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ジムのマシンの使い方 初心者が覚えたい8種類と回る順番・重さの決め方を解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 9分
ウエイトトレーニング機材
SUMMARY|この記事の要約

ジムのマシンはどう使い、どの順番で回ればよいのか。13研究1,016人のメタ分析やACSM指針をもとに、座席の調整方法、重さの決め方、主要8種類のマシンの使い方と初心者向けの回り方をまとめた。

初心者のマシントレーニングは、「脚→背中→胸→肩→腕・お腹」のように大きな筋肉を使う種目から順に、1台あたり2〜3セットずつ回るのが基本である。マシンは動く軌道が決まっているため、フォームを覚えやすく、重さもピン1本で細かく変えられる。マシンとフリーウエイトを比べたメタ分析では筋肥大と筋力の伸びに差がなく、マシン中心で始めても遠回りにはならない。

マシンだけで筋肉はつくのか?

つく。Haugenらの2023年のメタ分析(『BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation』、13研究・1,016人)は、6週間以上のフリーウエイト中心とマシン中心の筋トレを比べた。筋肥大、ジャンプ力、直接比較した筋力のいずれにも有意な差はなかった。ただし「フリーウエイトで測る筋力はフリーウエイトで、マシンで測る筋力はマシンで」伸びやすい傾向があり、測る方法に近い練習をした側が有利になる。詳しくはフリーウエイトとマシンを比べたメタ分析の解説で紹介している。

米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解も、器具の種類は筋トレの成果に一貫した影響を与えなかったとしている。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、マシンやダンベルを使う運動と自重の運動の両方を筋トレとして挙げている。どの器具を使うかより、どれだけ継続し、負荷を少しずつ上げられるかが大切である。

マシンを使う前の基本の手順は?

どのマシンでも、次の手順を毎回くり返せばよい。多くのマシンには使い方を図で示したプレートが付いているので、最初に確認する。

  1. 座席の高さを合わせる:持ち手や足を置くパッドが、動かす関節の位置(ひざや肩)とそろうように調整する。チェストプレスなら持ち手が胸の中ほど、レッグエクステンションなら回転軸がひざの横にくる位置が目安である。
  2. 可動域を合わせる:背もたれやスタート位置のレバーがある場合は、無理なく伸ばしきれる位置にする。
  3. 軽い重さで1セット試す:10〜15回を楽にこなせる重さで動きを確認する。
  4. 本番の重さを選ぶ:最後の1〜3回がきついが、フォームが崩れない重さにする。
  5. ゆっくり戻す:重りを「ガシャン」と落とさず、戻す動作も1〜2秒かけてコントロールする。
  6. 使い終わったらシートを拭き、ピンを軽い位置に戻す:次の人が使いやすくなり、思わぬけがも防げる。

初心者が覚えたい主要なマシンは?

まずは次の8種類を覚えると、全身をひととおり鍛えられる。

  • レッグプレス(Leg Press):太もも前・お尻・太もも裏。足を肩幅に置き、ひざをつま先の向きにそろえて押す(レッグプレスのやり方)。
  • レッグエクステンション(Leg Extension):太もも前。ひざを伸ばしきる手前まで上げ、ゆっくり下ろす。
  • レッグカール(Leg Curl):太もも裏。腰を浮かせず、かかとをお尻に近づける。
  • ラットプルダウン(Lat Pulldown):背中。バーを胸の上に向けて引き、肩をすくめない(ラットプルダウンのやり方)。
  • シーテッドロウ(Seated Row):背中の中部。胸を張ったまま、ひじを後ろに引く。
  • チェストプレス(Chest Press):胸・肩の前・腕の裏。肩甲骨を寄せて背もたれにつけたまま押す。
  • ショルダープレス(Shoulder Press):肩。腰を反らさず、頭の上に押し上げる。
  • アブドミナルクランチ(Abdominal Crunch):お腹。反動を使わず、背中を丸めるように縮める。

レッグプレスとレッグエクステンションは同じ太もも前でも鍛えられる部位に違いがあることが分かっており、立命館大学の研究の解説で紹介している。

マシンを回る順番はどう決める?

大きな筋肉・複数の関節を使う種目を先に、小さな筋肉・一つの関節の種目を後にするのが基本である。ACSMの2009年の公式見解は、強度を保つために「大きな筋群の種目を小さな筋群の前に、多関節種目を単関節種目の前に」行うことを勧めている。Simãoらの2012年の総説(『Sports Medicine』)も、セッションの最初に置いた種目ほど回数が多くこなせ、初心者では最初の種目の筋力が伸びやすく最後の種目は伸びにくかったと整理し、目的上優先したい種目を先に置くよう勧めている。考え方の詳細は筋トレの順番の決め方にまとめている。

例えば初心者の1回のメニューなら、レッグプレス→ラットプルダウン→チェストプレス→シーテッドロウ→ショルダープレス→レッグカール→アブドミナルクランチの順が組みやすい。押す種目と引く種目を交互にすると、同じ筋肉が続けて疲れにくい。

初心者・中級者のマシンメニュー例は?

