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レッグレイズのやり方 腰が反らない正しいフォームと回数・負荷の上げ方を研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 9分
懸垂バーにぶら下がる男性の後ろ姿
SUMMARY|この記事の要約

レッグレイズで働く筋肉、腰を床から浮かせない正しい手順、膝を曲げた形からぶら下がって行う形までの段階、回数・セット数の目安、よくある間違いを、腹筋と股関節の筋活動や背骨の負担を測った研究とACSMの指針で整理しました。

レッグレイズは、仰向けで腰を床に押しつけたまま両脚を持ち上げ、ゆっくり下ろす種目で、腹筋は骨盤と背骨を固定し、脚を持ち上げる力は主に股関節の付け根の筋肉が出す。脚を伸ばしたまま行うと腰が反りやすいため、初心者は膝を曲げた形から始め、腰が浮かない範囲で脚を下ろすことが大切だ。10〜15回を2〜3セットできるようになったら、膝を伸ばす、ぶら下がって行う、の順に負荷を上げていく。

レッグレイズで鍛えられる筋肉は?

レッグレイズで脚を持ち上げる主役は、股関節を曲げる腸腰筋や大腿直筋で、腹直筋や腹斜筋は骨盤と背骨を安定させるために強く働く。

「下腹部の種目」と紹介されることが多いが、筋肉の働きを分けて考えると理解しやすい。脚を持ち上げる動きそのものは股関節の屈曲で、腰の骨から太ももの付け根につながる腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)が担う。腹筋は、脚の重さで骨盤が前に傾き、腰が反ってしまうのを防ぐ役割を持つ。

スウェーデンのアンダーソンらの1997年の研究(European Journal of Applied Physiology誌)では、健康な男性6人が38種類の腹筋・股関節の運動を行い、筋活動を比べた。股関節を曲げる筋肉が強く働いたのは股関節を曲げる運動に限られ、両脚を持ち上げるレッグレイズでは腹筋の活動も必要になったが、片脚ずつ持ち上げる場合はそうならなかった。腸骨筋の活動は、両脚のレッグレイズの方が上体を起こしきる上体起こしより高かった。腹筋を骨盤の安定に使うには、両脚をそろえて持ち上げる形が向いているといえる。

レッグレイズの正しいやり方は?

腰を床に押しつけた状態を保ち、脚を真上まで持ち上げ、腰が浮かない高さまでゆっくり下ろすのが正しいやり方である。

  1. 仰向けになる:床やマットに仰向けになり、両腕を体の横に置いて手のひらを床に向ける。
  2. 腰を床につける:お腹に力を入れて骨盤を少し後ろに傾け、腰と床のすき間をなくす。このとき息を吐くと腰を押しつけやすい。
  3. 脚をそろえる:初心者は膝を90度ほどに曲げ、両脚をそろえて床から浮かせる。慣れたら膝を軽くゆるめた状態で脚を伸ばす。
  4. 脚を持ち上げる:息を吐きながら、脚が床と垂直になる高さまで持ち上げる。反動はつけない。
  5. ゆっくり下ろす:息を吸いながら、2〜3秒かけて脚を下ろす。腰が床から浮き始める手前で止める。
  6. 繰り返す:かかとを床につけずに次の回へ入る。腰が浮くようになったら、そのセットは終える。

下ろす動作で腰が浮かない範囲は人によって違い、初めは床から45度くらいまでしか下ろせないことも多い。手のひらをお尻の下に入れると骨盤が安定しやすく、動きを覚えるまでの補助になる。

腰が痛くなるのはなぜ?

脚を下ろしたときに腰が反ると、脚を持ち上げる腸腰筋が腰の骨を前に引っぱり、腰に負担がかかりやすくなる。

ジュッカーらの1998年の研究(Medicine and Science in Sports and Exercise誌)では、8人の体の奥に細い電極を入れて大腰筋の活動を測り、大腰筋が最も強く働いたのは股関節を最大の力で曲げる動作だった。大腰筋は腰の骨に付いているため、脚を持ち上げる力が強く求められるほど、腰の骨には前に引かれる力がかかる。腹筋が骨盤を支えきれずに腰が反った状態でこの力がかかると、腰に違和感が出やすくなる。

米国のエスカミーラらの2006年の研究(Physical Therapy誌)は、男女21人で伝統的な腹筋運動と器具を使った運動を比べ、30度に傾けたベンチでのリバースクランチや、ストラップでぶら下がって膝を持ち上げる運動では腹直筋の活動が高い一方、太ももの付け根の大腿直筋の活動も高く、腰に問題を抱える人には合わない場合があると指摘した。腰に不安がある人は、膝を曲げて脚を下ろす範囲を小さくすることから始めてほしい。

ぶら下がって行うハンギングレッグレイズとの違いは?

