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プロテインに炭水化物は足すべき?鍛えた男性20人の試験、1日50g追加でも筋肥大に差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
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SUMMARY|この記事の要約

筋トレ歴約10年の男性20人が、プロテインに炭水化物を1日約50g加えた補給を8週間続けても、プロテインのみの場合と比べて筋肥大・筋力・除脂肪量に有意な差はなかった。摂取エネルギーは1日485kcal多かったが、上乗せ効果は確認されなかった。

筋トレ歴約10年の男性がプロテインに炭水化物を1日約50g足して8週間過ごしても、筋肉量・筋肥大・筋力はプロテインだけの場合と統計的に差がなかった。メンノ・ヘンセルマンス(Menno Henselmans)氏、マイケル・ロバーツ(Michael D. Roberts)氏らの研究チームが、20人のクロスオーバー試験の結果を2026年6月、学術誌『Nutrients』で発表した。「増量期は炭水化物を多めに」という定番の考え方に一石を投じる結果である。

炭水化物追加条件とたんぱく質のみ条件の差を示したフォレストプロット
図:Henselmans Mほか「Effects of Modest Carbohydrate–Energy Supplementation on Resistance Training Adaptations in Trained Men: A Crossover Trial」Nutrients(2026)Figure 2/出典:Nutrients/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな試験だったのか?

参加者は、平均26.7歳・筋トレ歴平均9.7年の男性20人である。全員が「プロテインのみ」と「プロテイン+炭水化物」の両方を8週間ずつ試すクロスオーバー方式で、順番は入れ替えて割り当てた。参加者も測定者も、どちらを飲んでいるか分からない二重盲検で行われた。

条件 1日の補給内容
プロテインのみ ホエイプロテイン:たんぱく質30g・炭水化物4g・脂質2g
プロテイン+炭水化物 同じプロテインにマルトデキストリンを追加:たんぱく質30g・炭水化物54g・脂質2g

参加者は普段どおりの筋トレと食事を続けた。評価項目は、DXA法で測った除脂肪量、超音波で測った太ももと上腕の筋厚・外側広筋の断面積、バックスクワットの1RM、膝伸展の最大トルク、疲労指数である。

炭水化物を足すと筋肉は増えた?

食事記録では、炭水化物を足した期間の方が1日の摂取エネルギーが485kcal、炭水化物が33g多かった。たんぱく質・脂質の摂取量やトレーニング量には差がなかった。そのうえで結果は次のとおりである。

項目 結果
除脂肪量の変化 プロテインのみ −0.20kg/炭水化物追加 +0.55kg(差0.76kg、統計的に有意ではない)
筋厚・筋断面積 有意差なし
スクワット1RM・膝伸展トルク 有意差なし
疲労指数 有意差なし

1期目のデータだけを使った感度分析でも、結論は変わらなかった。著者らは「控えめな炭水化物・エネルギーの追加は、鍛えた男性の筋肥大、疲労耐性、筋力を有意には高めなかった」と結論づけている。

なぜ差が出なかったと考えられる?

著者らは考察で、一般的な筋トレでは筋グリコーゲンの消費が限られること、筋肥大を主に左右するのは筋肉にかかる機械的な張力であること、月に1kgの筋肉をつけるのに必要なエネルギーは1日100kcal未満と見積もられ、体脂肪からもまかなえることなどを挙げている。

この研究の限界は?

参加者は20人と少なく、事前の検出力計算もなく、臨床試験登録も事後だった。割り付けは完全な無作為ではなく交互に行う「準ランダム化」で、筋肉や筋力は期間を空けても元に戻らないため、クロスオーバー方式では前の期間の影響が残りうる。炭水化物の差は計画の50gに対して実際は33gにとどまり、食事記録は自己申告である。女性や初心者、減量中の人、グリコーゲンを大きく消費する高ボリュームの練習をする人には、そのまま当てはまらない可能性がある。

よくある質問

プロテインと一緒に炭水化物をとる必要はありますか?

この試験では、プロテイン30gに炭水化物50g程度を足しても筋肥大や筋力に有意な上乗せはみられなかった。1日全体の食事で必要なエネルギーをとれていれば、必須とはいえない。

増量期に炭水化物を増やすのは無意味ですか?

無意味とまではいえない。除脂肪量は炭水化物を足した条件で0.76kg多い傾向があり、小さな効果を見逃した可能性を著者らも認めている。

KINNIKU TIMESの視点

「プロテイン+マルトデキストリン」を習慣にしている人は、少なくとも筋肥大目的では優先度が高くないことが分かる。まずは1日のたんぱく質量と総エネルギーを確保し、炭水化物は練習量や体重の増減に合わせて調整するのが現実的だ。炭水化物量と筋肥大の関係は炭水化物摂取量と筋肥大のメタ分析でも解説している。プロテインの価格を比べたい人は筋トレ最安ナビ(プロテイン)も参考になる。


出典:Henselmans M, et al. Nutrients(2026年6月)