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閉経後も筋トレ効果は同じ?女性4,019人・126研究のメタ分析で筋力の伸びに差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
ジムでウエイトトレーニングをする女性
SUMMARY|この記事の要約

筋トレによる筋力の伸びは閉経前の女性(SMD1.50)と閉経後の女性(SMD1.46)でほぼ同じで、有意差はなかった。健康な女性4,019人・126研究のメタ分析で、年齢やトレーニング頻度も効果の大きさと関連しなかった。

筋トレによる筋力の伸びは、閉経前の女性と閉経後の女性でほぼ同じだった。エドゥアルト・イーゼンマン(Eduard Isenmann)らの研究チームが、健康な成人女性4,019人を対象とした126研究のシステマティックレビューとメタ分析を、オーストラリアの学術誌『Journal of Science and Medicine in Sport』に発表した(2026年3月オンライン公開、第29巻10号に掲載)。年齢や閉経の有無にかかわらず、筋トレは筋力と体組成の改善と関連していた。

ラットプルダウンのマシンでトレーニングする女性
写真はイメージです(Unsplash)

なぜ女性だけを集めたメタ分析なのか?

筋トレの研究は男性を対象にしたものが多く、ガイドラインも主に男性のデータに基づいている。著者らは、女性に限って筋力と体組成への効果を体系的に評価したメタ分析はこれまでなかったとして、18歳以上の健康な女性の研究を集め、閉経前と閉経後で効果に違いがあるかを調べた。

どんな研究か?対象と方法

項目 内容
対象研究 126研究(4つの文献データベースを検索)
参加者 健康な女性4,019人(閉経後66.2%、平均50.9歳)
分析 ランダム効果モデルで標準化平均差(SMD)を統合、閉経前後のサブグループ解析とメタ回帰
事前登録 PROSPERO(CRD42024600270)

閉経後でも筋力は伸びる?結果の数字

筋力の向上幅は、閉経前でSMD1.50、閉経後でSMD1.46と、どちらも大きく、両者の間に有意差はなかった(p=0.520)。SMDは研究ごとに単位が違う結果をそろえて比べるための指標で、一般に0.8以上は「大きい」効果とされる。

指標 効果(SMD) 95%信頼区間
筋力(閉経前) 1.50 1.28〜1.73
筋力(閉経後) 1.46 1.26〜1.67
除脂肪量などの機能的な組織量の増加 0.27 0.18〜0.35
脂肪量の減少 0.30 0.25〜0.35

体組成でも閉経前後の差は有意ではなかった(いずれもp>0.440)。さらにメタ回帰では、年齢、トレーニング期間、週の頻度、総セッション数のいずれも効果の大きさと関連していなかった(いずれもp>0.05)。

この研究の限界は?

筋力の効果は大きい一方、体組成の効果は0.3前後と小さく、筋力ほど大きな変化ではない。筋力の初期の伸びには神経の適応も含まれる。また、対象や方法の異なる多数の研究を統合した分析であり、結論は「改善と関連している」という表現にとどまる。SMDは標準化した指標のため、「何kg増えたか」はこの要旨からはわからない。

よくある質問

閉経後に筋トレを始めても効果はある?

このメタ分析では、閉経後の女性の筋力の伸び(SMD1.46)は閉経前(SMD1.50)とほぼ同じで、有意差はなかった。

女性は男性と違う筋トレメニューにすべき?

著者らは、一般的なトレーニングの指針は女性にも当てはまり、性別や年齢で厳密に分けるより個人に合わせた調整が大切だとしている。

何歳から始めても筋力は伸びる?

分析では年齢と効果の大きさに関連はみられなかった。対象は18歳以上の健康な女性で、平均年齢は50.9歳だった。

KINNIKU TIMESの視点

「閉経したらもう筋肉はつかない」「年齢的に手遅れ」という見方を、126研究の分析結果は支持していない。同じメニューなら男女で同じ割合で筋肉が育つという男女差のメタ分析の記事とも整合する結果だ。実践面では、特別な「女性向け」メニューを探すより、米国スポーツ医学会の新ガイドラインのような一般的な指針に沿って、無理のない重量と頻度で続けることが近道である。体組成の変化は筋力より緩やかなので、体重計の数字より扱える重量の伸びを励みにしたい。


出典:Isenmann E, Geisler S, Havers T, Siegert F, Hemke F, Held S. Journal of Science and Medicine in Sport 29(10):1174-1185(2026年)ScienceDirect論文(DOI: 10.1016/j.jsams.2026.03.002)