ビタミンC・Eで筋力改善 高齢女性60人の12週試験、握力3倍以上に
サルコペニアの60~75歳女性が抵抗運動にビタミンC・Eを組み合わせた12週間の試験で、握力の伸びがプラセボ群の3倍以上になった。
中国の研究チームによる二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で、米国の医学誌「Medicine」に2025年8月に掲載された。
サルコペニア(加齢性筋肉減少症)に該当する60〜75歳の女性が抵抗運動にビタミンC・Eの摂取を12週間組み合わせたところ、握力の伸びがプラセボ群の3倍以上、膝伸展筋力の伸びは2倍以上になったとする研究結果が報告されている。中国の研究チームによる二重盲検のランダム化比較試験(RCT)で、米国の医学誌「Medicine」に2025年8月に掲載された。
どんな研究か
対象はサルコペニアの診断基準を満たす60〜75歳の女性60人。全員が週3回・1回50分の弾性バンドを使った抵抗運動を12週間行い、片方の群(30人)はビタミンC1,000mg/日(500mgを2回に分けて)とビタミンE335mg/日を、もう片方の群(30人)はプラセボ(乳糖)を摂取した。運動条件をそろえたうえでビタミン摂取の有無だけを比較した、二重盲検プラセボ対照試験である。
具体的な結果はどうだったか
| 指標 | ビタミン群 | プラセボ群 | 統計的な有意差 |
|---|---|---|---|
| 上腕の除脂肪量 | +0.96kg | +0.59kg | p=0.003 |
| 骨格筋量指数 | +0.71 | +0.42 | p=0.004 |
| 握力 | +3.66kg | +1.16kg | p=0.047 |
| 膝伸展筋力 | +2.28kg | +1.02kg | p<0.001 |
血液検査では、ビタミン群で抗酸化物質グルタチオン(GSH)とGSH/GSSG比の上昇、炎症マーカーIL-6の低下も確認されたと報告されている。一方で、歩行速度など身体パフォーマンステストの結果には両群で有意差がなかったとされ、筋肉量・筋力の指標ほどには差が出なかった点は留意したい。
「上乗せ効果なし」という研究もあるのでは
KINNIKU TIMESでは以前、抗酸化サプリと筋トレを組み合わせた7試験のレビューで「筋力への上乗せ効果は確認できなかった」とする研究を紹介している。今回の研究はそれと矛盾するわけではなく、対象がすでに筋トレをしている健常な人ではなく、加齢で筋肉が落ちているサルコペニア該当の高齢女性という点が異なる。酸化ストレスや炎症が強い状態ほど、抗酸化ビタミンの効果が表れやすい可能性があるが、これは今回の1件の試験(60人)から言えることであり、対象や条件が変われば結果も変わりうる。
よくある質問
サルコペニアとは何か。
加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する状態で、転倒や要介護のリスク上昇と関連するとされる。
健康な人がビタミンC・Eを多く摂れば筋力が上がるのか。
今回の研究はサルコペニアの高齢女性が対象であり、健常な人やすでに筋トレをしている人に同じ効果があるとは示されていない。研究によって結果が分かれている段階である。
KINNIKU TIMESの視点
ビタミンC・Eの高用量摂取は上限量が設定されており、他の薬やサプリとの摂取状況によっては注意が必要な場合もあるため、高齢の家族にすすめる場合は自己判断で高用量サプリを追加する前に医師や管理栄養士に相談したい。筋肉量の維持には、まずはたんぱく質の確保と運動習慣が土台になる点は変わらない。
出典:スポーツ栄養Web(日本スポーツ栄養協会、2025年10月18日)/NutraIngredients(2025年9月2日)/原著:Medicine (Baltimore). 2025 Aug 22;104(34):e43976/関連記事:ビタミンC・Eサプリは筋トレの効果を弱める?/サルコペニアに効くプロテインは?
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