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タウリンの効果は?肥満男性44人の12週試験、運動+1日3gで体重5.5kg減

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
白いカプセルを指先で持つ手
SUMMARY|この記事の要約

運動にタウリン1日3gを組み合わせた肥満男性は、12週間で体重が平均5.5kg、体脂肪率が4.9ポイント減り、運動のみの群(2.7kg減)を上回った。ただし各群11人の小規模試験で、著者ら自身が「予備的な結果」と位置づけている。

筋トレと有酸素運動にタウリン1日3gを加えると、運動だけの場合より体重や体脂肪率が大きく減った――。イランの研究チームが肥満男性44人を対象に12週間のランダム化比較試験を行い、2026年7月16日、国際誌『Nutrients』に発表した。一方で、各群11人という小さな試験であり、著者らは結果を「予備的・探索的」と位置づけている。

運動とタウリン摂取の有無で分けた4群の、12週間の体重・BMI・体脂肪率の変化量のグラフ
図:Saedmocheshi Sほか「Combined Aerobic–Resistance Training and Taurine Supplementation Reduce Asprosin and Elevate Spexin in Men with Obesity」Nutrients(2026)Figure 4/出典:Nutrients/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな試験?対象者と方法

対象は、BMI30以上の肥満男性44人(23〜32歳)。4つの群に11人ずつランダムに振り分け、12週間の変化を比べた。タウリンと偽薬(プラセボ)は見た目が同じカプセルで、参加者と血液を分析する担当者はどちらを飲んでいるか知らされていない(サプリメントの盲検化)。

群 運動 カプセル
対照群 なし 偽薬
タウリン群 なし タウリン1日3g
運動群 あり 偽薬
運動+タウリン群 あり タウリン1日3g

タウリンは1gのカプセルを1日3回、主な食事の後に飲んだ。運動は週3回(連続しない日)で、最大挙上重量(1RM)の60%を目安にした筋トレと、心拍数予備能60%程度のトレッドミル有酸素運動を組み合わせた。筋トレの重量は4週ごとに測り直して引き上げた。体組成は体組成計(生体電気インピーダンス法)で測定している。

タウリンで体重はどれだけ減った?

12週間の変化量は次のとおりである。対照群はどの項目も有意な変化がなく、タウリンだけを飲んだ群も体重・体脂肪率に有意な変化はみられなかった。

項目 運動群 運動+タウリン群
体重 −2.7kg −5.5kg
BMI −1.0 −1.8
体脂肪率 −2.7ポイント −4.9ポイント
アスプロシン(血中) −7.5ng/mL −11.2ng/mL
スペキシン(血中) +0.12ng/mL +0.29ng/mL

アスプロシンは脂肪組織から出て血糖を上げる方向に働くホルモン、スペキシンは満腹感に関わるペプチドで、どちらも肥満で乱れやすいとされる。5項目すべてで群×時間の交互作用が有意となり、運動+タウリン群の変化が最も大きかった。著者らは、組み合わせた群がどちらか一方だけの群より統計的に優れた改善を示したと結論づけている。

タウリンだけを飲んだ群でも、アスプロシンの低下(−2.9ng/mL)とスペキシンの上昇は有意だった。ただし体重や体脂肪率は変わっておらず、「飲むだけで痩せる」という結果ではない。

研究の限界は?

  • 各群11人と少なく、効果の大きさが過大に見積もられている可能性がある(著者らも指摘)
  • 対象は20〜30代の肥満男性のみで、女性や標準体重の人、鍛えている人に当てはまるかは不明
  • 12週間の食事内容を継続的には記録しておらず、食事の変化が結果に影響した可能性を否定できない
  • 体脂肪率は体組成計による推定で、水分状態の影響を受けやすく、DXA法より精度が劣る
  • インスリン感受性や炎症の指標は測っておらず、仕組みは分かっていない

運動をしながらタウリンを1回摂ったときの即時的な効果については、23試験のメタ分析を紹介した記事で「小幅な向上、証拠の確実性は低い」と整理している。

よくある質問

タウリンを飲むだけで痩せる?

この試験では、タウリンだけを飲んだ群の体重・体脂肪率は有意に変化しなかった。減量がみられたのは運動を組み合わせた群である。

タウリンは1日何g摂った?

1gのカプセルを主な食事の後に1日3回、合計3gを12週間摂取した。

この結果は確かなもの?

各群11人の小規模試験で、著者らも予備的な結果としており、より大規模な試験での再現が必要である。

KINNIKU TIMESの視点

減量の土台は、あくまで運動と食事である。この試験でも、運動をした2つの群はどちらも体重と体脂肪率を減らしており、タウリンは「上乗せの候補」にとどまる。体重差の2.8kgは魅力的に見えるが、1群11人の結果は数人の変化で大きく動く。食事の記録もないため、現時点でタウリンを減量目的で積極的にすすめる根拠としては弱い。

試すなら、今回の試験と同じ1日3g程度にとどめ、体重や体脂肪率の変化を数週間単位で記録して判断したい。エナジードリンクで補う場合は、カフェインや糖も一緒に摂ることになる点に注意が必要だ。


出典:Saedmocheshi Sほか. Nutrients 18(14):2325(2026年7月16日公開)/DOI: 10.3390/nu18142325