筋トレと有酸素、先にやるのはどっち?順番で神経系の適応に差が
筋トレと有酸素運動を同じ日に行う場合、筋トレを先に行う順序が神経系の適応に有利であることが、42件の文献を分析したレビュー論文で示された。
一方で、最終的な筋肥大や持久力の伸びには順序による一貫した差は見られなかった。
筋トレと有酸素運動を同じ日にこなす場合、先に行うのは筋トレの方が神経系の適応には有利であることが、42件の研究を分析した最新のレビュー論文で示された。論文は2025年12月30日にオンライン公開され、学術誌「Frontiers in Sports and Active Living」(2025年第7巻)に掲載された。
筋トレと有酸素運動、先にやるべきはどちらか
「同時トレーニング(コンカレントトレーニング)」と呼ばれる、筋力トレーニングと持久力トレーニングを同じセッションや同じ期間に組み合わせる方法について、Zhang Feng氏、Wang Ying氏、Wang Jun氏の研究チームが人を対象とした研究26件・動物実験3件・既存レビュー13件、合計42件の文献をまとめてセミシステマティックレビューとして分析した。その結果、「筋力トレーニングを先に行う順序」は神経筋の適応を最適化し、相対的な筋力や瞬発力(パワー)の向上に有利に働くと結論づけられている。
なぜ「筋トレ→有酸素」が神経系に有利なのか
レビューでは、疲労が少ない状態で筋力トレーニングを行うことで、より高い神経筋の出力(動員できる筋線維の量や発揮できる力)を引き出しやすくなる点が、順序による差の背景にあると整理されている。逆に有酸素運動を先に行うと、筋力トレーニング時にはすでに一定の疲労が蓄積しており、狙った強度を出しにくくなる可能性があるという整理である。
筋肥大・持久力への影響は「順序による差なし」
一方で、最終的な筋肥大や最大筋力そのものへの影響については、レビューの中で順序による一貫した関連性は確認されなかった。持久力(有酸素能力)の向上についても、トレーニングの順序とは無関係であると指摘されている。つまり「瞬発力・神経系のパフォーマンスを重視するなら筋トレ優先」が今回のレビューの要点であり、筋肉を大きくする目的だけであれば順序にこだわりすぎる必要はないとみられる。
| 目的 | レビューの整理 |
|---|---|
| 瞬発力・相対筋力を高めたい | 筋トレを先に行う順序が有利 |
| 筋肥大(筋肉を大きくする) | 順序による一貫した差は見られず |
| 持久力を高めたい | 順序とは無関係 |
この研究の限界
今回の論文は、特定の集団を新たに測定した実験ではなく、既存の研究42件(人を対象にした研究26件のほか、動物実験3件、既存レビュー13件を含む)を整理した「セミシステマティックレビュー」である。対象とした研究ごとにトレーニング強度・種目・期間もまちまちで、動物実験の知見がそのまま人に当てはまるとは限らない。著者らも、より大規模で条件をそろえた人対象の直接比較試験が今後必要だとしている。
よくある質問
筋トレと有酸素、結局どちらを先にすべき?
瞬発力や最大筋力の向上を重視するなら筋トレを先に行う順序が有利とされる。ただし筋肥大や持久力の伸びについては、今回のレビューでは順序による一貫した差は見られなかった。
有酸素を先にすると筋トレの効果が落ちる?
今回のレビューでは、最大筋力や筋肥大そのものへの影響に、順序による一貫した差は確認されていない。ただし研究間でトレーニング強度や種目が異なるため、個人差はあり得る。
この研究はどんな人を対象にしている?
人を対象にした26件の研究に加え、動物実験3件・既存レビュー13件を含めて分析したもので、特定の年齢層やレベルに絞った数値ではない。今後、より大規模なヒト対象の直接比較試験による検証が必要である。
KINNIKU TIMESの視点
同じ日に筋トレと有酸素の両方をこなす人は多いはずだ。今回のレビューを踏まえるなら、「その日いちばん伸ばしたい能力」を先に持ってくるのが現実的な使い分けと言えるだろう。ベンチプレスの記録更新やパワー系の種目を重視する日は筋トレを先に、ランニングのタイムなど持久力を重視する日は有酸素を先に、といった具合だ。トレーニングの組み立て方については、筋トレの週セット数、増やすほど効果は頭打ちにやドロップセットやレストポーズは効く?の記事も参考にしてほしい。
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