【しくみを表で解説】有酸素運動と無酸素運動の違い|ダイエットにはどっち?
「やせるなら有酸素運動?それとも筋トレ?」と迷う人に向けた記事です。二つの違いを体のしくみから表で整理し、ダイエットでの組み合わせ方をまとめました。
結論:違いは、エネルギーを酸素を使ってつくる割合が大きいか、酸素を使わずすばやくつくる割合が大きいかです。
- ウォーキングのように長く続けられる運動は、有酸素運動の要素が大きくなります
- 短い時間に強い力を出す筋トレや全力のダッシュは、無酸素運動の要素が大きくなります
- ダイエットでは「どちらか」より、両方を組み合わせて食事も見直すのが現実的です
- 厚生労働省は大人に、体を動かす時間と筋力トレーニング(週2〜3日)の両方をすすめています
運動の強さの例(メッツ)
この記事でわかること
- 有酸素運動と無酸素運動の違い(表で比較)
- 体の中でエネルギーがどうつくられているか
- ダイエットにはどちらがよいのか、研究と国の情報からの答え
- 厚生労働省の目安にもとづく1週間の組み合わせ方
- 持病がある人の注意点
有酸素運動と無酸素運動の違い
二つは「運動の種類の名前」というより、「体がエネルギーをどうつくっているか」で分けた呼び方です。主な違いを表にまとめます。
| 項目 | 有酸素運動 | 無酸素運動 |
|---|---|---|
| エネルギーのつくり方 | 酸素を使って、主に脂肪や糖からつくる割合が大きい | 酸素を使わずに、すばやくつくる割合が大きい |
| 強さと時間 | ほどほどの強さで、長く続けられる | 強い力を、短い時間だけ出す |
| 運動の例 | ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳 | 重い負荷の筋トレ、全力のダッシュ、ジャンプ |
| 主に高まりやすい体力 | 全身持久力(最大酸素摂取量など) | 筋力、瞬発的なパワー |
| 厚生労働省の目安 | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 | 筋力トレーニングを週2〜3日 |
筋トレ(レジスタンス運動)は、ねらった筋肉に抵抗をかける動作をくり返す運動です。スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などが例です(e-ヘルスネット「レジスタンス運動」)。
軽い負荷で回数を多くすれば、有酸素的な要素も増えます。「筋トレ=無酸素運動」と完全に分けられるわけではありません。
体の中では何が起きている?エネルギーのつくり方
筋肉が動くときのエネルギー源は、ATP(アデノシン三リン酸)という物質です。たくわえられたATPの量には限りがあります。そのため体は、いくつかの方法でATPをつくり続けています(e-ヘルスネット「有酸素性エネルギー代謝」)。
| しくみ | 特徴 |
|---|---|
| 無酸素性(クレアチンリン酸系) | 酸素を使わず、ごく短い時間にすばやくATPをつくる |
| 無酸素性(解糖系) | 酸素を使わず、糖(グルコースやグリコーゲン)を分解してATPをつくる |
| 有酸素性 | 主にミトコンドリアの中で、酸素を使って糖や脂肪酸などから大量のATPをつくる |
e-ヘルスネットは、無酸素性と有酸素性のしくみが「シーソーの関係」でエネルギーを供給していると説明しています。運動の強さや時間によって、割合が入れかわるイメージです。
運動の強さが上がるほど、糖によるエネルギーの割合が大きくなるとされています。
有酸素運動と無酸素運動、ダイエットにはどっち?
