カフェインは少量でも効く?48試験のメタ分析、体重1kgあたり3mg以下で持久力が向上
運動前のカフェインは体重1kgあたり1.3〜3mgの少量でも持久系のタイムトライアル成績を高め、4〜6mgではより安定した効果がみられた。48研究・689人のメタ分析で、参加者の約93%は男性だった。
運動前のカフェインは体重1kgあたり3mg以下の少量でも持久系のタイムトライアル成績を高め、4〜6mgではより安定した効果がみられるとするメタ分析が発表された。ブラジル・サンパウロ大学などの研究チーム(筆頭著者:ガブリエル・L・マルチンス〈Gabriel L. Martins〉氏)が48件の研究・689人のデータを統合し、2026年6月19日に学術誌『Nutrients』で公表した。

カフェインは何mgから効く?
カフェインの運動効果については、これまで体重1kgあたり3〜6mgが目安とされてきた。一方で持久系のタイムトライアルの成績は、研究によって約−3%から+16%まで大きくばらついていた。量を増やすと副作用が増える恐れがあるため、研究チームは用量を「低用量(3mg以下)」「中用量(4〜6mg)」「高用量(6mg超)」に分け、どの量で効果が出るのかを調べた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象研究 | ランダム化・プラセボ対照試験48件(689人) |
| 対象者 | 18〜59歳の健康な成人(男性が約93%) |
| 摂取方法 | 運動前に無水カフェインを1回口から摂取 |
| 評価 | 自転車やランニングなどのタイムトライアルの完走時間 |
低用量でもタイムは縮んだ
プラセボと比べ、低用量・中用量のどちらでも完走時間は有意に短くなった。効果の大きさを示す標準化平均差(SMD)は次の通りである。
- 低用量(約1.3〜3mg/kg):SMD −0.27(95%信頼区間 −0.44〜−0.11)
- 中用量(4〜6mg/kg):SMD −0.52(95%信頼区間 −0.77〜−0.28)
- 高用量(6mg/kg超):条件を満たす研究がなく評価できず
体重70kgの人なら、3mg/kgは210mg、1.3mg/kgは約91mgにあたる。中用量では、よく鍛えた人とトップレベルの選手のどちらでも同程度の効果がみられた。著者らは「低用量でも持久力を高める可能性があり、中用量はより一貫した効果を示す」とまとめている。
研究の限界
中用量の結果は研究間のばらつきが大きかった(I²=73%)。参加者の約93%が男性で、女性への当てはまりは分からない。摂取のタイミングは運動の60分前が多く、カフェインの代謝に関わる遺伝子の違いも十分に考慮されていない。また対象は持久系の種目で、筋トレの挙上重量や回数への効果を調べたものではない。
よくある質問
カフェインは1回何mgとれば効果がある?
今回の分析では、体重1kgあたり1.3〜3mgの少量でも持久系のタイムが縮んだ。4〜6mgではより安定した効果がみられた。
筋トレにも同じ量で効く?
この研究は持久系の種目が対象である。筋トレでの効果は国際スポーツ栄養学会の見解などで別に確認したい。
KINNIKU TIMESの視点
「多いほど効く」と考えて量を増やす必要はなさそうだ。まずは体重1kgあたり3mg程度の少量から試し、体調や睡眠への影響をみながら調整するのが現実的である。カフェインの感じ方には個人差が大きく、夕方以降の摂取は眠りを妨げやすい。コーヒーやサプリの製品表示でカフェイン量を確かめ、1日の合計量にも気を配りたい。女性を対象にした研究はこちらの記事で紹介している。
出典:Nutrients(2026年6月19日)/DOI: 10.3390/nu18121989/Science X(2026年6月)