筋メシナビ  › 記事

【減量中のたんぱく質】研究と外食600kcal台の公式データで確認

公開 ・ 筋メシナビ編集部 ・ 読了目安 14分
すき家のまぐろユッケ丼。減量中のたんぱく質と外食の選び方
SUMMARY|この記事の要約
エネルギーを減らす期間にたんぱく質を多めにとると、除脂肪量が保たれやすいという報告があります。ただし差は小さく(24試験のメタ分析で0.43kg)、短期の試験が中心です。すき家の並盛600kcal台13品では、たんぱく質は12.8〜35.1gと開きました。

減量中は、たんぱく質を多めにとったほうがよいのでしょうか。この記事では、メタ分析・レビュー・ランダム化試験・学会の公式見解を読み、外食での選び方につなげます。

外食の数字は、すき家とほっともっとの公式栄養成分表を、2026年10月に集計したものです。価格は店舗や地域で異なります。

エネルギーを減らす期間は、たんぱく質を多めにすると除脂肪量が保たれやすいという報告があります。

  • 24試験のメタ分析では、除脂肪量の減少が0.43kg小さくなりました。差は小さめです
  • 研究で示された目安は、体重あたり1.6〜2.4g、除脂肪量あたり2.3〜3.1gなどです
  • 対象は短期の試験が中心で、鍛えた若い男性や体脂肪の少ない筋トレ経験者が多いです
  • すき家の並盛(朝食を除く)の600kcal台13品で、たんぱく質は12.8〜35.1gでした

たんぱく質の多い外食メニューを探す

チェーン別・メニュー別に、公式の栄養成分を並べ替えて確認できます(2026年10月確認)。

すき家のまぐろユッケ丼(並盛)。外食でたんぱく質が多い丼の例
画像:すき家公式サイト 商品ページより。この記事の600kcal台の中で、たんぱく質が最も多かった丼です。

エネルギー不足のとき、高たんぱく食で除脂肪量は保たれやすいか

結論から言うと、「保たれやすい」と読める研究が複数あります。ただし、差は小さく、対象や期間は限られています。

まず、ランダム化試験をまとめたメタ分析です。Wycherleyらは2012年に、24試験・1,063人を分析しました。

  • 対象は、エネルギーを制限した成人です
  • 高たんぱく食と標準たんぱく食を、同じエネルギー・同じ脂質量で比べています
  • 食事期間の平均は約12週でした

この分析では、高たんぱく食のほうが体脂肪の減少が0.87kg大きくなりました。除脂肪量の減少は0.43kg小さく、差は小さいものの有意でした。

著者らの結論は「modest(ささやかな)効果」です。大きな差ではない点は、そのまま受け取る必要があります。

除脂肪量の差の信頼区間は0.09〜0.78kgで、下限はほぼ0に近い値です。炭水化物の量も群で違うため、たんぱく質だけの効果とは言い切れません。

短期の介入試験でも、同じ方向の結果が出ています

Longlandらの2016年の試験は、若い男性40人を20人ずつに分けました。約40%のエネルギー不足の食事を4週間とり、週6日は筋トレと高強度インターバルをしています。

たんぱく質は、体重1kgあたり1.2gの群と2.4gの群です。

  • 除脂肪量は、2.4g群が1.2kg増、1.2g群が0.1kg増でした
  • 体脂肪は、2.4g群が4.8kg減、1.2g群が3.5kg減でした

ただし、4週間の短期で、高強度の運動を伴う試験です。

Pasiakosらの2013年の試験は、成人39人を3群に分けました。たんぱく質は体重1kgあたり0.8g・1.6g・2.4gです。

10日間の体重維持のあと、21日間・約40%のエネルギー不足にしています。著者らは、基準量(0.8g/kg)を超える摂取が短期の減量で除脂肪量を守る可能性があると結論しました。

研究 人数 期間
Wycherley 2012 1,063人 平均約12週
Pasiakos 2013 39人 31日間
Longland 2016 40人 4週間
※いずれも、エネルギーを制限した条件での介入研究(ランダム化試験・そのメタ分析)です。出典は記事の最後にまとめています。

