSNの見解は、1食20〜40gの均等です。
外食で昼が軽いときは、昼に足りない分をコンビニの鶏むね肉で補う案があります。チェーンごとの量は、公式データの一覧で確認できます。
足りない量を埋める組み合わせを、全メニューの一覧から探せます。
出典
- Mamerow MM ら (2014) J Nutr 144(6):876-880
- Justesen TEH ら (2022) Nutrients 14(21):4442
- Yasuda J ら (2020) J Nutr 150(7):1845-1851
- Areta JL ら (2013) J Physiol 591(9):2319-2331
- Trommelen J ら (2023) Cell Rep Med 4(12):101324
- Jäger R ら (2017) ISSN Position Stand: protein and exercise
- マクドナルド公式サイト チーズバーガー(2026年10月確認)
- マクドナルド公式サイト ビッグマック(2026年10月確認)
- すき家公式サイト 牛丼(2026年10月確認)
- やよい軒公式サイト メニュー一覧(2026年10月確認)
- セブン-イレブン公式サイト サラダチキン スモーク(2026年10月確認)
- ローソン公式サイト サラダチキン プレーン(2026年10月確認)
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