カフェインガムの効果は?25研究・390人のメタ分析、10分かむと運動能力が小さく向上
カフェインガムは運動パフォーマンスを有意に高めるが、25研究・390人のメタ分析で効果量は0.195と「ごく小さい」水準だった。効果はトレーニングを積んだ人と10分間かんだ場合に目立ち、筋力・筋持久力では有意差がなかった。
カフェイン入りのガムは運動パフォーマンスを統計的に有意に高めるが、その効果は「ごく小さい」とするメタ分析が発表された。ホセイン・ミラフタビ(Hossein Miraftabi)氏、オリヴィエ・ジラール(Olivier Girard)氏らの研究チームが、25研究・390人のデータを統合し、2026年9月9日に学術誌『Sports Medicine – Open』で公表した。効果はトレーニングを積んだ人と、10分間かんだ場合に目立った。

カフェインガムとは?なぜ「速く効く」とされる?
カフェインガムは、かむことで口の中の粘膜からカフェインを吸収させるタイプの製品である。著者らは、口腔からの吸収が速く効き始めも早いため、試合直前など時間が限られた場面で使いやすい選択肢だとしている。今回の分析は、カフェインガムとプラセボ(カフェインなしのガム)を比べた研究だけを対象にした。
どんな研究を集めたのか?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 研究数・人数 | 25研究・390人(男性359人、女性31人) |
| カフェイン量 | 体重1kgあたり1.35〜6.4mg(多くは2〜4mg) |
| かむ時間 | 5分または10分 |
| かむタイミング | 多くは運動の0〜10分前(最大60分前) |
| 評価項目 | 有酸素持久力、無酸素性能力、垂直跳び、筋力・筋持久力 |
カフェインガムの効果はどのくらい?
全体の効果量(標準化平均差)は0.195(95%信頼区間0.115〜0.275)で、「ごく小さいが有意な改善」と判定された。研究間のばらつきは小さかった(I²=4%)ものの、エビデンスの確実性は「低い」とされている。
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| 有酸素持久力 | 小さいが有意な効果 |
| 無酸素性能力・垂直跳び | ごく小さいが有意な効果 |
| 筋力・筋持久力 | 有意差なし |
| トレーニングを積んだ人(304人) | 効果量0.228で有意 |
| レクリエーションレベルの人(59人) | 効果量−0.038で有意差なし |
| 10分かんだ場合(190人) | 効果量0.262で有意 |
| 5分かんだ場合(110人) | 効果量0.142で有意差なし |
カフェイン量が多いほど効果が大きくなる関係もみられた。一方、運動の何分前にかむかは効果に影響しなかった。普段のカフェイン摂取量が1日150mg以下、150〜300mgの人では効果がみられたが、300mgを超える人では有意ではなかった。
この研究の限界は?
参加者の9割超が男性で、女性のデータは少ない。対象研究の多くはバイアスのリスクに「懸念あり」または「高い」と判定され、各項目の確実性は「低い」〜「非常に低い」にとどまる。未発表の研究などは体系的に探していない。
よくある質問
カフェインガムは筋トレの重量アップに効きますか?
今回の分析では、筋力・筋持久力の項目で有意な効果は確認されなかった。効果がみられたのは主に持久力やジャンプなどである。
カフェインガムは何分前にかめばよいですか?
運動前のタイミングによる差はみられなかった。かむ時間は5分より10分で有意な効果が出ており、著者は体重1kgあたり2〜4mg・10分間の条件で効果が明らかだったとしている。
コーヒーよりカフェインガムの方が効きますか?
分からない。今回の研究はカフェインガムとプラセボを比べたもので、コーヒーやカプセルとは直接比較していない。
KINNIKU TIMESの視点
筋トレの重量を伸ばす目的なら、カフェインガムを優先する理由は乏しい。一方、ランニングや球技の試合直前など「すぐ効かせたい」場面では選択肢になりうる。普段からコーヒーやエナジードリンクを多く飲む人は効果を感じにくい可能性があり、ガムの分も含めた1日の総カフェイン量で考えたい。夕方以降の使用は睡眠への影響にも注意が必要だ。量の目安は国際スポーツ栄養学会のカフェイン見解の解説、飲み物との違いはエナジードリンクとカフェインの比較試験も参考になる。