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RPE/RIRとは何か セットの余力を数値化する負荷管理法を解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
バーベルを頭上に担いでスクワットを行う様子
SUMMARY|この記事の要約

「あと何回できそうか」を数値化する「RPE/RIR」という尺度が、海外の筋力トレーニング研究で広く使われている。提唱者ラッドオナーらの論文を基に、定義と使い方を解説する。

セットをあと何回できそうか(余力)を0〜10の数字で表し、その日の体調に合わせて負荷を調整する「RPE/RIR」という尺度が、海外の筋力トレーニング研究で広く使われている。数字が大きいほど限界に近く、RPE10は「もう1回も挙げられない(RIR=0)」状態を指す。

バーベルでウェイトトレーニングを行う様子
写真はイメージです(Unsplash)

RPE/RIRとは何か

RIR(Repetitions in Reserve)は「限界まであと何回できるか」を表す指標で、RPE(Rating of Perceived Exertion、自覚的運動強度)と組み合わせて使われる。米フロリダアトランティック大学のマイケル・ズルドス(Michael Zourdos)氏らが2016年に「Journal of Strength and Conditioning Research」誌(30巻1号267-275ページ)で発表した研究で、このレジスタンストレーニング専用のRPEスケールが提唱された。

どうやって検証されたか

同研究では29人(平均24.0±3.4歳、訓練経験5年超の経験者15人・経験1年未満の初心者14人)を対象に、スクワットで1RM(1回挙上できる最大重量)を測定した後、1RMの60%・75%・90%・100%および70%での8回セットを行い、バーの挙上速度とRPEの自己評価を比較した。結果、経験者は高強度(90〜100%1RM)でより正確にRPEを評価できる傾向が示された(1RM時のRPE評価で経験者と初心者に有意差、p=0.023)。

RPEとRIRの対応表

同研究および、続けて2016年に同誌系列の「Strength and Conditioning Journal」誌(38巻4号42-49ページ)でズルドス氏・エリック・ヘルムズ(Eric Helms)氏らが発表した実践応用に関する論文では、RPE10が「限界(RIR0)」、RPE9が「あと1回(RIR1)」に対応すると定義されている。

RPE RIR(あと何回できるか) 感覚
10 0回 限界、これ以上は1回も挙げられない
9 1回 かなりきついが、あと1回なら可能
8 2回 きつい、あと2回なら可能
7 3回 余力あり、あと3回程度
6以下 4回以上 余力が大きく、強度の自覚がしづらくなる

研究では、RPE6以下の低強度になるほど、本人の自己評価と実際の挙上速度の対応が弱くなる傾向も示されており、RPE/RIRは中〜高強度のセットで特に有用とされている。

よくある質問

初心者でもRPE/RIRは使えるのか

ズルドス氏らの研究では、訓練経験が浅い人ほど高強度での自己評価の精度が経験者に劣る傾向が示された。導入初期は主観だけに頼らず、実際に限界まで追い込んで感覚をすり合わせる期間を設けるのが現実的である。

毎回限界(RPE10)まで追い込むべきか

この論文はRPE/RIRという測定尺度そのものを検証したもので、毎回限界まで追い込むべきかどうかの結論は示していない。負荷管理の一つの手段として、体調に応じてRPEの目標値を変える使い方が実践的である。

KINNIKU TIMESの視点

RPE/RIRは「今日は何キロ扱うべきか」を体調に合わせて調整できる便利な尺度だが、正確に使うにはある程度の経験が必要だ。慣れないうちは重量だけでなく、フォームの崩れや関節の違和感も合わせて確認し、無理に限界まで追い込まない範囲で感覚を磨いていきたい。持病や既往症がある場合、高強度トレーニングを始める前に医師に相談することをおすすめする。負荷と回数の基本的な使い分けは筋肥大・筋力とレップ数の関係を解説した記事も参考にしてほしい。


出典:Zourdos MC, et al. "Novel Resistance Training-specific Rating of Perceived Exertion Scale Measuring Repetitions in Reserve." J Strength Cond Res. 2016;30(1):267-275. / Helms ER, Cronin J, Storey A, Zourdos MC. "Application of the Repetitions in Reserve-based Rating of Perceived Exertion Scale for Resistance Training." Strength Cond J. 2016;38(4):42-49.

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