【植物性と動物性】たんぱく質で筋力の伸びは変わる?外食の大豆ミート
植物性と動物性のたんぱく質で、筋力や筋肉量の伸びが変わるかは、トレーニーが気になる点です。この記事では、メタ分析と介入試験の要約を開いて確認しました。
あわせて、外食で大豆ミートや豆腐を選ぶときの数字を、公式の栄養成分表から並べます。数字は2026年10月に確認したものです。
大豆を使った長期試験では、動物性との比較で、筋力の伸びに有意差が出ていません。除脂肪量も有意差はありませんが、差がない証明ではありません。
- ソイと動物性を比べた9試験・266人(うちホエイとの比較は5試験)で、有意差はありませんでした
- 単回の摂取では、植物性は筋たんぱく質合成が低いという議論があります
- 外食では、大豆ミートの定食は豚の定食より脂質が低い品があります
- ただし、たんぱく質量は品によって減るので、数字を見て選ぶ必要があります
大豆ミートの定食も、公式の栄養値で並べて確認できます。
植物性と動物性で、筋力と筋肉量の伸びに差は出たか
長期の介入試験をまとめた研究から見ます。まず、ソイと動物性を比べたメタ分析です。
ソイと動物性のメタ分析(Messina 2018)
Messinaら(2018年)は、6週間以上のレジスタンストレーニング試験を集めました。掲載誌はInt J Sport Nutr Exerc Metabです。
条件に合ったのは9試験で、参加者は計266人です。うち5試験がホエイとソイの比較です。残る4試験は、ソイと牛肉・牛乳・乳たんぱくなどの比較でした。
ベンチプレスとスクワットの筋力は、どの比較でも群間に有意差がありませんでした。除脂肪量の変化にも、有意差はありません(p=0.80〜0.96)。
ただし、ホエイ対ソイの5試験では、どちらの群も除脂肪量が有意に増えていません。増えていない比較での「差なし」なので、筋力より感度は弱い結果です。
この研究は、サプリメントを足した試験の集まりです。外食の定食と同じ条件とは限りません。対象者の属性は、アブストラクトからは分かりません。資金源も、今回は確認できていません。
ビーガンと雑食を比べた12週の試験(Hevia-Larraín 2021)
Hevia-Larraínら(2021年、Sports Medicine)は、若い男性38人で比べました。ビーガン19人と雑食19人で、年齢は26歳前後です。
週2回、12週のトレーニングを行いました。1日のたんぱく質は、どちらも体重1kgあたり1.6gにそろえています。足りない分は、ビーガン群が大豆、雑食群がホエイで補いました。
脚の除脂肪量は、どちらも約1.2kg増えました。脚の筋力(レッグプレス1RM)も増え、群間に有意差はありませんでした(p>0.05)。
数値上は雑食群の1RMの伸びが大きく見えます。差は約20kgで、ばらつきが大きく、有意差には至っていません。
人数は各群19人で小規模です。「差がない」ことの証明ではなく、有意差が検出されなかった、という結果です。
対象は、トレーニング経験のない若い男性です。経験者や女性、高齢者にそのまま当てはめることはできません。
| 項目 | Messina | Hevia |
|---|---|---|
| 種類 | メタ分析 | 介入試験 |
| 人数 | 266人 | 38人 |
| 期間 | 6週間以上 | 12週間 |
| 結果 | 有意差なし | 有意差なし |
それでも「差がある」と言われる理由は、消化性・アミノ酸組成・ロイシン
一方で、植物性は不利という議論も、論文に残っています。van Vlietら(2015年、J Nutr)のレビューが代表例です。
単回の摂取で見られた差
このレビューは、大豆や小麦のたんぱく質を食べた後の筋たんぱく質合成が、いくつかの動物性より低い報告をまとめています。
理由として挙がるのは、消化のされやすさの違いです。ほかに、植物性では必須アミノ酸の一部が少ないこと、ロイシンが少ないことが挙げられています。
ただし、このレビュー自体が「植物性たんぱく質の合成反応を測った研究は少ない」と述べています。調べられているのは主に大豆と小麦です。
差を埋める方法も、同じレビューで挙がっている
