筋肉痛(DOMS)はなぜ起こる?遅発性筋肉痛の原因とケア方法
筋トレの翌日以降に遅れて出る筋肉痛「DOMS」は、慣れない動きや伸張性(エキセントリック)の負荷による筋線維・結合組織の微細な損傷とそれに伴う炎症反応が関わっているとされる。
運動後24〜72時間でピークに達し、1週間ほどで治まるのが一般的である。
筋トレの翌日以降に遅れてやってくる筋肉痛「DOMS(遅発性筋肉痛)」は、慣れない動きや伸張性(エキセントリック)の負荷が筋線維や結合組織に微細な損傷を与え、それに伴う炎症反応が痛みに関わっていると考えられている。一般的には運動後24〜72時間でピークに達し、1週間ほどで治まるとされる。
DOMSはなぜ起こるのか
DOMSの発生機序について、スポーツ医学の学術誌「Sports Medicine」に掲載されたチョン(Cheung)・ヒューム(Hume)・マクスウェル(Maxwell)によるレビュー(2003年)は、エキセントリック収縮を伴う運動や慣れない運動の後に生じやすいと報告している。一時期は「乳酸がたまるから筋肉痛になる」という説明が広く信じられていたが、乳酸は運動終了後1時間程度で血中からほぼ消失するため、半日以上経ってから強まる痛みの説明にはならない。現在では、筋線維や周囲の結合組織の微細な損傷と、それに続く炎症反応が痛みの感受性を高めることが主な要因と考えられているが、同レビューも単一の仮説では説明できず複数の要因が関わるとしている。
いつピークになり、いつ治まるのか
多くの研究・解説で共通して示されているおおまかな経過は次の通りである。
| 経過 | 目安 |
|---|---|
| 痛みが出始める | 運動後12〜24時間程度 |
| 痛みのピーク | 運動後24〜72時間程度 |
| 治まる | 1週間前後 |
痛みが1週間以上長引く場合や、安静にしていても強い痛みが続く場合は、筋肉痛以外の損傷の可能性もあるため、無理に運動を続けず医療機関に相談したい。
痛みを和らげる方法はあるのか
前述のCheungらのレビューによると、運動そのもの(軽い運動)は一時的に痛みを和らげる効果が最も確認されているが、効果は一時的であり根本的な回復を早めるものではないとされる。消炎鎮痛薬(NSAIDs)やマッサージについては、タイミングや方法によって結果が分かれ、効果は一貫していないと報告されている。同レビューは、強い筋肉痛を引き起こすような負荷の高い運動の後は1〜2日程度強度を落とすこと、新しい種目や強度を上げる際は1〜2週間かけて段階的に慣らしていくことを勧めている。トレーニング前のウォームアップも、筋肉への急な負荷を避ける一つの対策になる。
筋肉痛がないと効いていない、は本当か
DOMSの強さは、筋肥大の効果を直接示す指標ではないと考えられている。同じ種目を繰り返すうちに筋肉痛が軽くなっていく「repeated bout effect(反復ボウト効果)」と呼ばれる現象が知られており、痛みが減ったからといって筋肉が成長していないとは言えない。ジャーマンボリューム法(GVT)のような高ボリュームのトレーニング後は特にDOMSが出やすいが、これも一時的な反応であり、継続的に同じ刺激を与えれば徐々に軽減していく。
こんな症状が出たら要注意
米疾病対策センター(CDC)は、通常の筋肉痛とは異なる横紋筋融解症(筋肉の組織が壊れる状態)のサインとして、予想以上に重い筋肉の痛み・けいれん、紅茶やコーラのような色の濃い尿、強い倦怠感や脱力感を挙げている。極端に高強度な運動や、慣れていない運動を急に長時間行った後にこうした症状が出た場合は、自己判断でケアを続けず速やかに医療機関を受診するべきである。
よくある質問
筋肉痛がある部位は追い込みすぎた証拠か
必ずしもそうではない。慣れていない動作をした際に強く出やすく、トレーニングの効果を直接示す指標ではないとされる。
筋肉痛が残っている間も同じ部位を筋トレしていいか
強い筋肉痛を引き起こした運動の後は1〜2日程度強度を落とすことが勧められている。痛みが強い場合は無理をせず回復を優先したい。
KINNIKU TIMESの視点
DOMSは筋トレを続けていれば誰もが経験する一般的な反応であり、それ自体を過度に怖がる必要はない。一方で「痛いほど効いている」と考えて無理に追い込みすぎると、回復が追いつかずオーバートレーニングにつながる恐れもある。分割法でトレーニングする部位をずらしたり、新しい種目・重量は段階的に増やしたりすることで、過度なDOMSを避けながら継続的にトレーニングを積み重ねていきたい。症状に不安がある場合は、自己判断せず医師に相談することをお勧めする。
出典:Cheung K, Hume PA, Maxwell L. "Delayed onset muscle soreness: treatment strategies and performance factors." Sports Medicine 33(2):145-164(2003)/CDC NIOSH「Signs and Symptoms of Rhabdomyolysis」
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