筋肥大と筋力向上で変わるレップ数と負荷(%1RM)の目安を解説
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の伝統的な目安では、筋力向上は1RMの85%以上・6回以下、筋肥大は67〜85%・6〜12回のレップ数が基準とされている。
一方でNSCAの教材の中には、追い込み度を揃えれば10〜20回など幅広いレップ数でも筋肥大が狙えるという見解も紹介されている。
筋力を伸ばすには少ないレップ数を高い負荷で、筋肥大を目指すには中程度のレップ数を中〜高負荷で行うことが、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の伝統的な目安として示されている。一方で、追い込み度(セットをどこまで追い込むか)を揃えれば幅広いレップ数でも筋肥大の効果が得られるという見解も、NSCAの教材の中で紹介されている。
筋力向上を目的とする場合のレップ数・負荷の目安は
NSCAの教材をまとめた教育サイトAchievableの解説によると、NSCAが示すロードチャート(load chart)では、筋力向上を目的とする場合、1RM(1回だけ挙げられる最大重量)の85%以上の負荷で、6回以下のレップ数を行うことが目安とされている。NSCA公式サイトのCEU(継続教育単位)クイズ記事「How Hypertrophy and Strength Training Differ」でも、筋力トレーニングでは2〜5回、あるいは3〜6回程度のレップ数の範囲が推奨されるという見解が紹介されている。
筋肥大を目的とする場合のレップ数・負荷の目安は
同じAchievableの解説では、筋肥大を目的とする場合の目安は1RMの67〜85%程度の負荷で、6〜12回のレップ数とされている。一方、前述のNSCA公式サイトのCEU記事では、Mike Israetel氏の見解として、筋肥大を目的とする場合は10〜20回程度のレップ数の範囲が挙げられており、疲労環境を「中〜高」に保つことが重要だとされている。伝統的な目安と比べてレップ数の幅が広く、追い込み方によって適したレップ数の考え方が異なることがうかがえる。
セット間の休憩時間はどう変えるべきか
米国のパーソナルトレーナー資格団体NFPT(National Federation of Professional Trainers)がまとめた記事(Cathleen Kronemer氏、2025年8月9日公開・同年12月23日更新)によると、目的別のセット間休憩の目安は、筋力・パワー向けが2〜5分、筋肥大向けが60〜90秒、筋持久力向けが30秒未満とされている。なお、KINNIKU TIMESが以前報じたベイズ流メタ分析の記事「筋トレのセット間休憩、60秒超で筋肥大に有利 90秒超えても伸びず」では、筋肥大目的では休憩を60秒以上取ることで有利になる可能性があるものの、90秒を超えてもさらなる上乗せは見られなかったと報告されている。
初心者はどちらの目安を基準にすればいいのか
NSCAが示す伝統的な目安と、Israetel氏が紹介するような幅広いレップ数の考え方は、いずれも「追い込み度」を土台にしている点は共通している。KINNIKU TIMESが以前報じた「筋トレの「RPE」「RIR」とは何か 負荷調整に使う自己評価法を解説」で紹介したRPE・RIRという自覚的な強度の指標を併用しながら、フォームの習得を優先しつつ、まずは1RMの67〜85%程度・6〜12回という伝統的な範囲で始めるのが無難といえる。
よくある質問
筋肥大目的でも軽い負荷・高レップ数でいいのか
NSCAのCEU教材で紹介されている見解では、セットを十分に追い込めば(RIRが低い状態まで行えば)、幅広いレップ数でも筋肥大の効果が期待できるとされている。ただし伝統的な目安である6〜12回・1RMの67〜85%程度も広く使われており、どちらか一方が正しいというよりは、両方が選択肢として紹介されている段階だと理解しておきたい。
筋力と筋肥大を両方伸ばすトレーニングは可能か
今回参照した資料には、筋力と筋肥大を同時に最大化する具体的な方法についての記載はない。一般的には、期間を分けて筋力重視のフェーズと筋肥大重視のフェーズを組み合わせるピリオダイゼーションという考え方が広く用いられているが、詳細な設計は個人の目標や経験、体調によって異なるため、トレーナーなど専門家に相談することが望ましい。
KINNIKU TIMESの視点
「筋力には低レップ・高負荷、筋肥大には中レップ・中〜高負荷」という伝統的な目安は今も有効な出発点だが、NSCA自身の教材の中でも、追い込み度を揃えれば幅広いレップ数で筋肥大が狙えるという見解が併記されている。レップ数や負荷の数字だけを追うのではなく、RPE・RIRなどでその日の追い込み度を確認しながら、フォームを崩さない範囲で目的に合わせて調整していく視点が実践的である。持病やケガがある場合、無理に高負荷・低レップに挑む前に医師や専門家に相談したい。
出典:NSCA「How Hypertrophy and Strength Training Differ」(CEUクイズ記事)/Achievable「NSCA Load Chart」/NFPT「What Are The Ideal Rest Intervals For Specific Training Goals?」(Cathleen Kronemer、2025年8月9日)/KINNIKU TIMES「筋トレのセット間休憩、60秒超で筋肥大に有利 90秒超えても伸びず」/KINNIKU TIMES「筋トレの「RPE」「RIR」とは何か」
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