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たんぱく質は増やすほど筋肉がつく?中高年女性108人の12週試験、0.8〜2.2gで差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
白い台の上の卵
SUMMARY|この記事の要約

筋トレに取り組む40〜77歳の女性では、たんぱく質の目標を体重1kgあたり1日0.8g、1.6g、2.2gのどれにしても、12週間後の骨格筋量に統計的な差はみられなかった。108人のランダム化試験で、自転車こぎを加えた群は体脂肪率が2.04ポイント低かった。

筋トレに取り組む中高年の女性が、たんぱく質を体重1kgあたり1日0.8g、1.6g、2.2gのどれを目標に摂っても、12週間後の骨格筋量に統計的な差はみられなかった。イランのイスファハン大学とオーストラリアのスウィンバーン工科大学などの研究チームが、40〜77歳の女性108人を対象にしたランダム化比較試験の結果を、国際スポーツ栄養学会の学術誌「Journal of the International Society of Sports Nutrition」で2026年9月14日にオンライン発表した。

バーベルを持ち上げる女性
写真はイメージです(Unsplash)

どんな試験だったのか?

試験は「筋トレだけ」と「筋トレ+自転車こぎ(併用トレーニング)」の2通りと、たんぱく質の目標量3通りを組み合わせた6群の比較である。

項目 内容
対象者 40〜77歳の女性108人(主に過体重・肥満)。最後まで解析できたのは83人
期間 12週間
筋トレ 週3回、指導者つき。ラットプルダウンやレッグプレスなど全身11種目を、1〜6週は3セット、7〜12週は4セット(1セット6〜16回、推定1RMの50〜75%)
併用トレーニング 同じ筋トレの直後に自転車こぎ(1週目は最大心拍数の50%で35分、12週目は75%で10分へと段階的に変更)
たんぱく質 目標を体重1kgあたり0.8g、1.6g、2.2gに設定。個別の食事指導で調整し、運動後は動物性食品からたんぱく質20〜40gを摂るよう助言
実際の摂取量(自己申告) 0.85〜0.86g、1.58〜1.62g、2.17〜2.21g

骨格筋量はどれだけ増えた?

体組成計(生体電気インピーダンス法)で推定した骨格筋量は、どの群も12週間で増えていた。

たんぱく質の目標(1日・体重1kgあたり) 筋トレのみ 筋トレ+自転車
0.8g +0.95kg +0.78kg
1.6g +1.12kg +0.86kg
2.2g +1.01kg +0.95kg

上の数値は開始時からの単純な変化量である。開始時の値をそろえて統計的に比べると、たんぱく質の目標量による差(p=0.726)も、運動の種類による差(p=0.273)も、両者の組み合わせによる差(p=0.856)も確認されなかった。

筋トレだけと自転車併用で何が違った?

骨格筋量以外では、運動の種類による違いが出た。併用群は筋トレのみの群より、12週後の体脂肪率が2.04ポイント低く、自転車こぎから推定した最大酸素摂取量が体重1kgあたり毎分4.53mL高かった。一方、レッグプレスの推定1RMは、筋トレのみの群が6.68kg高かった。ただし併用群は自転車の分だけ運動量が多く、研究チームは差の原因を運動の種類だけに帰すことはできないとしている。

この研究の限界は?

  • 骨格筋量と体脂肪率は体組成計による推定値で、直接の測定ではない
  • たんぱく質の摂取量は本人の記録に基づく自己申告
  • 108人中25人(23.1%)が脱落し、最後まで参加した人だけで解析した
  • 小さな差を見つけるには人数が足りなかった可能性があり、研究チームは「差がない」ことは「同等」の証明ではないと明記している
  • 運動をしない対照群は置かれていない

よくある質問

筋トレをする女性はたんぱく質を1日何g摂ればいい?

この試験では体重1kgあたり0.8〜2.2gの範囲で骨格筋量に差は出なかったが、どの量でも同じと証明されたわけではない。多くの研究をまとめたメタ分析では1.6gが一つの目安とされている。

有酸素運動を加えると筋肉が減る?

この試験では、自転車を加えても骨格筋量の伸びに統計的な差はなかった。ただし脚の筋力は筋トレのみの群の方が高かった。

KINNIKU TIMESの視点

この試験では、週3回の筋トレを12週間続けたどの群でも骨格筋量の推定値が増えており、たんぱく質の目標量の違いより、筋トレを続けること自体が土台になると読める。たんぱく質を極端に増やせば筋肉がさらに増える、という単純な話ではない点は押さえておきたい。一方で、今回の結果は小さな差を否定するものではなく、日々の食事で不足しないよう意識することは引き続き重要である。有酸素運動との組み合わせについては43研究のメタ分析を解説した記事も参考になる。食事で足りない分を補う場合は、プロテインの価格比較も確認できる。


出典:Bagheri R, et al. Resistance versus concurrent training with three assigned protein targets in middle-aged and older women: a randomized 2 × 3 factorial trial. Journal of the International Society of Sports Nutrition(2026年9月14日オンライン公開)/DOI: 10.1080/15502783.2026.2720742