レビューは、植物性の補い方も挙げています。量を増やす、複数の植物性を組み合わせる、アミノ酸を添加する、などです。
ただし、これらが筋たんぱく質合成にどれだけ効くかは、その時点では未検証と書かれています。
ふたつの結果は矛盾しない
単回の合成反応で差があることと、数週間のトレーニングで筋力や筋肉量に差が出ることは、別の話です。
上の2本は条件が違います。Messinaはサプリメントを足した試験で、Hevia-Larraínは総量を1.6g/kgにそろえた試験です。
どちらも、ロイシン量を操作した試験ではありません。「植物性は不利」という仮説を、長期の筋力と筋肉量で否定しきった結果ではありません。
なお、公式の栄養成分表には、アミノ酸組成やロイシン量は載っていません。外食の大豆ミートで、その差を数字で比べることはできません。
腎臓の病気がある方や妊娠中の方は、たんぱく質の量を自己判断で増やさず、医師に相談してください。
やよい軒の大豆ミート定食は、たんぱく質と脂質がどう違うか
ここからは外食の数字です。やよい軒の公式データから、大豆ミートの定食と、通常の定食を並べました。
基準は、ごはんが白米の標準盛り1杯で、1食分です。ごはんはおかわり自由で、おかわり分は含みません。味噌汁などの汁物は、公式データに含まれているか分かりません。
| メニュー | たんぱく質 | 脂質 | 塩分 |
|---|---|---|---|
| 大豆ミート野菜炒め | 21.8g | 9.5g | 4.7g |
| 大豆ミートしょうが焼 | 21.5g | 25.2g | 5.4g |
| 肉野菜炒め | 26.4g | 18.6g | 5.0g |
| 豚のしょうが焼 | 26.2g | 37.1g | 5.0g |
| 大豆ミートなす味噌焼魚 | 30.7g | 38.7g | 5.6g |
| なす味噌と焼魚 | 30.3g | 44.8g | 5.1g |
しょうが焼の同士で見ると、脂質が大きく下がる
大豆ミートのしょうが焼は、豚のしょうが焼より、たんぱく質が4.7g少なく、脂質が11.9g少ない数字です。
塩分は大豆ミートの方が0.4g多くなっています。脂質を抑えたい日には候補になりますが、塩分は下がりません。
野菜炒めは脂質が低く、たんぱく質は20g台前半
大豆ミートの野菜炒め定食は、この表の中で脂質が最も低く、9.5gです。たんぱく質は21.8gで、塩分は4.7gでした。
肉野菜炒め定食と比べると、たんぱく質は4.6g少なく、脂質は9.1g少ない数字です。塩分は0.3g低くなっています。
1食で30gに届かせたい場合は、単品で足すか、別の食事で補う必要があります。この目安は、1回の量の話で、1日の目標は別です。1日の考え方は、体重1kgあたり1.6gのメタ分析の記事に書きました。
焼魚の定食は、大豆ミート版の方が脂質が低い
なす味噌と焼魚の定食は、通常版と大豆ミート版でたんぱく質がほぼ同じです。脂質は大豆ミート版が6.1g低くなっています。
公式データには、なす味噌の具の違いが書かれていません。数字の差は、これ以上の説明ができません。
価格は、東京都の表示で、店内飲食の税込です。野菜炒めが960円、しょうが焼が860円で、地域や店舗で異なります。
コンビニの豆腐・サラダチキン・魚を、たんぱく質・脂質・塩分で並べる
コンビニでは、豆腐系と、鶏・魚を選び、公式の栄養値を表にしました。
ローソンは、公式に「1包装(110g)当たり」と書かれています。セブンとファミマは、基準の記載がありません。内容量も商品ごとに違うので、厳密に同じ条件の比較ではありません。
| 商品 | たんぱく質 | 脂質 | 塩分 |
|---|---|---|---|
| ローソンサラダチキン | 30.3g | 2.1g | 0.9g |
| セブンサラダチキン | 26.0g | 1.3g | 1.9g |
| セブン豆腐ハンバーグ※ | 26.1g | 13.1g | 3.6g |
| セブンさばの塩焼 | 17.1g | 25.7g | 1.4g |
| ローソンさばの塩焼 | 16.4g | 22.0g | 1.4g |
