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アシュワガンダの筋トレ効果は?3試験・161人のメタ分析でベンチ1RMに上乗せも確実性は低い

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
サプリメントの錠剤のアップ
SUMMARY|この記事の要約

アシュワガンダを筋トレと8〜12週間併用した3試験・161人のメタ分析では、ベンチプレス1RMの伸びに標準化平均差0.60の上乗せが見られたが、根拠の確実性は「低い」と評価された。少数試験向けの補正では有意差が消え、体脂肪率への効果も確認されなかった。

ハーブ由来のサプリメント「アシュワガンダ」を筋トレと併用すると、ベンチプレスなどの最大挙上重量の伸びがやや大きくなる可能性がある一方、その根拠の確実性は「低い」とするメタ分析が発表された。韓国・東新大学(Dongshin University)のJung-Chul Lee氏とAn-Sik Heo氏が2026年8月27日、学術誌『Nutrients』に報告したもので、3件のランダム化比較試験(計161人)のデータを統合している。

アシュワガンダのメタ分析のフォレストプロット(ベンチプレス1RM、下半身1RM、胸囲、体脂肪率)
図:Jung-Chul Lee、An-Sik Heo「Adjunctive Ashwagandha (Withania somnifera) Supplementation and Resistance-Training Adaptations in Healthy Adults」Nutrients(2026)Figure 3/出典:Nutrients/ライセンス:CC BY(MDPIのオープンアクセス方針による)(改変なし)

アシュワガンダは筋トレに上乗せ効果があるのか

アシュワガンダ(学名Withania somnifera)は、筋トレ愛好家の間でも話題になることが多いハーブである。研究チームは文献データベースから2,341件の記録を洗い出し、条件を満たす4件のランダム化比較試験を特定した。このうち1件は報告値に不自然な点があるとして統計的な統合から外し、残る3件を分析した。

試験 解析対象 参加者
Wankhede(2015年) 50人 筋トレ経験の少ない18〜50歳の男性
Ziegenfuss(2018年) 38人 運動習慣のある平均26歳前後の男性
Verma(2023年) 73人 運動習慣のある18〜45歳の男女

摂取量は1日300〜600mg、期間は8〜12週間で、いずれも筋トレと組み合わせてプラセボ(偽薬)と比較している。

ベンチプレスとスクワット系の1RMはどれだけ伸びた?

結果は標準化平均差(SMD、効果の大きさを示す指標)で示された。一般に0.2で小さい、0.5で中程度とされる。

項目 SMD(95%信頼区間) 確実性
ベンチプレス1RM 0.60(0.20〜1.01) 低い
下半身の1RM 0.52(0.19〜0.86) 低い
胸囲 0.86(0.41〜1.31) 非常に低い
体脂肪率 −0.32(−0.72〜0.08) 低い

数字だけを見ると筋力に中程度の上乗せがあるように見える。しかし、試験数が少ない場合に適した補正(HKSJ法)をかけると、ベンチプレスも下半身も信頼区間が0をまたぎ、統計的に有意ではなくなった。体脂肪率には有意な差がなかった。胸囲は2試験のみで、筋肉量を直接測ったものではない。

研究の限界と安全性は?

著者らは限界を率直に挙げている。1試験を除くと結果が変わるなど、各結果が特定の1試験に強く左右されていた。統合した3試験はいずれもアシュワガンダのメーカーから資金提供や製品供給を受けており、効果が大きく出やすかったのは筋トレ未経験者だった。安全性については、試験では概ね良好とされる一方、アシュワガンダに関連した肝障害の症例報告があることにも触れている。

よくある質問

アシュワガンダを飲めば筋力は上がる?

筋トレと併用した3試験では最大筋力にやや上乗せが見られたが、確実性は低く、補正後は有意ではなかった。現時点で効果は確立していない。

試験で使われた量と期間は?

1日300〜600mgを8〜12週間である。これは試験の条件であり、推奨量を示したものではない。

安全性に注意点はある?

著者らは肝障害の症例報告に言及している。持病がある人や服薬中の人は、使用前に医師や薬剤師に相談したい。

KINNIKU TIMESの視点

著者ら自身が「根拠のある介入は筋トレそのもの」と結論づけている点が重要である。アシュワガンダは、あくまで効果が小さく不確かな「追加候補」にとどまる。サプリメントに予算を割くなら、まず体重1kgあたり1.6gを目安としたたんぱく質摂取や、多くの試験で効果が確認されているクレアチンを優先するのが合理的だ。クレアチンの価格は筋トレ最安ナビで比較できる。試す場合も、トレーニング記録をつけて自分の変化を確かめる姿勢を持ちたい。


出典:Lee JC, Heo AS. Nutrients 18(17):2815(2026年8月27日)