ボディビルの勝敗はどう決まる? 規定ポーズ8種と予選・決勝の採点の仕組み
ボディビル大会の順位は、規定ポーズによる比較審査とフリーポーズで決まる。オリンピアを主催するIFBBプロリーグの規定と、国内のJBBFの審査方法を比べながら、観戦がもっと面白くなる審査の基本を解説する。
ボディビルの順位は、選手を横に並べて同じポーズを取らせる「比較審査」を軸に決まる。筋肉の大きさだけでなく、全身のバランスや仕上がり、見せ方まで総合的に評価されるのが特徴だ。9月24日に開幕するオリンピアを前に、プロの審査規定と国内大会の違いを整理しておきたい。
規定ポーズは8種類
オリンピアを主催するIFBBプロリーグの規定では、オープンと212級の男子ボディビルで行う規定ポーズは次の8種類である。
| No. | ポーズ名 | 主に見られる部位 |
|---|---|---|
| 1 | フロント・ダブルバイセップス | 腕、肩、全身の外形 |
| 2 | フロント・ラットスプレッド | 背中の広がり(正面から) |
| 3 | サイドチェスト | 胸の厚み、腕、脚 |
| 4 | バック・ダブルバイセップス | 背中の厚みと細部 |
| 5 | バック・ラットスプレッド | 背中の広がり(背面から) |
| 6 | サイドトライセップス | 上腕三頭筋、脚 |
| 7 | アブドミナル・アンド・サイ | 腹筋と太もも |
| 8 | モストマスキュラー | 全身の筋量と迫力 |
クラシックフィジークは規定ポーズが5種類で、モストマスキュラーの代わりに「フェイバリット・クラシックポーズ」を行う。メンズフィジークとビキニには規定ポーズがなく、正面・背面のターンなどで審査される。
予選と決勝で何が行われるか
プロの大会では、まず「ジャッジング」と呼ばれる審査ラウンドが行われる。選手は1人ずつ最長60秒の個人ポーズを披露した後、グループでクォーターターン(正面、側面、背面へ向きを変える動作)と規定ポーズを行う。ヘッドジャッジが選手を選んで並べ直す「コールアウト」が比較審査の山場であり、誰と並べられるかで上位争いの構図が見えてくる。
決勝では、選手が自ら選んだ音楽に合わせてフリーポーズを披露する。時間はオープンと212級が最長3分、クラシックフィジークが最長2分である。最後は60秒間のポーズダウンで締めくくられる。
採点の比重
オープンの男子ボディビルでは、審査ラウンドと決勝がそれぞれ50%の比重を持つ。ヘッドジャッジの判断で、決勝のコールアウトを採点対象の「確認ラウンド」とすることもあり、その場合は審査ラウンドの点数が置き換えられる。クラシックフィジーク、メンズフィジーク、ビキニは審査ラウンドの評価で順位が決まる。
国内のJBBFでは規定ポーズは7種類
国内のJBBF系の大会では、男子ボディビルの規定ポーズはモストマスキュラーを除く7種類である。予選ではラインナップ、クォーターターン、規定7ポーズで審査して上位選手を選び、決勝ではフリーポーズも披露する。笹川スポーツ財団の解説によれば、判定は「筋肉」「均整」「ポージング」の3つの観点から行われ、筋肉の境目がくっきりと見える仕上がりが重視される。日本選手権ではモストマスキュラーは特別賞として表彰されており、2025年は王者の扇谷開登が受賞した。
KINNIKU TIMESの視点
観戦のコツは、まず「誰がセンターに呼ばれているか」に注目することだ。コールアウトで中央に並べられる選手は、審査員が上位と見ている可能性が高い。また、ポーズごとに順位が入れ替わる接戦では、背中のポーズで差がつくことが多い。2026年のアーノルド・クラシックを制したアンドリュー・ジャックドも、背面のポーズでの優位が勝因と報じられた。審査の仕組みを知れば、同じステージでも見える景色が大きく変わるはずである。
出典:IFBB Pro League「Rules」/Fitness Volt「Men's Classic Physique Division」/ボディビル・フィットネス大会 審査要項(男子ボディビル審査方法)/笹川スポーツ財団「ボディビルの歴史・ルール・道具」/FITNESS LOVE「2025日本男子ボディビル選手権」/Men's Journal(2026年3月9日)