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筋トレで骨密度は上がる?骨減少症の女性20人・16週で腰椎と大腿骨頸部が改善

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ジムのレッグプレスマシンでトレーニングする様子
SUMMARY|この記事の要約

骨減少症の高齢女性20人を対象にした16週間の予備研究で、段階的な筋トレを週3回行った群は腰椎と大腿骨頸部の骨密度がそれぞれ約0.05g/cm²増え、ダンス運動の対照群を上回った。ただし非ランダム化の小規模研究であり、結果はより大きな試験で確かめる必要がある。

骨減少症の高齢女性が段階的な筋トレを16週間続けたところ、腰椎と大腿骨頸部の骨密度がともに約0.05g/cm²増え、ダンス運動を続けた対照群を上回った。コロンビアの研究チームが、平均65.3歳の女性20人を対象にした予備研究の結果を、2026年7月6日に学術誌「Frontiers in Physiology」で発表した。

16週間の筋トレ群と対照群の腰椎・大腿骨頸部の骨密度(前後比較)を示した論文の図
図:Dávila-Grisalez Aほか「Effects of progressive multimodal resistance training with varied muscle actions and range of motion on bone mineral density in osteopenic older women: a pilot study」Frontiers in Physiology(2026)Figure 3/出典:Frontiers in Physiology/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな人が、どんな筋トレをしたのか?

対象は、骨密度検査(DXA法)でTスコアが−1.0〜−2.5の「骨減少症」と判定された女性20人である。平均年齢は65.3歳。10人が筋トレ群、10人が対照群に振り分けられたが、無作為(ランダム)割り付けではない。対照群は同じ週3回、ウオーミングアップ10分、低衝撃のダンス30分(最大心拍数の60〜70%)、整理運動10分のダンスセラピーを行った。

筋トレ群は週3回(連続しない日)、16週間にわたり、ハックスクワットとレッグプレスのマシン種目に加え、椅子からの立ち上がり、物を拾う動作、段差の昇り降りといった日常動作に近い種目を行った。プログラムは4週ごとに4段階で進め、筋肉の動かし方(収縮の種類)と関節の可動域を少しずつ広げていく設計である。

期間 主な内容
1〜4週 持ち上げる動作(2秒)と補助付きの下ろす動作(1秒)
5〜8週 持ち上げる動作と止める動作。下ろす動作は除く
9〜12週 自力で下ろす動作(エキセントリック)を加える
13〜16週 2セットずつ、中程度の可動域で行う

骨密度はどれだけ変わった?

16週間後、筋トレ群は腰椎、大腿骨頸部ともに骨密度が増え、研究チームが事前に「意味のある変化」と定めた+0.03g/cm²を上回った。対照群はどちらもわずかに下がったが、統計的に意味のある変化ではなかった。群どうしの比較でも、腰椎(p=0.003)、大腿骨頸部(p=0.010)とも筋トレ群が有意に上回った。

部位 筋トレ群(開始→16週後) 対照群(開始→16週後)
腰椎 1.02→1.08g/cm²(変化+0.05、p=0.026) 0.94→0.92g/cm²(変化−0.01、有意差なし)
大腿骨頸部 0.82→0.87g/cm²(変化+0.05、p=0.003) 0.77→0.76g/cm²(変化−0.01、有意差なし)

筋トレ群の実施率は98%で、脱落者はいなかった。有害事象は局所的な筋肉痛が2件で、休養で回復し、重い事象はなかったという。骨の健康と生活習慣の関係は、ビタミンD・カルシウムと骨折の記事やコーヒーと骨密度の記事でも取り上げている。

この研究の限界は?

1群10人の小規模な予備研究で、割り付けも無作為ではない。参加者はコロンビアの1地域に限られ、研究外の日常の身体活動量は客観的に測っていない。効果量は腰椎でd=0.20と小さく、大腿骨頸部でもd=0.35である。16週間という期間も骨の長期的な変化を見るには短く、骨折が減るかどうかは調べていない。結論は、より大きな無作為化比較試験で確かめる必要がある。

よくある質問

筋トレで骨密度は上がりますか?

この予備研究では、骨減少症の高齢女性が16週間の筋トレで腰椎と大腿骨頸部の骨密度を約0.05g/cm²増やした。ただし小規模・非ランダム化の研究であり、誰にでも同じ効果があるとは言えない。

ダンスなどの有酸素運動では骨密度は変わらなかったのですか?

対照群のダンス運動では、16週間で骨密度に有意な変化はみられなかった。有酸素運動が無意味という意味ではなく、骨への効果を比べると筋トレ群が上回ったという結果である。

骨減少症と言われた人が筋トレを始めてもよいですか?

本研究は重りを付けないマシンの状態から始め、段階的に負荷を上げている。骨減少症や骨粗しょう症と診断されている人は、始める前に医師に相談するのが安全である。

KINNIKU TIMESの視点

ポイントは「いきなり重くしない」ことだ。この研究は、重りを付けないマシンの状態から始め、動かし方と可動域を4週ごとに段階的に変えて負荷を上げていった。スクワット系の種目や立ち上がり・段差の昇り降りのように、下半身に負荷がかかる動きを週3回、数か月単位で続けることが一つの目安になる。親世代にトレーニングを勧める場合も、フォームと段階的な進め方を重視したい。


出典:Dávila-Grisalez Aほか, Frontiers in Physiology(2026年7月6日)