筋メシナビ  › 記事

【脂質エネルギー比】目標量は20〜30%。外食13品で計算

公開 ・ 筋メシナビ編集部 ・ 読了目安 12分
外食の脂質エネルギー比を計算した、すき家のまぐろユッケ丼。栄養学の目安
SUMMARY|この記事の要約
厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)では、成人の脂質の目標量は総エネルギーの20〜30%、飽和脂肪酸は7%以下です。約700kcalの外食から抜粋した13品では、20〜30%は3品でした(同条件31品中は10品)。

脂質は1日のエネルギーのうち何%が目安なのか、外食の1食に当てはめると何%になるのかを整理しました。国の基準と、アスリート向けの国際学会の見解を、実際に開いて確認しています。

外食の数字は、2026年10月に確認した各社の公式栄養成分表の値です。価格は店舗により異なるため扱いません。

成人の1日の脂質の目標量は、総エネルギーの20〜30%です。

  • 脂質エネルギー比は、脂質gに9をかけ、kcalで割って求めます
  • 飽和脂肪酸の目標量は、18歳以上で7%エネルギー以下です
  • 抜粋した外食13品で、20〜30%は3品です(同条件31品中は10品)
  • 30%超は8品(境目の1品を含む)で、うち2品は45%超でした

全メニューの栄養成分を調べる

チェーンとメニューを選ぶと、公式のたんぱく質・脂質・炭水化物をそのまま確認できます。

脂質エネルギー比の計算に使う、すき家の牛丼並盛
画像:すき家公式サイト 商品ページより。牛丼の並盛は、この記事の計算例に使います。

国の目標量は、脂質が総エネルギーの20〜30%

日本人の食事摂取基準(2025年版)は、厚生労働省が公表している栄養摂取の指針です。脂質は、総エネルギー摂取量に占める割合(%エネルギー)で目標量が示されています。

策定ポイントの資料では、18〜29歳から75歳以上までの男女で、脂質は20〜30%です。範囲は「おおむねの値」で、弾力的に運用するとされています。

項目 成人の目標量
脂質 20〜30%エネルギー
飽和脂肪酸 7%エネルギー以下
炭水化物 50〜65%エネルギー
※18歳以上の男女の値です。15〜17歳の飽和脂肪酸は9%以下です。

下限と上限は、何を根拠に決まっているか

同じ資料によると、下限は必須脂肪酸の目安量を下回らないように設定されています。上限は、飽和脂肪酸の目標量の上限を考慮して設定されています。

つまり、脂質は少なければ少ないほどよいわけではありません。上限側は、飽和脂肪酸の摂りすぎを避ける意味合いが大きいと説明されています。

飽和脂肪酸の目標量は、成人で7%エネルギー以下

資料は、飽和脂肪酸を高LDLコレステロール血症の主な要因の一つとしています。循環器疾患や肥満のリスク要因でもあると書かれています。

成人の目標量は、研究から定めることが難しいため、日本人の摂取量の中央値を基に設定されたとあります。公式の外食データには飽和脂肪酸の値がないため、この記事の表では扱えません。

すき家のまぐろユッケ丼並盛
画像:すき家公式サイト 商品ページより。脂質エネルギー比が20〜30%に収まった品の一つです。

脂質エネルギー比の計算式と、1日2000kcalでのグラム換算

脂質は1gあたり9kcalです。この数字を使うと、1食の脂質エネルギー比は次の式で求められます。

脂質エネルギー比(%)=脂質(g)×9÷その食事のkcal×100

すき家の牛丼の並盛で試します。脂質は23.4gなので、脂質由来は210.6kcalです。公式のエネルギーは695kcalなので、比率は30.3%になります。

目標量をグラムにすると、1日でどれくらいか

1日の総エネルギーを2000kcalと仮定して計算します。人によって必要なエネルギーは違うため、あくまで例です。

割合 脂質のグラム
20%(下限) 約44g
30%(上限) 約67g
飽和脂肪酸7% 約16g以下
※2000kcal×割合÷9で計算し、小数点以下を四捨五入しています。

