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血流制限トレーニングの効果は?運動不足の大学生48人、軽い負荷6週で力こぶの伸び約4倍

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
木の床に置かれたダンベル2個とトレーニング用バンド
SUMMARY|この記事の要約

運動習慣のない大学生48人の6週間の試験で、軽い負荷の運動に血流制限(BFR)を加えた群は、上腕二頭筋の筋厚の増加が0.45cmと、BFRなしの群(0.11cm)の約4倍だった。ただし高重量の通常の筋トレとは比べておらず、BFR群の29%が1週目に一時的な不快感を訴えている。

軽い重量でも、腕や脚の付け根を専用のカフで圧迫する「血流制限トレーニング(BFR)」を加えると、筋肉の伸びが大きく変わる。運動習慣のない大学生48人を対象にした6週間の試験で、BFRを加えた群は上腕二頭筋(力こぶ)の筋厚の増加が、同じ運動をBFRなしで行った群の約4倍だった。中国・重慶医科大学のイルファン・アフマド(Irfan Ahmad)氏らの研究で、学術誌「Frontiers in Physiology」に2026年に掲載された。

ジムでトレーニングする人たち
写真はイメージです(Unsplash)

どんな試験だったのか?

対象は運動習慣のない大学生48人(男性25人、女性23人、平均年齢約19歳)。24人ずつ2群に無作為に分け、全員が同じ全身の運動プログラムを週4回、6週間(計24回)行った。違いはカフで血流を制限するかどうかだけである。

項目 内容
負荷 最大挙上重量(1RM)の30%(1〜3週目)→40%(4〜6週目)
回数・セット 各種目3セット、20回(1〜3週目)→30回(4〜6週目)、セット間休息30秒
主な種目 スクワット、膝の曲げ伸ばし、腕の曲げ伸ばし、握力運動など
カフの圧 各自の動脈閉塞圧(血流が止まる圧)の50%
完遂率 48人全員が完了

血流制限で筋肉はどれだけ増えた?

超音波で測った筋厚の増加量を比べると、差がはっきり出たのは腕だった。

測定項目 BFRあり BFRなし
右上腕二頭筋の筋厚 +0.45cm +0.11cm
左上腕二頭筋の筋厚 +0.37cm +0.10cm
右大腿直筋の筋厚 +0.13cm +0.02cm
左手の握力 +3.63kg +1.09kg
懸垂(男性) +5.92回 +2.08回
腹筋運動(女性) +11.18回 +3.33回

いずれもBFRあり群の伸びが有意に大きかった。一方、腓腹筋(ふくらはぎ)の筋厚、右手の握力、立ち幅跳び、100m走のタイムには群間の有意差がなかった。

血流制限トレーニングは安全?

重い有害事象は報告されていない。ただしBFR群の7人(29%)が、1週目に軽いしびれや痛みなどの一時的な不快感を訴えた。いずれも自然に治まり、途中でやめた人はいなかった。

この研究の限界は?

比較対象は「同じ軽い運動のBFRなし」であり、高重量の通常の筋トレとは比べていない。期間は6週間、対象は1つの大学の若く健康な運動未経験者に限られる。男女別の分析は人数が少なく、参考程度とされている。筋トレ経験者を含む研究の統合では、BFRの上乗せは「小さい」とする結果も出ている(859人のメタ分析の記事)。

よくある質問

血流制限トレーニングなら軽い重量でも筋肉はつく?

この試験では、1RMの30〜40%という軽い負荷でも、BFRを加えると上腕二頭筋の筋厚が大きく増えた。ただし高重量の筋トレより優れるかは検証されていない。

ベルトやバンドで自己流に締めてもよい?

試験では各自の動脈閉塞圧を測り、その50%に圧を管理していた。圧の管理ができない自己流の締め付けについて、この研究から安全性や効果は言えない。

KINNIKU TIMESの視点

重い重量を扱えない人や、筋トレを始めたばかりの人にとって、軽い負荷で筋肉を伸ばせる手段があることは心強い。一方で、高重量を扱える人がBFRに切り替える根拠にはならない。軽い重量でも限界近くまで行えば筋肥大は得られるという研究もある(経験者49人の比較試験の記事)。BFRを試すなら、圧を測って管理できる器具と指導者のもとで行い、持病のある人は事前に医師に相談したい。


出典:Ahmad I, et al. Frontiers in Physiology(2026年)