対象 種目(この順番で) 回数 セット 休憩
初心者(週2〜3回・全身) レッグプレス 10〜15回 2〜3 1〜2分
初心者 ラットプルダウン 10〜12回 2〜3 1〜2分
初心者 チェストプレス 10〜12回 2〜3 1〜2分
初心者 シーテッドロウ 10〜12回 2 1〜2分
初心者 ショルダープレス、レッグカール、アブドミナルクランチ 12〜15回 各2 1分
中級者(上半身の日) チェストプレス、ラットプルダウン、シーテッドロウ、ショルダープレス、ケーブルプレスダウン(Cable Pressdown)、ケーブルカール(Cable Curl) 8〜12回 各3 1.5〜2分
中級者(下半身の日) レッグプレス、レッグカール、レッグエクステンション、ヒップアブダクション(Hip Abduction)、カーフレイズ(Calf Raise) 8〜15回 各3 1.5〜2分

セット間の休憩の決め方はインターバルは何分がよいかのガイド、曜日への割り振りは1週間のメニュー例を参考にしてほしい。女性の場合の組み方は女性の筋トレメニューのガイドでも紹介している。

マシンとフリーウエイトはどう使い分ける?

目的に合わせて組み合わせるのが現実的である。マシンの利点は、軌道が安定しているため一人でも限界近くまで安全に追い込みやすいこと、重さを細かく変えられること、特定の筋肉を狙いやすいことである。一方、バーベルやダンベルなどのフリーウエイトは、体を支えながら動かすため、バランスや全身の連動も求められる。前述のメタ分析のとおり、筋力は「練習した器具で測ると伸びやすい」ため、スクワットやベンチプレスの記録を伸ばしたい人は、その種目自体を練習に入れたほうがよい。最初の1〜2か月はマシン中心で全身の筋力の土台をつくり、慣れてきたら1回のメニューの最初にフリーウエイトの種目を1〜2つ加え、後半をマシンで補う形にすると移行しやすい。

マシンでよくある間違いとチェックポイントは?

  • 座席を調整しない:前の人の設定のままだと、関節に余計な負担がかかったり、狙った筋肉に効きにくくなる。
  • 重すぎて反動を使う:体を揺らして動かすと、狙った筋肉への負荷が抜ける。フォームが崩れる重さは下げる。
  • 可動域が狭い:浅い動きだけで終わらせず、無理のない範囲で大きく動かす。ACSMの2026年の公式見解でも、筋力は全可動域で伸びやすいとされた。
  • 戻す動作で力を抜く:重りが落ちる勢いに任せると、けがの原因になり、刺激も減る。
  • 毎回同じ重さのまま:目標回数を余裕でこなせたら、次回はピンを1段重くする。
  • 小さな種目から始める:腕や腹筋を先に疲れさせると、大きな種目の重さが下がりやすい。

マシンを使うときの安全の注意は?

  • ピンが奥まで差し込まれているか、ケーブルにほつれがないかを使う前に確かめる。
  • 重りの間やレバーの可動部に指をはさまないよう、動かしている途中で手を入れない。
  • 関節に痛みやしびれが出たら、その種目を中止する。痛みが続く場合、持病がある場合は医師に相談する。
  • 運動中に胸の痛み、強い息苦しさ、めまいが出たらすぐに中止する。
  • 使い方が分からないマシンは、ジムのスタッフに確認してから使う。

よくある質問

マシンとフリーウエイトはどちらから始めるべきですか?

どちらからでもよいが、初心者はマシンから始めるとフォームを覚えやすい。13研究のメタ分析では、筋肥大や筋力の伸びに有意な差はなかった。慣れてきたらスクワットやベンチプレスなどのフリーウエイトを加えるとよい。

マシンの重さはどう決めればいいですか?

最初は軽い重さで動きを確認し、本番は8〜15回で最後の1〜3回がきつくなる重さを選ぶ。目標回数を余裕を持ってこなせるようになったら、次回はピンを1段重くする。

1台のマシンで何セットやればいいですか?

初心者は1台あたり2〜3セットが目安である。全身を回るなら6〜8台で、合計40〜60分程度に収まる。

マシンを回る順番に決まりはありますか?

絶対の決まりはないが、大きな筋肉・複数の関節を使う種目を先に、小さな筋肉の種目を後にするのが基本である。特に伸ばしたい種目があれば最初に置く。

混んでいて使いたいマシンが空いていないときは?

同じ筋肉を使う別の種目に入れ替えればよい。例えばチェストプレスが空いていなければダンベルベンチプレスや腕立て伏せ、ラットプルダウンが空いていなければシーテッドロウにする。

KINNIKU TIMESの視点

ジムのマシンは、初心者が正しい動きと重さの上げ方を覚えるのに適した道具である。研究は、マシン中心でもフリーウエイト中心でも筋肉の増え方に差がないことを示している。座席を自分に合わせ、大きな筋肉の種目から順に、最後の数回がきつい重さで2〜3セットずつ回る。この基本を週2〜3回続け、少しずつピンを重くしていけば十分に成果を狙える。痛みや体調の不安がある場合は無理をせず、医師やジムのスタッフに相談してほしい。


出典:Haugen ら(BMC Sports Sci Med Rehabil, 2023)/ACSM Position Stand(Currier ら, Med Sci Sports Exerc, 2026)/ACSM Position Stand: Progression models in resistance training(Med Sci Sports Exerc, 2009)/Simão ら(Sports Med, 2012)/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングについて

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