デロード週はなぜ必要か 頻度と期間の目安をコーチ調査で解説
デロード週は多くのストレングス系コーチが実践する回復戦略である。2022年の調査では4〜6週間ごと、5〜7日間、ボリューム30〜50%減という回答が多かった。
筋トレのボリュームや強度を定期的に落とす「デロード週」は、多くのストレングス・フィジーク系コーチが実践している回復戦略である。2022年に専門誌に掲載されたコーチ調査によると、実施頻度は4〜6週間ごと、期間は5〜7日、トレーニングボリュームは30〜50%程度落とすという回答が多かった。
デロード週とは何か
デロード週とは、通常のトレーニング期間の合間に意図的に負荷を下げる期間を指す。高強度のトレーニングを続けると、筋肉・関節・神経系に疲労が蓄積し、パフォーマンスの伸び悩みや故障のリスクが高まる。そこで一定期間ごとにボリュームや強度を落とし、体を回復させる狙いがある。
頻度と期間の目安はどのくらいか
英ロバート・ゴードン大学のリー・ベル氏らが2022年に学術誌「Frontiers in Sports and Active Living」に発表した研究では、パワーリフティング・ウエイトリフティング・ボディビルディングのコーチ18人への半構造化インタビューを実施した。この研究は数値を統計的に検証した実験ではなく、現場のコーチの経験・実践を聞き取った定性研究である点に注意が必要だが、回答には共通する傾向が見られた。
| 項目 | コーチの回答傾向 |
|---|---|
| 実施頻度 | 4〜6週間ごとが目安(3〜12週間まで個人差あり) |
| 実施期間 | 1週間程度(5〜7日)。数日の短期デロードを勧めるコーチも |
| ボリューム調整 | 通常の30〜50%程度に削減 |
| 強度(重量) | 調整の仕方はコーチにより異なり、個別対応が重視される |
デロード週に何をすべきか
同研究では、デロード期間中もトレーニング自体を完全にゼロにするのではなく、重量やセット数を落とした形で体を動かし続けることを勧めるコーチが多かったと報告されている。極端な追い込みを避け、睡眠や栄養摂取など回復に関わる生活習慣を見直す期間として位置づける考え方も紹介されている。
オーバートレーニングとの関係
疲労が慢性化し、パフォーマンス低下や意欲低下が長期間続く状態は「オーバートレーニング症候群」と呼ばれ、回復に数週間から数か月を要することもある。デロード週は、そうした深刻な状態に陥る前の予防策として位置づけられる。オーバートレーニングのサインについては、KINNIKU TIMESの別記事も参考にしてほしい。
よくある質問
デロード週は初心者にも必要か
今回紹介した研究は競技志向のコーチを対象にしたものであり、トレーニング歴が浅い初心者に同じ頻度が当てはまるとは限らない。強い疲労感や停滞を感じたときに取り入れを検討する程度でよい。
デロード週は完全休養の週という意味か
今回の調査では、完全休養ではなく重量やボリュームを落として体を動かし続けることを勧めるコーチが多かった。ただし個人の状態次第で完全休養を選ぶ考え方も存在する。
KINNIKU TIMESの視点
デロード週の具体的な頻度や方法に絶対的な正解はなく、今回の研究もあくまで現場のコーチの経験則を集めたものである。とはいえ「疲労が抜けない」「重量が伸びない」と感じたときに、数日から1週間ほどボリュームを落とす期間を意図的に設けるという考え方は、故障予防の観点からも参考にする価値がある。体調に不安がある場合は、無理をせず医師や専門家に相談してほしい。
出典:Bell et al., "You can't shoot another bullet until you've reloaded the gun": Coaches' perceptions, practices and experiences of deloading in strength and physique sports, Frontiers in Sports and Active Living(2022)/KINNIKU TIMES「オーバートレーニングのサインとは?回復に必要な期間と対処法を解説」
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