公式のkcalと、3栄養素の計算値はずれることがある

たんぱく質・炭水化物に4、脂質に9をかけて足すと、エネルギーの計算値が出ます。この値は、公式に表示されたkcalと一致しないことがあります。

この記事の比率は、公式のkcalを分母にしています。3栄養素からの計算値を分母にした場合も確認し、結論が変わる品を後で示します。

約700kcalの外食13品で、脂質エネルギー比を計算した

やよい軒・すき家・ほっともっと・吉野家の公式データを使います。標準サイズで約680〜720kcalの丼・定食・弁当から13品を選びました。

全メニューの一覧ではなく、抜粋した13品の結果で、全体の割合ではありません。

同条件(標準サイズ・主食系・680〜720kcal・期間限定を除く)の公式メニューは31品あります。そのうち20〜30%は10品でした。

標準サイズは、丼が並盛、やよい軒の定食が白米、親子丼が普通盛です。公式表示上は期間限定の表記がない品に絞っています。

20%を下回る品と、20〜30%に収まる品(5品)

メニュー kcal 脂質 比率
やよい軒 地鶏親子丼 683 13.8g 18.2%
すき家 とりそぼろ丼 689 14.5g 18.9%
すき家 まぐろユッケ丼 688 16.4g 21.5%
すき家 ビーフカレー 703 20.1g 25.7%
ほっともっと のり弁当 687 21.3g 27.9%
※すき家のとりそぼろ丼は「オクラ旨だしとりそぼろ丼」、地鶏親子丼は「地鶏親子丼~阿波尾鶏~」です。

20〜30%に収まったのは、まぐろユッケ丼、ビーフカレー、のり弁当の3品です。親子丼と、とりそぼろ丼は20%を下回りました。

20%を下回ることは、下限の考え方からすると、必ずしも理想ではありません。1食の判断ではなく、1日の合計で見るのが前提です。

ほっともっとののり弁当
画像:ほっともっと公式サイト 商品ページより。のり弁当の並盛は、脂質エネルギー比が27.9%でした。

30%を超える品(8品、境目の1品を含む)

メニュー kcal 脂質 比率
すき家 牛丼 695 23.4g 30.3%
すき家 さば定食 688 23.0g 30.1%
ほっともっと 海鮮天丼 688 23.9g 31.3%
吉野家 牛焼肉丼 707 25.7g 32.7%
吉野家 牛カルビ丼 696 26.2g 33.9%
ほっともっと 生姜焼弁当 705 27.9g 35.6%
やよい軒 サバ塩焼定食 686 35.1g 46.0%
やよい軒 しょうが焼定食 717 37.1g 46.6%
※ほっともっとの生姜焼弁当は「しょうが焼き弁当 ごはん並盛」です。

この13品の中で比率が最も高かったのは、やよい軒のしょうが焼定食の46.6%です。同じやよい軒でも、地鶏親子丼は18.2%でした。

ほぼ同じ700kcal前後でも、脂質の割合は2倍以上ちがいます。カロリーだけで選ぶと、この差は見えません。

やよい軒のしょうが焼定食
画像:やよい軒公式サイト 商品ページより。しょうが焼定食は、13品の中で脂質エネルギー比が最も高い品でした。

30%の境目の品は、計算の分母で結論が変わる

牛丼とさば定食は、30%をわずかに超えただけです。3栄養素からの計算値を分母にすると、結果が少し動きます。

メニュー 公式 計算 比率
すき家 牛丼 695 697 30.2%
すき家 さば定食 688 693 29.9%
ほっともっと 海鮮天丼 688 697 30.9%
やよい軒 しょうが焼定食 717 730 45.7%
※「公式」は公式表示のkcal、「計算」は4×たんぱく質+9×脂質+4×炭水化物のkcalです。比率は計算値が分母です。

さば定食は、計算値を分母にすると29.9%になり、30%以内に入ります。公式kcalとの差は、この表では最大で13kcalでした。

30%前後の品は「超えた」と断定せず、境目と考えるのが公平です。公式データには、ずれの理由は書かれていません。

データの基準がそろわない点

  • すき家は、検査機関の分析値と食品成分表に基づく算出値です
  • 吉野家は、公式が「配合に基づいた推定値」と書いています
  • やよい軒は、おかわり自由のごはんの追加分を含みません
  • ほっともっとは、表示どおりの1食あたりの値です