「脂肪を減らすなら有酸素運動」と言われますが、話はもう少し複雑です。
e-ヘルスネットによると、筋肉で脂肪酸が使われる割合が最も大きいのは、中くらいの強さ。一方で、同じ時間なら強い運動ほど消費エネルギーの合計が大きくなります。
そのため、使われる脂肪の量そのものは強い運動のほうが多かったという研究結果もあります。
- 消費エネルギーは「強さ×時間×体格」:体が大きく、強く、長く動くほど多くなります(e-ヘルスネット)。
- 日常の動きも大切:標準的な人の1日のエネルギー消費のうち、身体活動によるものは約30%です。同じページでは、家事などの日常の活動も肥満予防のポイントとされています。
- 筋トレは筋力の維持にも:厚生労働省のガイドは、筋力トレーニングを週2〜3日行うことをすすめています。
ダイエットでは「どちらか」を選ぶより、続けられる有酸素運動と筋トレを組み合わせ、食事も見直すのが現実的です。1日に使うエネルギーは人によって違います。FITPEAKのTDEE・PFC計算ツールで、自分の目安を出せます。
有酸素運動と筋トレの組み合わせ方の目安
厚生労働省のガイド2023の成人向けの推奨をもとに、1週間の組み立て方の例を示します(ガイドのPDF)。
| ガイドの推奨(成人) | 取り入れ方の例 |
|---|---|
| 歩行またはそれ以上の強さの身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上) | 通勤や買い物で歩く時間を合計する |
| 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 | 早歩きやジョギングを週3回×20分など |
| 筋力トレーニングを週2〜3日 | スクワットや腕立て伏せ、ジムでのマシントレーニング |
| 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにする | 30分に1回など、ときどき立って体を動かす |
ガイドでは、筋力トレーニングは週60分の運動の目安に含めてもよいとされています。高齢の人には、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動を週3日以上という目安も示されています。
家でできる筋トレの例が、表にあるスクワットと腕立て伏せです。メッツ表では、自重のスクワット・ランジ・腕立て伏せなど(全般)は3.0メッツです。形は3Dで確かめてから始めましょう。
自重スクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
腕立て伏せの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
くわしいやり方は、自重スクワットの正しいやり方と腕立て伏せの種類7つで解説しています。
高血圧や糖尿病、心臓の病気、関節の痛みなどがある人は、運動の種類や強さによって注意点が変わります。始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛みや強い息切れ、めまいなどが出たら、すぐに中止しましょう。
よくある質問
筋トレは無酸素運動ですか?
重い負荷で短い時間に力を出す筋トレは、無酸素性のしくみの割合が大きくなります。ただし、軽い負荷で回数を多くしたり、休みを短くして続けたりすると、有酸素的な要素も増えます。きっちり分けられるものではありません。
有酸素運動は20分以上続けないと意味がないですか?
20分未満でも意味はあります。エネルギー源の割合は運動の強さと時間によって変わり、20分を境に急に切りかわるわけではありません。厚生労働省のガイドも1日・1週間の合計で目安を示しており、短い時間を積み重ねても構いません。
有酸素運動と筋トレ、どちらを先にやるべきですか?
どちらが良いと言い切れるほどの結論はありません。目的によって考え方が分かれます。続けやすい順番で行い、両方を週の中で取り入れることを優先しましょう。
ピラティスやヨガは有酸素運動ですか?
どちらも、ゆったりした強さの運動に分類されます。メッツ表では、ピラティス(全般)は2.8メッツ、ヨガ(全般)は2.3メッツです。息が弾むほどの運動とは限らないため、歩行などと組み合わせると、ガイドの目安を満たしやすくなります。
まとめ
- 違いは、エネルギーを酸素を使ってつくる割合が大きいか、酸素を使わずすばやくつくる割合が大きいかです
- 体の中では、二つのしくみが「シーソーの関係」で割合を入れかえながら働いています
- 使われる脂肪の量は、同じ時間なら強い運動のほうが多かったという研究結果もあります
- ダイエットでは、続けられる有酸素運動と筋トレ(週2〜3日)を組み合わせ、食事も見直しましょう
- 持病がある人は、始める前に医師に相談してください
食事と運動をまとめて見てもらいたい人は、ダイエット向けパーソナルジムのおすすめで料金とサポート内容を比べています。
出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「有酸素性エネルギー代謝」(2026年10月確認)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」(2026年10月確認)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2026年10月確認)
- 中江悟司・吉村英一・小野玲「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」(2026年10月確認)
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