3つとも、観察研究ではなく介入研究です。それでも、短期の試験が中心で、長期の減量や高齢者に当てはまるかは、これらの研究だけでは分かりません。

研究で示された目安には幅がある。1.4〜3.1g/kgの違いの理由

「何gか」は、資料によって単位も数字も違います。対象と条件が違うためで、どれかが誤りというわけではありません。

  • ISSN(国際スポーツ栄養学会)2017年(体重あたり表記): 運動する人の多くは、1.4〜2.0g/kg/日で足ります
  • 同じ見解(体重あたり表記): 筋トレ中の減量期は、2.3〜3.1g/kg/日(Helmsの除脂肪量あたりの値に基づく)
  • Hector&Phillips 2018のレビュー(エリート選手向け): 減量中は1.6〜2.4g/kg/日です

数字の幅が広いのは、条件で必要量が変わるからです。Hectorらの推奨は、エリートアスリート向けです。範囲のどちら寄りかは、エネルギー不足の大きさと練習の種類で決まるとしています。

Helmsらの2.3〜3.1gは、除脂肪量あたりの数字です

Helmsらの2014年のレビューは、6つの研究・13群を対象にしました。対象は、筋トレ歴が6か月を超え、体脂肪が少ない成人です。

体脂肪は全群で減りましたが、除脂肪量は13群のうち9群で減りました。その結論が「除脂肪量1kgあたり2.3〜3.1g」で、体重あたりではありません。ISSNは同じ数字を、g/kg/日の表記で引用しています。

この数字は、体脂肪が少ない筋トレ経験者向けです。体脂肪が多い人や、トレーニング歴の浅い人には、そのまま当てはめにくい点に注意してください。

目安を体重70kgの人で計算すると、次のようになります。体重あたりの数字だけを並べています。

資料 体重1kgあたり 70kgなら
ISSN 運動する人 1.4〜2.0g 98〜140g
Hector エリート選手の減量 1.6〜2.4g 112〜168g
※1日の合計量の計算例です。体組成や活動量で個人差があります。

1日3食に等分すると、112gなら1食あたり約37gです。この記事の表の品は、どれも1食37gには届きません。

1日の量の決め方は、PFC計算ツールや1.6g/kgのメタ分析の解説も参考になります。

腎臓の病気がある人、妊娠中の人、医師に食事を指導されている人は、主治医に相談してください。自己判断で増やすのは避けましょう。

同じ600kcal台でも、外食のたんぱく質は2.7倍違う

減量中は、エネルギーの枠が小さくなります。同じ枠の中で、たんぱく質の多い品を選べるかが外食の分かれ目です。

まず、すき家の標準サイズ(並盛)で比べます。条件は次のとおりです。

  • 並盛で、エネルギーが600〜700kcalの丼・カレー・定食です
  • 名前に「朝食」がつく朝食メニューは除いています
  • 該当は13品で、下の表は全件です
  • 期間限定かどうかは、公式データでは確認できません
品名 kcal たんぱく質 脂質
まぐろユッケ丼 688 35.1g 16.4g
オクラ旨だしそぼろ丼 689 31.8g 14.5g
旨だしとりそぼろ丼 673 30.6g 14.4g
山かけまぐろたたき丼 629 29.0g 9.6g
おんたまローストポーク丼 657 25.4g 16.7g
納豆定食 622 24.7g 13.5g
さば定食 688 24.4g 23.0g
うな丼 662 22.8g 18.7g
牛丼 695 21.7g 23.4g
にんにくローストポーク丼 616 20.5g 11.5g
山かけローストポーク丼 626 20.0g 11.1g
ほうれん草カレー 663 14.4g 15.7g
カレー 653 12.8g 15.7g
※たんぱく質の多い順です。「オクラ旨だしそぼろ丼」の正式名は「オクラ旨だしとりそぼろ丼」です。紅生姜・ドレッシングなどの調味料は含まれません。