調味料は各社とも含まれていない場合があります。しょうゆやドレッシングを足すと、数字は変わります。

アスリートの脂質は、国際スポーツ栄養学会ではどう書かれているか

国際スポーツ栄養学会(ISSN)が2018年に出した総説では、アスリートの脂質の目安が書かれています。論文は、スポーツ栄養の研究を整理したレビューで、個々の研究ではありません。

この総説の記述は競技者向けで、一般の筋トレ愛好者にそのまま当てはまるとは限りません。

  • アスリートの脂質は、一般の推奨と同程度かやや多めとされています
  • アスリートの目安は、1日のエネルギーのおよそ30%です
  • 高いトレーニング量の期間は、50%までなら安全に摂れるとされます
  • 体脂肪を減らしたい場合は、体重1kgあたり0.5〜1gが勧められています

減量時の0.5〜1g/kgは、1日の脂質が総エネルギーの20%程度になる場合がある量と書かれています。体重70kgの人なら、計算上は35〜70gです。

この総説は、減量に成功した人は脂質の少ない食事が多いという研究を根拠の一つにしています。ただし、そうでない研究もあると、同じ文章で断っています。

脂質を減らす食事と減らさない食事で、体組成に差はあるか

ISSNは2017年に、食事の種類と体組成についての見解も出しています。Aragon氏らの文書で、低脂質から低糖質・ケトジェニックまで、幅広い方法が同じように有効になりうると結論しています。

根拠はこうですが、例外もあります。その点で、脂質比率だけを減らせばよいとは限らない、という意味に読めます。長く続けられることが重要だとも、同じ文書の結論に含まれています。

吉野家の牛カルビ丼
画像:吉野家公式サイト 栄養成分・アレルギー物質一覧より。牛カルビ丼の並盛は、脂質エネルギー比が33.9%でした。

外食の1食は、残りの食事とセットで考える

食事摂取基準の目標量は総エネルギー摂取量での割合で、この記事の1食の計算は目安として当てはめたものです。脂質が多い1食を選んだ日は、ほかの食事で脂質を控えめにする、という調整ができます。

比率が低い品ほどたんぱく質が多い、とは限りません。20〜30%に収まった3品でも、ビーフカレーは16.0g、のり弁当は20.1g、まぐろユッケ丼は35.1gでした。

すき家のオクラ旨だしとりそぼろ丼
画像:すき家公式サイト 商品ページより。とりそぼろ丼の並盛は、脂質エネルギー比が18.9%でした。

病気がある人や妊娠中の人は、医師に相談する

脂質異常症などで治療中の人は、一般の目標量と違う量を指示されることがあります。妊娠中・授乳中の人や、腎臓の病気がある人も、自己判断せず医師や管理栄養士に確認してください。

よくある質問

脂質は少ないほどよいのですか

食事摂取基準には下限があり、20%が目標量の下限です。必須脂肪酸の目安量を下回らないように決められています。

1食で30%を超えたら、避けたほうがよいですか

1食だけで合否を決める基準ではありません。目標量は総エネルギー摂取量での割合です。迷ったときは、その日のほかの食事の脂質を見て調整します。

外食の飽和脂肪酸は調べられますか

この記事で使った公式データには、飽和脂肪酸の値がありません。気になる場合は、各社が公表している栄養成分表で脂質の内訳が載っているかを確認してください。

ISSNの総説では、アスリートの脂質はどう書かれていますか

ISSN総説の記述では、アスリートの目安はおよそ30%です。50%までという記述は、高いトレーニング量の期間に限られます。

同じ総説は、一般的なフィットネス目的の人の通常の食事では、脂質を25〜35%としています。国の目標量とは前提が違うため、目的と体調に合わせて決めてください。

まとめ

成人の脂質の目標量は20〜30%エネルギーで、飽和脂肪酸は7%以下です。外食の1食は、脂質g×9÷kcalで比率を出せます。

抜粋した約700kcalの13品では、20〜30%は3品、30%超は8品(境目の1品を含む)でした。これは全体の割合ではなく、同条件の31品では20〜30%が10品です。

同じkcalでも比率は18.2〜46.6%と大きく違うため、公式の脂質gを見て選ぶと調整しやすくなります。

気になるメニューの脂質を確認する

公式の値を見たうえで、今日の1食の脂質エネルギー比を自分で計算できます。

出典

あわせて読む

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。