| ファミマ豆腐スティック | 11.6g | — | — |
この表の中では、たんぱく質はローソンのサラダチキンが最多
この表の6品の中で、たんぱく質が最も多いのは、ローソンのサラダチキン(プレーン)の30.3gです。塩分は0.9gで、この表では最も低くなっています。脂質は2.1gで、セブンのスモーク(1.3g)の方が低い数字です。
豆腐ハンバーグは、たんぱく質が26.1gあり、脂質は13.1g、塩分は3.6gでした。鶏と比べると、脂質と塩分は高い数字です。
公式データには、豆腐ハンバーグの原材料が入っていません。肉が入っているかは判断できません。この表では、植物性かどうか分からない参考値として載せています。
魚は脂質が高め、豆腐スティックは量が少ない
さばの塩焼は、たんぱく質が16〜17g台で、脂質は20g台です。塩分は両社とも1.4gです。
ファミマの豆腐スティックは、たんぱく質が11.6gです。単品で足す形になり、主菜の代わりにするには量が少なめです。
ファミマは、公式の栄養成分欄がない品が多く、脂質と塩分が確認できません。表の「—」は、データがないという意味です。
よくある質問
植物性だけで筋トレの結果を出せますか?
Hevia-Larraínらの12週の試験では、ビーガンの男性19人も、雑食群と同様に筋力と筋肉量が増えました。ただし、対象は未経験の若い男性です。
この試験は、たんぱく質を1.6g/kgにそろえ、大豆のサプリメントで補っています。外食だけで同じにできるかは、別の話です。
大豆ミートは、たんぱく質が少ないのですか?
やよい軒では、大豆ミートのしょうが焼は21.5gで、豚のしょうが焼の26.2gより少なくなっています。差は品によって違うので、数字を確認するのが確実です。
豆腐やサラダチキンは、毎食食べてもいいですか?
この記事は、特定の食べ方を勧めるものではありません。持病がある方や、たんぱく質制限を指示されている方は、医師や管理栄養士に相談してください。
アミノ酸やロイシンは、外食で意識すべきですか?
単回の合成反応の議論はありますが、たんぱく質量をそろえた長期試験(ロイシン量は操作していない)では、有意差が出ていません。外食の公式データにアミノ酸の量はなく、まず総量を確認するのが現実的です。
結論をひとことで言うと?
大豆を使った長期試験では、動物性との比較で有意差が出ていません。ただし、研究数や対象には限りがあり、差がない証明ではありません。
まとめ
植物性と動物性の差は、単回の合成反応では議論があり、大豆を使った長期試験の筋力・筋肉量では、有意差が出ていません。外食では、品ごとの数字を見て選ぶのが確実です。
やよい軒の大豆ミート定食は、脂質が低い品があり、たんぱく質量は品ごとに違います。コンビニでは、豆腐系と鶏・魚を、数字で並べて決めてください。
気になる品のたんぱく質・脂質・塩分を、全チェーンの公式値で確認できます。
出典
- Messina M ほか(2018)Int J Sport Nutr Exerc Metab 28:674-685 ソイ対動物性たんぱく質のメタ分析
- Hevia-Larraín V ほか(2021)Sports Med ビーガンと雑食の12週レジスタンストレーニング試験
- van Vliet S ほか(2015)J Nutr 植物性・動物性たんぱく質への筋の同化反応のレビュー
- やよい軒公式サイト 大豆ミートの定食・しょうが焼定食・なす味噌と焼魚の定食(2026年10月確認)
- セブン-イレブン公式サイト 豆腐ハンバーグ 和風粗おろしソース(2026年10月確認)
- セブン-イレブン公式サイト 7プレミアム サラダチキン スモーク(2026年10月確認)
- セブン-イレブン公式サイト 7プレミアム さばの塩焼(2026年10月確認)
- ローソン公式サイト サラダチキン プレーン(2026年10月確認)
- ローソン公式サイト さばの塩焼(2026年10月確認)
- ファミリーマート公式サイト 豆腐スティック きんぴらごぼう(2026年10月確認)
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