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抹茶でテストステロンは上がる?22研究のレビュー、確実性は「低い」

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
抹茶の粉をふるいにかける手元
SUMMARY|この記事の要約

抹茶や緑茶の成分でテストステロンが上がるという確かな証拠はなく、22研究・人の参加者700人を整理したレビューで確実性は「低い」と判定された。抹茶そのものでテストステロンとコルチゾールを同時に測った人の試験は1件もなかった。

抹茶や緑茶の成分がテストステロンやコルチゾールに与える影響を調べた22研究のシステマティックレビューで、証拠の確実性は「低い」から「非常に低い」と判定された。サウジアラビアなどの研究者らが2026年9月8日、学術誌『Frontiers in Nutrition』に発表した。対象は人の研究15件(参加者700人)、動物実験5件、試験管内の研究2件である。

抹茶に含まれるカテキン類、カフェイン、テアニン、クロロフィルの化学構造
図:Abdulmohsen Alanaziほか「A CE/TA-stratified systematic review and evidence map of matcha and green tea bioactives in endocrine stress regulation」Frontiers in Nutrition(2026)Figure 1/出典:Frontiers in Nutrition/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

抹茶とテストステロンの研究はどれだけあるのか

レビューは、筋トレ愛好家の間でも話題になる「テストステロン(T)とコルチゾール(C)の比率(T:C比)」に注目した。ところが、抹茶そのものを使った人の試験で、テストステロンとコルチゾールを同時に測った研究は1件もなかった。テストステロンを測った人の研究も2〜3件にとどまる。

項目 内容
研究の種類 システマティックレビュー(エビデンスマップ)
採用研究 22件(人15件・動物5件・試験管内2件)
人の参加者 700人(うちホルモン関連の評価は673人)
確実性(GRADE) コルチゾール・テストステロン:低い/T:C比:非常に低い

「CE/TA比」とは?抹茶と緑茶で結果が違う理由

著者らは、抹茶、淹れた緑茶、テアニン単体、高濃度のEGCG(エピガロカテキンガレート)が「同じもの」として扱われてきた点を問題視した。そこで、ストレスを高める方向に働くとされるカフェインとEGCGの合計を、和らげる方向に働くとされるテアニンとアルギニンの合計で割った「CE/TA比」で研究を整理した。その結果、CE/TA比がおよそ2.0以下の製品で、コルチゾールに関連するストレス反応の抑制が比較的一貫してみられた。比率の高い製品や単一成分では、この傾向はみられなかった。

個別の研究では何がわかったのか

  • 運動習慣のない健康な男性を対象に、抹茶1.5gを1日2回、8〜12週間飲んだ試験では、抹茶を飲んだ群で唾液中コルチゾールの分泌速度の変化が小さかった(p<0.05)。
  • 鍛えた男性自転車選手9人の試験では、糖質だけを摂った条件でテストステロンが有意に低下したのに対し、茶カテキンと糖質を併用した条件では維持された。
  • 中高年男性280人の横断研究では、緑茶を長く飲んでいる人のテストステロンが高かった(574.66対495.89ng/dL)。ただし観察研究であり、因果関係を示すものではない。

研究の限界は?

多くの人の試験は参加者50人未満と小規模で、血液と唾液など測定方法もばらばらである。抹茶そのものでホルモンを測った臨床研究は1件しかない。著者らは「抹茶に効果がないという結論ではない」としたうえで、成分比率を明記し、両方のホルモンを同時に測る試験が必要だと述べている。

よくある質問

抹茶を飲むとテストステロンは上がりますか?

現時点では確かな証拠はなく、今回のレビューでもテストステロンへの影響の確実性は「低い」と判定された。

テアニンのサプリと抹茶は同じ効果ですか?

同じとは言えず、レビューは成分の比率が異なる製品を区別して評価すべきだとしている。

KINNIKU TIMESの視点

「抹茶でテストステロンが上がる」という情報をSNSで見かけても、人での根拠はまだ限られている。筋肉づくりへの効果を期待して抹茶を飲むより、トレーニング、たんぱく質、睡眠を優先するのが確実である。抹茶や緑茶にはカフェインも含まれるため、トレーニング前に飲む場合はカフェインの適量を整理した記事も参考にしてほしい。緑茶カテキンを含むポリフェノールと筋トレの関係は11試験のメタ分析の記事で解説している。


出典:Alanazi A, et al. Frontiers in Nutrition(2026年9月8日)