前王者サムソン・ダウダがヨーロッパ・プロで優勝 オリンピア11日前に異例の出場
2024年ミスター・オリンピア王者のサムソン・ダウダが9月13日、ドイツで開かれた「ヨーロッパ・プロ」のメンズオープンで優勝した。オリンピアまで11日という時期にあえて出場し、仕上がりを舞台で確かめた。
2024年のミスター・オリンピア王者サムソン・ダウダ(英国)が9月13日、ドイツ・オッフェンバッハで開かれたIFBBプロリーグの「ヨーロッパ・プロ」メンズオープンで優勝した。9月24日開幕のオリンピアまで11日という異例のタイミングでの出場で、王座奪還へ向けた最終確認の舞台となった。
2位以下を抑えて完勝
米専門メディア「Generation Iron」「Fitness Volt」によると、メンズオープンの順位は1位ダウダ、2位リーガン・グライムス(カナダ)、3位ジョン・ジューエット(米国)、4位スチュアート・サザーランド(米国)だった。Fitness Voltは、ダウダが体重300ポンド(約136kg)を超える体で舞台に立ったと伝えている。
同大会では212ポンド級、クラシックフィジーク、メンズフィジークなど計11部門が行われ、欧州を中心に多くの選手が出場した。
「ナイジェリアの獅子」の歩み
ダウダは1986年、ナイジェリア・カドゥナ生まれの英国の選手で、「The Nigerian Lion(ナイジェリアの獅子)」の愛称で知られる。2017年にプロカードを獲得し、2023年にアーノルド・クラシック、2024年にはミスター・オリンピアを制した。ナイジェリアにルーツを持つ選手として初めてのオリンピア王者である。
しかし2025年大会は4位にとどまり、王座はデレク・ランスフォード(米国)の手に戻った。今年は王座奪還を目指すシーズンとなっている。9月24日から27日にラスベガスで開かれるオリンピアでは、2度目の王座を懸けて前年王者ランスフォードらと再び争うことになる。
大会直前にあえて出場した理由
オリンピアの直前に別の大会へ出場するのは、トップ選手としては珍しい選択である。Generation Ironによると、ダウダは仕上がり具合を実際の舞台で確かめる目的でこの大会に臨んだ。前年は本番前の最終調整期間(ピークウィーク)に、自分の状態を十分に把握できないまま入ってしまったといい、同じ状況を避けたかったと説明している。
1983年のオリンピア王者サミール・バヌートは、Fitness Voltの取材に対し、ダウダを「優勝すべき男」と評価。一方で「もう少し硬さを出せる」と述べ、三角筋や上背部の仕上がりが鍵になるとの見方を示した。
KINNIKU TIMESの視点
ダウダが重視したのは「本番前に、客観的に自分の状態を確かめる」ことである。これは大会に出ない一般のトレーニーにも応用できる考え方だ。体づくりの途中経過は、毎日鏡で見ているとかえって変化に気づきにくい。
たとえば、月に一度、同じ時間帯・同じ照明・同じポーズで写真を撮る、体重やウエスト周囲を同じ条件で記録する、といった「定点観測」を習慣にすると、減量や増量の進み具合を冷静に判断しやすくなる。王者経験者でさえ、本番直前に第三者の評価を受けて自分を確かめようとした。感覚だけに頼らず、記録と比較で現在地を知ることが、目標に近づくための確かな一歩になる。
出典:Generation Iron「Samson Dauda Wins 2026 Europa Pro Two Weeks Out From Mr. Olympia」(2026年9月13日)/Fitness Volt「2026 Europa Pro Show Results」(2026年9月13日)/Fitness Volt「Samir Bannout Calls Samson Dauda 'The Man to Win' 2026 Mr. Olympia」(2026年9月14日)/Wikipedia「Samson Dauda」