筋トレ後の飲酒は筋タンパク質合成を最大37%抑制すると海外研究で判明
筋トレ後にアルコールとタンパク質を同時摂取すると、タンパク質のみの場合と比べて筋タンパク質合成率が24%、糖質と一緒だと37%低下することが豪州の研究で確認された。
対象は健康な男性8人の小規模な試験で、単回の急性反応を見たものであり、長期的な筋肥大への影響は別途検証が必要である。
筋トレ直後にアルコールとタンパク質を一緒に摂取すると、タンパク質のみを摂った場合に比べて筋タンパク質合成率が最大37%低下することが、オーストラリアの研究チームによるランダム化比較試験で示されている。筋トレ後の「祝杯」がどの程度筋肥大の妨げになり得るのか、確認できた研究データをもとに整理する。
豪州の研究チームが行った試験の内容
この研究は2014年に学術誌「PLoS ONE」に掲載された。対象は健康な男性8人(平均年齢21.4歳)で、レジスタンス運動と持久性運動を組み合わせた「同時トレーニング」を1回行った後、次の3パターンのいずれかを摂取する無作為化クロスオーバー試験が行われた。
| 摂取パターン | 内容 |
|---|---|
| PRO群 | タンパク質25gのみ |
| ALC+PRO群 | アルコール(体重1kgあたり1.5g)+タンパク質25g |
| ALC+CHO群 | アルコール(体重1kgあたり1.5g)+糖質25g |
体重1kgあたり1.5gのアルコールは、体重70kgの成人男性であれば純アルコール換算で約105gに相当し、ビール(度数5%)なら約2.6リットル、いわゆる「飲み会1回分」に近い量である。
筋タンパク質合成率はどう変化したか
安静時と比べた運動後の筋タンパク質合成率(単位:%/時間)は、PRO群が0.052(安静時比109%増)だったのに対し、ALC+PRO群は0.039(PRO群比24%低下)、ALC+CHO群は0.032(PRO群比37%低下)にとどまった。研究チームは、運動後にタンパク質を摂取しても、同時にアルコールを摂ると筋タンパク質合成の促進効果が目減りすること、さらにタンパク質を摂らずアルコールと糖質だけを摂った場合はより大きく低下することを報告している。
この結果をどう受け止めるべきか
この試験は8人という小規模な集団を対象に、運動直後の急性反応(数時間単位の変化)を1回だけ測定したものであり、長期間アルコールを摂り続けた場合に実際の筋肥大や筋力にどこまで影響するかを直接示したものではない。また対象は男性のみで、女性や年齢層の異なる集団への当てはめには注意が必要である。研究チーム自身も、今回の結果は急性の反応であることを踏まえて解釈すべきだとしている。
読者が実践するならどうするか
筋トレ後の飲酒を完全に禁じる根拠まではこの1本の研究だけでは示されていないが、「トレーニングの成果を最大化したい日」に限っては、運動後はまずタンパク質と糖質をしっかり摂り、アルコールは時間を置いてからにする、または量を控えるという選択が無難といえる。過度な飲酒は睡眠の質の低下や翌日のトレーニングの質低下にもつながり得るため、量を控えめにすることが望ましい。飲酒習慣について不安がある場合は、医師や専門家に相談してほしい。
よくある質問
少量のビール1杯程度でも筋タンパク質合成は落ちますか
今回の研究で使われたアルコール量はビール約2.6リットル相当とかなり多く、少量での影響を直接示したデータではないため、この研究結果をそのまま少量飲酒に当てはめることはできない。
アルコールと一緒に飲むならタンパク質と糖質、どちらが良いですか
この試験では、アルコールと一緒にタンパク質を摂った群(ALC+PRO)の方が、アルコールと糖質を摂った群(ALC+CHO)よりも筋タンパク質合成率の低下幅は小さかった。
KINNIKU TIMESの視点
「筋トレ後の飲酒はどの程度なら許容できるか」という問いに万能の答えはないが、少なくとも運動直後にまとまった量のアルコールを摂ると、タンパク質摂取による筋タンパク質合成の押し上げ効果が目減りすることは、この試験から確認できる。トレーニングの成果を重視したい日は「まずタンパク質、飲酒は控えめに・時間を置いて」を意識するとよいだろう。
出典:Parr EB, et al. "Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis Following a Single Bout of Concurrent Training." PLoS ONE, 2014/関連記事:ホエイプロテインの最適量は1日30〜35g、1552人・36試験の分析で判明
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