この13品の中で、たんぱく質が最も多いのはまぐろユッケ丼の35.1gです。最も少ないのはカレーの12.8gで、差は22.3g、約2.7倍です。

エネルギーは、どの品も616〜695kcalに収まっています。つまり、同じエネルギーの枠でも、選び方で大きな差が出ます。

すき家の旨だしとりそぼろ丼(並盛)
画像:すき家公式サイト 商品ページより。13品の中で、たんぱく質が3番目に多い丼です。

100kcalあたりのたんぱく質でも、最大はまぐろユッケ丼の5.1g、最小はカレーの2.0gでした。

牛丼は695kcalでたんぱく質21.7gです。100kcalあたりでは3.1gで、13品の中では下位に近い値です。

すき家の牛丼(並盛)
画像:すき家公式サイト 商品ページより。牛丼は、この13品の中では脂質が最も多い品です。

ほっともっとの並盛弁当でも、同じ傾向でした

次に、ほっともっとです。ごはん並盛で、エネルギーが600〜700kcalの弁当・丼を集計しました。

公式データで期間限定とされた品は除いています。該当は9品で、下の表は全件です。

品名 kcal たんぱく質 脂質
4コ入りから揚弁当 658 29.5g 19.4g
親子丼 616 29.4g 18.9g
しょうが焼き得弁ランチ 686 23.9g 26.5g
牛焼肉得弁ランチ 696 21.9g 26.4g
のり弁当 687 20.1g 21.3g
牛焼肉弁当 663 17.9g 26.0g
海鮮天丼 688 16.8g 23.9g
おろし得天丼 674 16.0g 22.2g
得天丼 656 15.2g 22.1g
※たんぱく質の多い順です。価格は東京都の税込(持ち帰り8%)で、地域により異なります。

この9品では、4コ入りから揚弁当が29.5g、親子丼が29.4gで、ほぼ同じです。最も少ない得天丼は15.2gでした。

親子丼は616kcalで、9品の中でエネルギーが最も低い品です。たんぱく質は29.4gと多く、100kcalあたり4.8gで、9品の中では最大でした。

ほっともっとの親子丼(ごはん並盛)
画像:ほっともっと公式サイト 商品ページより。たんぱく質が多く、炭水化物が少なめの丼です。

高たんぱく質の品を選ぶときの弱点。炭水化物・塩分・価格

たんぱく質が多い品でも、ほかの数字に注意が必要な場合があります。公式データで確認できた点を挙げます。

  • すき家13品の炭水化物は、約97〜117gの範囲です(並盛のみ)
  • すき家の塩分は、1.5〜3.8gの範囲です。旨だしとりそぼろ丼系は3.4gです
  • すき家の価格は、460〜990円の範囲です。まぐろユッケ丼は820円でした
  • ほっともっとの親子丼のように、塩分が4.3gと9品で最も多い品もあります

この表は並盛のみです。ごはん少なめなど、ごはんの量を変えられる品は含めていません。

脂質は品によって大きく違います。すき家では、山かけまぐろたたき丼が9.6gと最も少なく、牛丼は23.4gで最も多い品です。

山かけまぐろたたき丼は、たんぱく質29.0gで脂質が9.6gと最少です。ただし、価格は850円で、13品の中では高い側です。

なお、公式データには、味や満腹感についての情報はありません。そのため、この記事では栄養成分と価格だけで比べています。

ほっともっとのおろし得天丼(ごはん並盛)
画像:ほっともっと公式サイト 商品ページより。天丼系は、この9品の中でたんぱく質が少ない側でした。

よくある質問

減量中は、必ずたんぱく質を増やすべきですか。

研究では、エネルギー不足の期間に多めにとると、除脂肪量が保たれやすいという報告があります。ただし、Wycherleyらのメタ分析も「modest(ささやか)」と結論しています。

体質や運動量で必要量は変わります。迷う場合は、たんぱく質量の診断で、自分の目安を確認してください。

目安が資料ごとに違うのはなぜですか。

対象と基準が違うためです。体重あたりか除脂肪量あたりか、一般の運動習慣者か、エリート選手や体脂肪の少ない筋トレ経験者かで、数字が変わります。

外食だけで、必要なたんぱく質をとれますか。

この条件の並盛では、最大35.1gでした。盛りが大きい品には、上回るものもあります(例:すき家の牛皿定食2倍盛は45.8g、1,116kcal)。1日の合計で考えるのが現実的です。

この研究は、女性や高齢者にも当てはまりますか。

この記事で読んだ研究だけでは、判断できません。Longlandらの試験は若い男性が対象で、Helmsらのレビューは体脂肪の少ない筋トレ経験者が対象です。

数字は、どの店舗でも同じですか。

栄養成分は公式の一覧表の値で、標準的な調理を前提にしています。価格は店舗や地域、店内飲食か持ち帰りかで異なります。

まとめ

エネルギーを減らす期間は、たんぱく質を多めにすると除脂肪量が保たれやすいという報告があります。ただし、差は小さく(除脂肪量で0.43kg)、短期の試験が中心です。必要量も、対象と条件で変わります。

外食では、同じ600kcal台でも、品によってたんぱく質が2.7倍違います。メニューの数字を見て、おかずで選ぶのが現実的です。

全メニューから高たんぱくの品を選ぶ

エネルギーの枠に合わせて、たんぱく質の多い品を探せます。

出典

あわせて読む

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。