デレク・ランスフォードとは何者か 212級とオープンの両方を制した史上初の王者
2025年ミスター・オリンピアのデレク・ランスフォードは、212級とオープンの両部門でオリンピアを制した初めての選手である。身長168センチの王者が歩んできた競技人生を戦績で振り返る。
デレク・ランスフォード(Derek Lunsford)は、軽量級の212級と最高峰のオープンの両部門でオリンピアを制した史上初のボディビルダーである。2023年に初めてミスター・オリンピアの座に就き、2025年に王座を奪還した。身長は168センチと小柄ながら、大型の選手がそろうオープン部門で頂点に立った王者の歩みを整理する。
インディアナ州出身、2017年にプロ入り
ランスフォードは1993年5月14日、米インディアナ州ピーターズバーグ生まれ。大会時の体重は約102キロとされる。2017年のNPC全米選手権(NPC USA Championships)でIFBBプロカードを獲得し、同年のタンパ・プロで212級に出場してプロ初戦で優勝を飾った。
212級王者からオープンへ
転機は2021年だった。212級オリンピアで、当時の王者ショーン・クラリダ(Shaun Clarida)を抑えて優勝したのである。翌2022年には特別招待でオープン部門に挑戦し、いきなり2位に入って周囲を驚かせた。そして2023年、ついにミスター・オリンピアの称号を手にした。
| 年 | 部門 | オリンピアの順位 |
|---|---|---|
| 2021 | 212級 | 優勝 |
| 2022 | オープン | 2位 |
| 2023 | オープン | 優勝 |
| 2024 | オープン | 3位 |
| 2025 | オープン | 優勝 |
王座陥落からの奪還
2024年はサムソン・ダウダ(Samson Dauda)に王座を譲り、3位に後退した。しかし2025年は3月のアーノルド・クラシックで優勝し、秋のオリンピアでも王座を取り戻した。一度失ったミスター・オリンピアの称号を取り戻したのは、2009年のジェイ・カトラー(Jay Cutler)以来とされる。2025年オリンピアの優勝賞金は60万ドルだった。
2026年大会(9月24〜27日、ラスベガス)では、前回王者として3度目の優勝を狙う。達成すれば、2011〜2017年に7連覇したフィル・ヒース(Phil Heath)以来となる通算3度目の王者となる。なお、2025年2位のハディ・チューパン(Hadi Choopan)は、ビザ手続きの問題で2026年大会の欠場を表明している。
KINNIKU TIMESの視点
ランスフォードの経歴が示すのは、身長や骨格の大きさだけがオープンの勝敗を決めるわけではないということだ。212級で磨いた均整と仕上がりの良さを保ったまま筋量を上乗せしたことが、大型選手との比較でも負けない体を生んだと言える。また、2024年の敗戦から翌年にアーノルドとオリンピアを連取した立て直しの速さも特筆に値する。2022年以降は毎年王者が入れ替わってきたオープン部門で、その流れを止めて連覇を達成できるか。その結果は、彼が「時代を築く王者」となるかどうかの試金石になるだろう。
出典:Wikipedia「Derek Lunsford」/Wikipedia「Mr. Olympia」/Fitness Volt「2025 Arnold Classic Open Bodybuilding Results」/Fitness Volt「2026 Mr. Olympia Men's Open Preview」(2026年9月21日)/Generation Iron「Hadi Choopan OUT of 2026 Mr. Olympia Due to Visa Issues」(2026年8月26日)