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シトルリンマレートの効果は「小さい」。30試験・644人のメタ分析、筋力・筋持久力は有意差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
木のまな板の上のカットしたスイカ
SUMMARY|この記事の要約

30件のランダム化比較試験・644人を統合したメタ分析で、シトルリンマレートは運動パフォーマンス全体の小さな改善と関連していた(g=0.16)。一方、筋持久力や筋力では有意差がなく、証拠の確実性は「低い〜非常に低い」と評価された。

「パンプ系」サプリとして人気のシトルリンマレートは、運動パフォーマンスをどこまで高めるのか。30件のランダム化比較試験、計644人のデータを統合したメタ分析は、全体として「小さな改善と関連していた」と結論づける一方、証拠の確実性は「低い〜非常に低い」と評価した。論文は2026年6月、学術誌『Nutrients』に掲載された。

対象と方法

研究チームは6つの文献データベースを2025年8月まで検索し、シトルリンマレートの摂取が運動パフォーマンスや主観的なきつさ(RPE)に与える影響を調べたランダム化比較試験を集めた。対象者は644人(男性504人、女性140人)で、多くはトレーニング経験者である。1つの研究から複数の結果が出ることを考慮し、138の効果量を「3レベル・メタ分析」という手法で統合した。

結果:効果は小さく、種目によって異なる

評価項目(運動前の単回摂取) 効果量(g) 有意性
運動パフォーマンス全体 0.16 有意
持久系(有酸素) 0.32 有意
短時間の無酸素運動 0.28 有意
筋持久力(反復回数など) 0.15 有意差なし
筋力・パワー 0.10 有意差なし

主観的なきつさへの影響は統計的に有意ではなかった。数週間続けて飲む長期摂取の効果(g=0.13)も有意には届かなかった。持久系と無酸素運動での上乗せは、外れ値を除いた感度分析では小さくなり、有意ではなくなった。

シトルリンマレート摂取が運動パフォーマンス(単回摂取・長期摂取)と主観的なきつさに与える効果量を統合した図
図:Wang Xほか「Effects of Citrulline Malate Supplementation on Exercise Performance: A Systematic Review and Three-Level Meta-Analysis」Nutrients(2026)Figure 2/出典:Nutrients/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

量とタイミング

最も多く使われていた量は8gで、この用量では有意な改善がみられた(g=0.20)。12gでは有意差はなく、量を増やすほど効果が高まるという関係も確認されなかった。タイミングは運動の約60分前が最も多く、この条件で有意な効果がみられた。ただし著者らは、信頼できる用量やタイミング、効果が期待できる対象者はまだ確立されていないとしている。

研究の限界

各試験の参加者数が少なく、統計的な検出力は低かった。効果の予測区間はマイナスからプラスまで幅広く、一部には出版バイアス(効果が出た研究ほど公表されやすい偏り)の兆候もあった。サプリの成分量を実際に検証していない試験が多い点も課題として挙げられている。

KINNIKU TIMESの視点

筋トレ愛好家が最も期待する「挙上回数が増える」「重量が上がる」という点では、今回の分析で有意な上乗せは確認されなかった。シトルリンマレートは、飲めば確実に記録が伸びるサプリではなく、効果があっても小さく、個人差も大きいと理解しておくのが妥当だ。試すなら、研究で多く用いられた「運動の約60分前に8g」を目安にしつつ、まずは食事、睡眠、トレーニング計画といった土台を優先したい。成分量が明記された製品を選ぶことも大切である。


出典:Wang X, et al. Effects of Citrulline Malate Supplementation on Exercise Performance: A Systematic Review and Three-Level Meta-Analysis. Nutrients. 2026;18(12):1881(2026年6月11日)