鉄棒にぶら下がって脚を持ち上げるハンギングレッグレイズは、腹筋への刺激が大きい一方で、背骨への負担も大きくなる上級者向けの種目である。

カナダのマギルらの2015年の研究(Journal of Sports Sciences誌)では、男性14人がぶら下がって脚を伸ばしたまま持ち上げると、腹直筋の活動は最大随意収縮の130%超、外腹斜筋は88%に達した。一方で、背骨にかかる圧縮の力は平均約3,000ニュートンで、比較した前腕をついて体を前後に動かす種目(2,500ニュートン未満)より大きかった。ぶら下がる種目は握力も求められるため、まずは床で脚を伸ばしたレッグレイズを10〜15回できるようにしてから、膝を曲げて持ち上げるハンギングニーレイズ、脚を伸ばすハンギングレッグレイズの順に進めるとよい。ぶら下がる力をつける方法は懸垂の練習方法や握力の鍛え方も参考になる。

何回・何セットが目安?初心者・中級者のメニュー例

初心者は膝を曲げた形で10〜15回を2〜3セット、中級者は脚を伸ばす形やぶら下がる形で8〜15回を3セットが目安になる。

米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解(Currierら、137本の系統的レビュー、3万人超のまとめ)は、筋肥大には週10セット以上の量が有利と整理しており、腹筋の種目全体で週6〜10セット程度から始めると無理がない。回数が20回を超えて楽にできるようになったら、膝を伸ばす、下ろす動作に3秒かける、ぶら下がる形に変える、の順で負荷を上げる。背中を丸めるクランチと組み合わせると、腹筋を異なる動きで使い分けられる。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(週2〜3回) ニーベントレッグレイズ(膝90度) 10〜15回 2〜3 60秒
初心者(週2〜3回) クランチ 15〜20回 2 60秒
中級者(週2〜3回) レッグレイズ(脚を伸ばす、下ろす動作3秒) 10〜15回 3 60〜90秒
中級者(週2〜3回) ハンギングニーレイズ 8〜12回 2〜3 90秒

よくある間違いとチェックポイントは?

多いのは「腰が床から浮く」「反動で脚を振り上げる」「脚を床まで下ろしきる」の3つである。

  • 腰が浮く・反る:脚を下ろすにつれて腰と床の間にすき間ができる。腰が浮く手前で止め、膝を曲げて負荷を下げる。
  • 反動で振り上げる:勢いで脚を上げると、股関節の筋肉ばかりが働き、腹筋で骨盤を支える時間が短くなる。上げる・下ろすをそれぞれ2〜3秒で行う。
  • 床まで下ろしきる:かかとを床に置いて休むと、腹筋の緊張が抜ける。床すれすれで止めて次の回に入る。
  • 首や肩に力が入る:頭を床から持ち上げたり、手で床を強く押したりしている。頭は床に置き、肩の力を抜く。
  • 息を止める:上げるときに吐き、下ろすときに吸う。
  • ぶら下がって体が揺れる:ハンギングでは、揺れを使うと反動になる。一回ごとに揺れを止めてから持ち上げる。

腰を反らせずに体を一直線に保つ感覚は、プランクのやり方で身につけやすい。腹筋全体の鍛え方は腹筋の鍛え方にまとめている。

安全に行うための注意点は?

腰に痛みが出る場合は、脚を下ろす範囲を小さくするか膝を曲げた形に戻し、それでも痛むなら中止することが基本である。

腰痛や椎間板ヘルニアなど背骨の持病がある人、妊娠中や出産後の人は、始める前に医師に相談してほしい。ぶら下がる種目では、手が滑って落ちないよう鉄棒の高さと握りを確かめ、足が床に届く高さで行う。運動中に胸の痛みや息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止する。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しており、腹筋も全身の種目の一つとして組み込むとよい。体幹の役割については体幹トレーニングの効果とやり方も参考になる。

よくある質問

レッグレイズは下腹に効きますか?

脚を持ち上げる力は主に股関節の付け根の筋肉が出し、腹筋は骨盤と背骨を支えるために強く働きます。腹直筋を上下で完全に分けて鍛えることは難しいため、「下腹だけに効く種目」と考えず、腹筋全体の種目の一つとして取り入れてください。

レッグレイズで腰が痛くなるのはなぜですか?

脚を下ろしたときに腰が反り、脚を持ち上げる筋肉が腰の骨を前に引くためと考えられます。腰が浮かない範囲で止める、膝を曲げる、手をお尻の下に入れるといった方法で負担を減らし、痛みが続く場合は中止して医師に相談してください。

膝は曲げてもいいですか?

はい。膝を曲げると脚が短くなり、腰にかかる負担と難しさが下がります。初心者は膝を90度ほどに曲げた形から始め、腰が浮かずに15回できるようになったら少しずつ膝を伸ばしてください。

何回できれば次の段階に進めますか?

反動を使わず、腰を床につけたまま10〜15回を3セットできることが一つの目安です。それが楽になったら、脚を伸ばす、下ろす動作を遅くする、ぶら下がる形に変える、の順で進めます。

クランチとどちらをやればいいですか?

動きが違うため、両方取り入れるのがおすすめです。クランチは背中を丸める動き、レッグレイズは脚を持ち上げながら骨盤を支える動きで腹筋を使います。研究でも、一つの種目だけで腹筋全体を鍛えるのは難しいとされています。

KINNIKU TIMESの視点

レッグレイズは、脚を持ち上げる股関節の筋肉と、骨盤を支える腹筋を同時に鍛えられる種目である。研究では、両脚を持ち上げると腹筋の働きが求められる一方、ぶら下がって脚を伸ばす形では背骨への負担も大きくなることが示されている。成果と安全を左右するのは、腰を床から浮かせないこと、反動を使わないこと、自分に合った段階から始めることの3点だ。膝を曲げた形から始め、クランチやプランクと組み合わせて、週2〜3回続けるのが現実的である。


出典:Andersson EA, et al. Eur J Appl Physiol Occup Physiol. 1997;75(2):115-23/Juker D, et al. Med Sci Sports Exerc. 1998;30(2):301-10/Escamilla RF, et al. Phys Ther. 2006;86(5):656-71/McGill S, et al. J Sports Sci. 2015;33(4):419-26/Currier BS, et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングについて

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